おびクリニュース2025年5月号を転載します。
Q. 新しい肺炎のワクチンが出たそうですが、いつ接種すればよいでしょうか?
A.ご存知のように肺炎による死亡者の97.9%が65歳以上です。
※2021年統計、新型コロナウイルス感染症による死亡者は含まれない。
高齢になってからの肺炎は命に関わるため、10年以上前から自治体の定期予防接種が行われてきました。
定期接種で使用される肺炎のワクチンはニューモバックス(PPSV23)と呼ばれるもので、多くの方が接種をされています。
このワクチンは5年間経過すると効果が減弱する欠点があり、5年ごとの接種が推奨されてきました。
ところが、2024年9月に「日本感染症学会・日本呼吸器学会・日本ワクチン学会合同委員会」より新たな提言がなされました。
端的にいいますと、ニューモバックスを接種してから1年以上経過している方には、新しいワクチンであるプレベナー⑳(PCV20)【自費12480円(税込み)】の接種を推奨するというものです。
これに基づき、ニューモバックス接種後1年以上経過した患者さんにはお声がけしております。
もし、積極的に接種をご希望の場合は受付スタッフ、看護師、医師にお申し出ください。
なぜ、合同学会から新たな提言をなされたかと言いますと、プレベナー⑳はこれまでの肺炎ワクチンにない長所があるからです。
これまでの肺炎ワクチンにはニューモバックス(PPSV23)のほかに、プレベナー⑬(PCV13)、バクニュバンス(PCV15)がありましたが、それぞれ長所と短所がありました。
簡単に言うと、幅広い肺炎球菌のタイプに対応するけれども効果の持続が短いワクチンか、効果は10年以上長持ちするが、対応する肺炎球菌のタイプが少ないワクチンです。
今回のプレベナー⑳は効果が10年以上持続すると考えられ、対応する肺炎球菌のタイプも20種類と広範囲をカバーしており、従来の肺炎ワクチンの短所をほぼ克服しているところが画期的です。
患者さんのご負担の面でも、ニューモバックスは5年ごとの接種ですので10年間で2回接種(9600円×2回)が必要ですが、プレベナー⑳(12480円)は1回で済むといわれていますので、費用面でもメリットがあります。
保険料なども毎年支払うより、10年分まとめて支払った方が総額が安くなりますが、12480円で10年間効果が期待できると考えていただくと、悪い話ではないかと思います。
ただし、すべてのワクチンに共通しますが、病気を100%予防できるわけでありません。
1日30品目の栄養バランスのとれた食事、目覚めがすっきりと感じられる良質な睡眠、いつも楽しみ、喜びを感じられる精神的なゆとり、そういった面にも配慮しつつ、将来の病気に備えていただきたいとおもいます。
繰り返しお伝えしていますが、病気になってから治療するのではなく、病気にならずにすむように備えることが最善の治療です。
「備えあれば憂いなし」=「未病を治す」=「予防に勝る治療なし」です。
最後までお読みいただきありがとうございました![]()