39.再手術終了 | 脂肪肉腫との戦い

脂肪肉腫との戦い

2015年8月14日に腹腔内の巨大脂肪肉腫の摘出手術を受けました。
その後、2016年9月、2017年11月、2019年9月、2020年9月、2021年6月、2021年10月、再発手術を受けました。
私にとってまさに戦いです。
これまでの経過を綴っています。

平成27年8月15日、時刻は午後8時を回っています。
手術は順調に終わりました。

結果的には1日目の手術は完璧で、既にほぼ止血されていたのです。管から出ていた血液は、手術直後に出血したもので、2日目に開腹したときはほぼ止血されていました。ただそれは再手術をして初めてわかることで、やはり二度目の手術も必要な手術でした。

また、激痛と共に目が覚めました。妻が、「大丈夫だったよ」と言ってくれて助かったのだと分かりました。
ほっとする暇もなく、また昨日に続いて痛みとの格闘が始まります。
せっかく抜けた鼻からの管もしっかり入っていて振り出しに戻っています。
さあ、痛みよ来い!

ふと自分の手を見ました。血液が赤々と通っています。何度も確認しました。手術前の貧血状態の時は、本当に白かった。まるで死人のような青白い手をしていました。今は違います。

しばらくすると今度は、熱が襲ってきます。仕方がありません。想定内の事です。鎮痛剤は解熱作用もあるので一石二鳥です。
鎮痛剤は2種類使いました。透明なアセリオ、白濁したロピオンという鎮痛剤です。これを交互に点滴していきます。

看護師さんと相談しながら使用間隔ギリギリのところで投与してもらいました。点滴は30分くらいで終わりますが、その間鎮痛剤がぽたぽたと落ちるのをじっと見ています。少しずつ少しずつ体内に入って来ます。すると少しずつ痛みも和らいできます。
しかし、しばらくすると徐々に痛みが強くなり、次の点滴を看護師さんにお願いしますが、一定の間隔が必要なこともあり、しばしば時間をおかなければいけないこともあります。
熱があがると汗も出てきます。もともと汗かきのせいか、異常に発汗します。下着から寝間着もびっしょりになります。あまりにひどいときは着替えをします。しかしこれが大作業。寝たまま動けないのです。寝間着を脱ぐのを看護師さんと痛みをこらえながら、右に向いたり左に向いたり、いくつかの工程を経てやっとのことで脱ぎ終わります。
次に着る時も同じように少しづつ少しづつ進めていきます。
着替えるだけで一仕事。その後は暫くぐったりしてしまします。

痛み止として手術の際に背中に硬膜外麻酔を施しましたが、これは術後もお世話になりました。背中に細い管が入っていてここから脊髄付近に直接鎮痛剤を注入できます。枕元に注射器のようなものが置かれ、これが管に繋がっていて、自分で鎮痛剤を投与できる仕組みになっています。注射器のようなもののピストン、これはかなり固いのですが、握力のなくなった手で渾身の力を込めて押し込みます。すると不思議なことに背骨の中を上から下に向けて、すぅーと爽やかな風が通り抜けます。すると痛みもすぅーと引いて行きます。なんとも不思議な感覚です。
この固いピストンには、別のボトルから鎮痛剤が自動的に溜まる仕組みになっていますが、一杯になるのに一時間くらいかかります。この時間がなんとも待ち遠しい。一杯になるとピストンを押す。

こんなことがベッドの上では大きな楽しみなのです。