40.初めてのリハビリ | 脂肪肉腫との戦い

脂肪肉腫との戦い

2015年8月14日に腹腔内の巨大脂肪肉腫の摘出手術を受けました。
その後、2016年9月、2017年11月、2019年9月、2020年9月、2021年6月、2021年10月、再発手術を受けました。
私にとってまさに戦いです。
これまでの経過を綴っています。

平成27年8月17日、月曜日、再手術2日目。集中治療室。
激しい痛みと熱は繰り返し襲ってきます。許されているのは、まだうがいと氷だけ。氷は1日10個から20個に増えました。

この日は、リハビリの齋藤さんが様子を見に集中治療室まで来てくれました。
手術前もそうでしたが、術後は声がほとんど出なくなってしまいました。なぜだかわかりません。声帯も弱っていたのだと思います。。かすれ声だけは何とか出せる程度です。なので声も出せずにうなずいて挨拶すると、齋藤さんは明るく「リハビリやりましょう」と言います。何もできないのに何をやるのか?

3日間も寝たきりでいると体力はどんどん衰えます。しかし、動かないと回復は望めません。

何をするのと聞くと、身体を起こしてみましょう、ということになりました。起こすといっても自力ではできません。ベッドのリクライニング機能をを使って身体を起こすだけです。しかし、たったこれだけのことが大変です。身体にはまだ何本もの管が繋がっています。しかも自力でないとはいえ傷口に響きます。また、頭が心臓より上になるので血圧が下がります。ふわふわとした感じ。血圧は到底100に届きません。
それでも何とか身体を起こします。

リハビリの齋藤さんは今日はここまでで十分と考えていましたが、私に「立てますか?」と聞いてきました。

ほとんど力の入らない状態ですが、ゆっくりゆっくりベッドから右足、次に左足をそろりそろりと下ろしました。そして、傷口の痛みをこらえながらぐっと両脚に力を込めて立ち上がりました。
やればできる。
リハビリの齋藤さんも看護師さんも喜んでくれました。寝たきりになりながらも、脚に力を入れたりしてわずかながらでも動いていたのが良かったのかもしれません。
その日は、遠くから妻も面会に来てくれました。
看護師さんから明日にも集中治療室から一般病棟へ移転すると聞き二人で喜んでいました。