8月5日 (16)
蜜豆やときどき妻が生意気で 鈴木 鷹夫
長浜 勤
蜜豆は明治時代に考案された大人の甘味。寒天や赤えんどう豆等を食材としている。久しぶりの夫婦のデートで銀座にでも来ているような設定だろうか。お互いに敬語で話していた頃もあったが、結婚生活も長くなると妻の生きる力が大きくなるようだ。そうした時の流れを受け止めた措辞が「生意気」ではなかろうか。ご夫婦を存じあげていると微笑ましい。
句集『カチカチ山』所収 季語【蜜豆】