30.寺岡先生の決断 | 脂肪肉腫との戦い

脂肪肉腫との戦い

2015年8月14日に腹腔内の巨大脂肪肉腫の摘出手術を受けました。
その後、2016年9月、2017年11月、2019年9月、2020年9月、2021年6月、2021年10月、再発手術を受けました。
私にとってまさに戦いです。
これまでの経過を綴っています。

平成27年7月29日、午後5時から寺岡先生の診察が始まりました。H君も一緒です。画像を見ながら次のように説明してくれました。
「以前撮ったCTでは、門脈が非常に細かった。これではだめだったが、昨日撮ったCTの画像では、かなり太くなっている。よし、腫瘍を取りに行くぞ。まず、開腹すると相当量の粘液のような物が出てくるだろう。これを吸引器で吸いとるとお腹はきゅーと小さくなる。本当の腫瘍は肝臓の下あたり。これを頑張って剥がす。場合によっては腸を半分ぐらい切除する。腸は1メートルもあれば十分。左の腎臓にも腫瘍が絡んでいる。これは剥がれないかもしれない。その場合は犠牲になってもらう。開けて見ないと分からない。低タンパクだが、このままでは傷の治りが遅れる。もっとタンパクのレベルを上げること。」
そして、手帳をパラパラと開いて日程調整を始めました。分子標的薬ヴォトリエントは、手術の際に出血しやすくなる作用があるため、服用を停止して10日から2週間ほどあける必要があります。日程をチェックし、先生のスケジュールの空いている8月14日を手術日に決めました。
信じられない!検査のために入院して翌日、もう手術の日程まで決めてしまったのです。夢か?
ただし、寺岡先生から続けてこう言われました。
「この手術は危険を伴う。一筋縄では行かない。家族全員、ご健在なら両親、そして、第一発見者の内科医の義兄、この全員に対して私が自ら手術の説明をする。全員、熱海に来てほしい。全員の同意が必要条件だ。」