おびクリニュース2025年2月号を転載いたします。
Q. 年を重ね、生き甲斐がなく憂鬱です。何を目標にすればよいのでしょうか?
A.高齢者の二人暮らしや、一人暮らし世帯が増えています。
周囲との交流が減って、寂しさを感じたり、生き甲斐がないという悩みを相談される方もいらっしゃいます。
高齢化社会は不幸な時代という風潮ですが、ピンチはチャンスともいいます。
日本が先行して他国が模範とするような高齢化社会をつくることができれば、日本国民にとっても、世界中の方々にとっても幸せなことではないでしょうか。
話しはかわりますが、先日、恩師である寺澤捷年先生(元日本東洋医学会会長)の傘寿(80歳)をお祝いする会に参加しました。
その際、約25年前の富山大学医学部長時代に厚生労働省の官僚(ノーパンしゃぶしゃぶ事件を起こした旧大蔵省から社会保障費削減を指示されていた)から
「アメリカに漢方薬はありませんが世界最高水準の医療が提供されています。日本で漢方薬を健康保険で扱う意味があるのでしょうか」という愚問を浴びせられたと語られました。
これは言い換えると、「アメリカには日本語がありませんが、世界最高水準の知的水準を保っています。日本語を使う意味があるのでしょうか」というに等しい自虐思想です。
ご存じのように漢方薬は東アジアの医療に深く浸透し現在も受け継がれています。
「自国の伝統、アイデンティティ-を軽んじて 我々の子孫は何を国造りの目標にすればよいというのか。木っ端役人の愚かものめ。死ぬまで戦うぞ」と叫んでおられました。
私たち弟子は大いに鼓舞されました。
ちなみに寺澤先生は東京は下町、両国高校のご出身で、「捷年」というお名前は1944年11月21日にお生まれになったので、ご両親が戦争の勝利を祈って「かつとし」と命名されたのですが、その翌年1945年8月15日に日本は敗戦国となります。
先生の思想の根底には国家が国民を不幸にしたという体験がしみ込んでいると私は見ています。
その体験から、国家が間違った方向に進もうとしたら、体を張って止めるという闘争心あふれる先生です。
いまも、花粉症の薬や湿布薬、漢方薬を医療保険から外して、社会保障費を抑制するという主張が一部の政党からでていますが
国民が納めた税金や保険料を国民の為に使うのは正しいことです。
全部もともと国民の財産です。
それをアメリカに言われたので43兆円も防衛費を捻出するために社会保障費を削るという、木っ端役人の軽薄な自虐思想に、多くの方の不快指数が最高潮に達しているようです。
私も未来をよくするために戦う高齢者でありたいと思いました。その姿が、いかに若い世代を鼓舞するかということを身をもって感じたからです。
生き甲斐のない人など本当はいないはずです。
年齢を問わずです。
生き甲斐を国家が奪っているだけではないでしょうか。
高齢者をお荷物扱いし、少子化を若者のせいにして、国家運営の失敗の責任をなすりつけていることが諸悪の根源です。
高齢者が生活を楽しみ、人生を喜び、「長生きしてよかったね」と笑顔で語らう姿をみれば、若い人達も最後は豊かな老後があるから頑張ろうと思えるのではないでしょうか。
それが模範的高齢化社会です。
まず、そういう思想が根底になくてはいけません。
そのためには、明るく、元気な高齢者の方が増えることが必要です。いつも元気で介護いらずを目指してください。
皆さんが、普段から健康管理に努め、骨密度や筋力、知力を養うことを心がけ、ときには怒りの声をあげ、(お米の値段を下げろ!ガソリン代を下げろ!)、模範的高齢化社会を作ってください。
そのお手伝いをさせていただきたいと思っています。
最後までお読みいただきありがとうございました![]()