34.手術記録 | 脂肪肉腫との戦い

脂肪肉腫との戦い

2015年8月14日に腹腔内の巨大脂肪肉腫の摘出手術を受けました。
その後、2016年9月、2017年11月、2019年9月、2020年9月、2021年6月、2021年10月、再発手術を受けました。
私にとってまさに戦いです。
これまでの経過を綴っています。

後日入手した手術記録によると手術の概要は次の通りです。

診断名:腹腔内脂肪肉腫、左腎門部脂肪肉腫
術式:摘出術、左腎合併切除
麻酔:全身+硬膜外、麻酔医:伊藤、松尾
術者:白井、寺岡、田邉、矢嶋、堀

上下腹部正中切開で開始。途中、左横切開を追加。腫瘍被膜は腹壁と癒着。可及的に剥離しながら開腹施行。開腹すると肝臓以外の臓器は腫瘍に覆われて確認できず。
途中腫瘍被膜表面の止血を行なったところ、腫瘍内部の壊死状物質と思われる液体が多量に吸引された。また、枯血性の液状物も吸引された。腫瘍内部の壊死と出血があった。
1.
腫瘍を腹壁から左側、尾側骨盤腔内、右側の順で剥離を進めた。途中被膜が破れて液状物質の流出があった。腫瘍内部の液状物だけでなく、腫瘍の一部を損傷すると出血も続いた。小腸、結腸と癒着しているところもあったが、概ね剥離は容易。肝十二指腸間膜あたりから慎重に操作を行った。肝動脈、胃から剥離を進め、脾との癒着を剥離した。肝動脈、腹腔動脈、脾動脈に腫瘍は進展。ここをリンパ節郭清(取り除くこと)を行うように剥離した。左胃動脈は結紮削除。これで腹腔内腫瘍は切除された。
2.
ついで、左後腹膜の腫瘍の切除。左側結腸を剥離。左腎周囲を剥離。腫瘍は腎門部に位置した。前面から剥離し、腎静脈を確保。腎動脈は腫瘍に巻き込まれていた。このため、左腎の温存は断念。腎合併切除することになった。腎を周囲から剥離。腫瘍の右側で腎動脈、腎静脈を結紮切離。腫瘍を腎と一塊に切除した。

術中、出血によるショック・血圧低下(30台)あり。輸血で軽快。

麻酔時間:8時間5分、手術時間:6時間46分。
出血量:18000g
術中輸液:5500ml、ボルベン2000ml、輸血:RCC40単位、FFP40単位、血小板10単位、5%アルブミン製剤:12本
腫瘍重量:9㎏
液状物質:5㎏

術中出血多く、術後の合併症に注意が必要。

以上