若い時から取り組んでいただきたいこと・・・・ |     おび内科・漢方クリニックのブログ

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       鎌倉で内科、漢方、胃カメラ、大腸カメラのクリニックをしています。診療の合間につれづれなることを発信していきます。

みなさんこんにちは波

 

感染症が増加しています。

 

コロナ、インフル、急性胃腸炎の患者さんが増えています。

 

受験シーズンでもあり、体調を崩すわけにいかないという方は「N95マスク」の着用を考慮してみてください。

 

人が集まることが常態化していますので、当然、人から人への空気感染がおこります。

 

ウイルスを体に入れないことが第一の防御です。

 

いわゆる不織布マスクでは心もとない方は、「N95マスク」

 

というものが手に入るようになりましたので、お使いいただくとよいと思います。

 

インターネットで購入できますが、性能はいろいろな評価がありますので、よく吟味なさってください。

 

 

最近、お子さんの受験の話題からの流れで、20代、30代の息子さんや娘さんの健康管理を当院でしてもらえないかというご相談がありました。

 

このお話があったときに、こちらの親御さんは意識が高く、先の時代をよんでいらっしゃるなと思いました。

 

昭和生まれの世代は20代、30代から健康管理が必要などという意識は全然ないと思います。

 

昭和の感覚だと病院とか健康診断という言葉は40代から50代になってからだと思います。

 

しかし、その認識は未来を生きるお子さんたちの人生では正解とは言えない可能性が大です。

 

 

長年診療してきて私が感じていることをふまえながら、20代からの健康管理の重要性をご説明します。

 

 

まず、いま20代の方は90歳まで長生きすることは当たり前になります。

 

健康で自立した90歳であれば長生きは喜ばしいことですが、要介護で寝たきり生活で施設に20年入所という形はできれば避けたいでしょう。

 

そのためには、20代から生活習慣、食事、健康意識を高く持っていただき、高血圧、糖尿病、脂質異常症の3代生活習慣病を予防して頂くことがとても重要です。

 

そして、がん検診は積極的に受け、全身に転移したり、抗がん剤の長期投与が必要になるまえに早期発見早期治療で対処してください。

 

 

なぜか?

 

自公政権+財務省+経団連+日経新聞の医療費抑制策がますます激しくなるからです。

 

余談ですが、2024年の4月は診療報酬改定があります。

 

病院、薬局、介護福祉施設が受け取る報酬を国が決めるのですが

 

 

2016年から8年連続、医療費抑制策が続いています。

 

▼2012年度:プラス0.004%(本体プラス1.379、薬価等マイナス1.375)
▼2014年度:プラス0.1%(本体プラス0.73、薬価等マイナス0.63%)

▼2016年度:マイナス0.84%(本体プラス0.49、薬価等マイナス1.33)
▼2018年度:マイナス1.19%(本体プラス0.55、薬価等マイナス1.74)
▼2020年度:マイナス0.46%(本体プラス0.55、薬価等マイナス1.01)
▼2022年度:マイナス0.94%(本体プラス0.43、薬価等マイナス1.37)
▼2024年度:マイナス0.12%(本体プラス0.88、薬価等マイナス1.00)

 

 

個別にみると医療関係者の人件費や必要経費の原資となる本体部分という配分は

 

0.88% 約3700億円増ですが、たったの0.88%です。

 

ちなみに防衛関連予算は1兆1200億の増加です。

 

 

我々、医療福祉関係は、ガソリン代、電気代、水道代、コピー用紙などの消耗品、医薬品、医療機器代金、メンテナンス費用、人件費、そして値上がりした分の消費税負担増(※100円の注射器が20%値上げされて120円になると消費税が10円から12円に20%アップします。保険診療では医療機関は患者さんから消費税を受け取れないので増税分を自腹負担しなければなりません。)

と、あらゆる経費の値上げに直面していますので医療サービスも値上げさせていただくしかないのですが、自公政権とそれを支持する経団連、財務省、日経新聞の方針により

 

増加幅はわずか0.88%です。

 

日本全体の物価が2.6%上昇していますので

 

 

実質値下げを余儀なくされています。

 

※受験シーズン真っ只中です。進学先として医学部、看護学部、薬学部が人気ですが、私は危惧しています。年々予算を減らされる方向にある医療業界にご子息が進むとしたら、いまより待遇の改善は見込めません。より良い待遇を目指すならIT分野、人工知能、脱炭素エネルギー、宇宙関連、金融分野がよいでしょう。それでも医療福祉関係に進むという「志」を示してくれたら、うれしい反面、「過労死だけはしてはいけないよ」と声をかけます。

 

 

 

 自公政権は日本の医療には投資をしないと宣言しているからです。病人にはお金をかけないよと言っているのです。

 現状の救急医療や専門医の診療を維持するには、最低限、医師の3交代勤務が必須ですが、そのためには医師の人件費が現状より3倍必要です。そんな予算は組まれていません。医師の労働環境改善は口先だけです。肝心の予算を計上していません。デジタル化で解決すると称してIT企業に税金が流れるようにしているだけです。しかし、マイナンバーカードの保険証としての利用率は約4%。要するに国民が望んでいないのです。政策の失敗。税金の無駄遣い。それを改めることができない政府と経団連。国力が衰退していくのは明らかです。

 国民が求める医療とは何か、日本が目指す医療の形は何かという理想がなく、自公政権と経団連と財務省と日経新聞は社会保障費の圧縮が正義だと勘違いして、日本の医療を歪め続けています。

 政権交代があれば話は別ですが、このまま自公政権が続けば30年後にどうなっているか?このブログを読み返して私の忠告は無駄であったとしみじみ思うことになると思います。今後、医療関係者や患者さんは少数民族として扱われるのです。弾圧されて、生かさず殺さずの扱いを受け続けるのです。ご子息が医療関係に進まれている方や、病気で治療を受けている患者さんは、いま抵抗しなければ手遅れになります。これはいかん!と思った人は選挙に行って自公以外に投票してください。

 

 

だいぶ脱線しました、すみません。

 

医療費抑制策が継続したらどうなるか

 

最初にダメージをうけるのは医療関係者ですが

 

 

次は

 

患者さんです。

 

病院に受診したときの自己負担を増やされます。

 

1割、2割の人もいずれ3割になります。

 

そのうえ、2024年度から「長期収載品にかかる患者特別負担」が導入されます。

 

簡単にいうと

 

ジェネリック以外の高い先発品のお薬は贅沢な治療という名目で一部負担金を徴収される

 

ようになります。

 

この仕組みを「選定療養」といいます。

 

 

本来、「選定療養」は個室に入院する富裕層の患者さんに向けて

 

「ラグジュアリーな入院生活をお求めなら、その分の料金をお支払いください」

 

という考えで始まった制度です。

 

飛行機でいうファーストクラスに相当します。

 

贅沢を望むなら、その分は別途ご負担くださいという考えです。

 

 

ところが、自公政権は

 

患者さんの自己負担を増やす口実として

 

贅沢とは言えない事にまで

 

この「選定療養」という仕組みを悪用することを考えはじめました。

 

私は反対です。

 

 

 

わかりやすく言えば

 

学校給食で

 

「パンと牛乳は用意しますが、おかずが食べたい人は特別料金を払ってください」

 

という市長がいたら、それはおかしいだろうと反対しますよね。

 

薬や給食のおかずはブランド品やシャンパンのような贅沢品じゃないでしょう。

 

 

でも、これが自公政権の考えなのです。

 

このまま政権交代がなければ30年後には受けられる医療や介護の内容が支払える金額によって大幅に変わる、そういう時代になってしまうのです。

 

恐ろしいことです。

 

個々の所得によって受ける医療や介護サービスが異なるということは、差別に繋がる感覚を医療に持ち込みます。

 

貧しい人の命や人生は粗末に扱ってもいいという発想です。

 

非常に危険な政策です。

 

それでも、何が何でも国や企業の負担を減らすために選定療養をあらゆる分野に広げようと画策しています。

 

それが自公政権と経団連、財務省、日経新聞の考え方です。

 

 

 

 

何のために国民は消費税増税を受け入れたんでしょうか???

 

消費税を増税する代わりに社会保障を維持すると約束されたはずですよね???

 

結局、あれは嘘だったのです。

 

国民は騙されただけでした。

 

 

 

つまり、いま20代、30代の若い人たちが50代、60代になる頃、病気で通院が必要な時、手術が必要な時、今とは比較にならない自己負担を背負わされることになる可能性が高いです。

 

心筋梗塞や癌になったら、高額な医療費を払えず、若くして亡くなることを受け入れなければならない日がやってきます。

 

そうなれば、自分のことで精いっぱいとなり、ますます子育てにお金がかけられないため、結婚はするが子どもは諦めようという若者が増えるでしょう。

 

更に少子化が加速します。

 

国の担い手が減ります。

 

ますます社会保障費が削られます。

 

悪循環です。

 

 

さらに、医療福祉関係者の待遇改善がなされないため、人材流出により医師も看護師も薬剤師もなり手がいなくなります。

 

※現実に最近の若手医師は仕事がキツイ内科や外科は選ばず、当直がなくてお金が儲かる美容整形や当直が楽なのに収入は外科や内科と変わらない皮膚科や眼科を選択する人が増えています。

 

そして

 

・救急外来の閉鎖

 

・手術は1年待ち

 

・病院の統廃合によって、遠方の病院へ通院を余儀なくされる

 

・良い医師がどんどん減って、診察を受けるのに丸1日かかることが常態化(いまでも一部にそういう病院はありますが、もっとひどくなるでしょう)

 

・病院で診察を待てない人は自宅で人工知能(AI)に診断してもらって、市販薬を薬局やインターネットで買い、それでも治らないときは人間の医師に診断を受ける

 

という時代になるかもしれません。

 

 

頭がいい方はそういう時代が来ることを予測して

 

病気になることは今と比べ物にならないぐらい負担が大きい

 

だから、できるだけ長く健康でいよう

 

と考えて

 

・20代、30代から健康長寿の生活習慣を身に着けよう

 

・病気の早期発見早期治療に努めよう

 

・未病を治すようにしていこう

 

と考え始めています。

 

いうなれば、若いうちからNISAで将来に備えて金融資産を増やそうという試みと同様に

 

自分の健康資産を減らさないように若いときから対策していこうという発想を持ち始めています。

 

自公政権と経団連と財務省と日経新聞が支配する日本が続くかぎり

 

こういう思考が、望むと望まざるにかかわらず必要となる時代がやってきてしまうのです。

 

 

 

 

もっと、人間のエゴに関わる、えげつない話をしましょう。

 

 

もし、ご子息が結婚したい人がいると言ってお相手を連れてこられたときに

 

若い頃から健康意識を高く持って生きてきた方と

 

そうでない方がいたら

 

親としてどちらの方との結婚に安心するでしょうか。。。。

 

 

もし、その方のご両親が

 

健康意識の高い方たちで、将来の医療介護の負担が少ないだろうと予想される場合と

 

そうではない場合

 

親としてどちらの方との結婚を望んでしまうでしょうか。。。。

 

 

これは人間のエゴに関わる部分です。

 

決して、人として正しい考え方ではありません。

 

でも、わが子の将来を思えば、そういう気持ちに傾いてしまうことも否めません。

 

 

もし政権交代して医療費抑制策が撤回されれば、将来、病気や要介護となることに不安がなくなり、そのことによる国民同士の差別は生じませんし、若い人も将来への不安が減ります。

 

しかし、このまま医療費抑制策が継続されれば

 

若い人たちがお互いを好きになって

 

結婚したい、家庭を持ちたい、子育てをしたいと思っても

 

将来の病気や介護のことを考えると躊躇してしまい、晩婚化、少子化を加速させます。

 

少子化となれば、ますます社会の担い手が減り、社会保障費を削るしかなくなります。

 

悪循環もいいところです。

 

 

今後、日本の政権がどのようになり、どのような政策を選択するかは選挙によって決定されるのですが

 

相変わらずの低い投票率(40%)です。

 

政権交代は期待できません。

 

パーティー券、裏金問題で自民党が批判にさらされていますが

 

パーティー券を買うことで自分たちの利益を政治家に求めていた経団連企業のエゴは裁かれていません。

 

こういう国で将来、重い病気になったり、要介護になることのリスクがお分かりいただけたでしょうか。

 

 

ようやく結論に入りますが

 

若いときから取り組んでいただきたいのは健康という資産を守る行動です。

 

若いころから健康を保って生きていこうと考えてくれる人が増えれば病気の人が減り、無茶苦茶なコストカットをしなくても医療費、介護費は自然と減少します。

 

結果的に国や企業や国民の負担が減ります。

 

 

多くの方にご理解いただけることを願っています。

 

最後までお読みいただきありがとうございました薬

 

 

 

おまけ

 

東京にある科学未来館に勉強に行ってきました。

 

「老い」がテーマです。

 

将来は技術が発展すれば、現在は人間が行っている様々な介護サービスをロボットがしてくれるようになり、一人ぐらしの長生きも不安がない時代が来るかなと思いました。

 

しかし、そういった機器を購入し、メンテナンスしなくてはならず、電力も使います。

 

その費用はどこから捻出すればいいのでしょう。

 

常に寄り添ってくれていたロボットが、万が一故障して動作しなくなってしまった場合、ペットロスのような精神的ショックを抱えることになるのでしょうか。

 

やはり、長生きしても自分のことは自分でできるように、若いころからこつこつ健康貯金を積み立てることが大切なのかなと思いました。