みなさんこんにちは![]()
4/25は関東では激しい横殴りの雨が降りました。
クリニックの前を流れる柏尾川の水位も232㎝まであがりました。
洪水には至りませんでしたが、大船地区は洪水の危険地帯です。
大船に住まう、私どもはいつも警戒しています。
今回は
「ふだんの血圧が低いから、たまに血圧が高くても血圧の薬はのまなくていいですか?」
についてお話しします。
高血圧は脳卒中、腎不全、心筋梗塞などの重大疾患の原因となり
サイレントキラーといって
医療者の間では自覚症状のない、危険な病気として認識されています。
ところが、患者さんにとっては
高血圧は痛くない、かゆくない、食欲も落ちない、体力もおちない
かぜやインフルエンザや花粉症より、困らない病気として軽んじて見られています。
あえて言いますが、高血圧は恐ろしい病気です。
その理由を解説いたします。
血圧は圧力です。
高ければ高いほど、血管というゴムホースに圧力をあたえ、劣化させます。
そして、圧力に耐え切れなくなった血管は裂けて、破裂し、出血をおこします。
脳の血管が破裂すれば脳出血。
大動脈が破裂すれば、大動脈破裂です。
いずれも、生死をさまよい、良くて寝たきり、悪ければ即死です。
一般的に血圧が180を超えると破裂、出血の危険がぐっと高まります。
ここで、柏尾川に話をもどします。
鎌倉市、大船を流れる柏尾川は暴れ川として有名です。
1時間60ミリの雨には対応していますが、それ以上は氾濫します(神奈川県土木課の説明)。
そのため、川底を掘り、堤防をコンクリートで高くしています。
そんな暴れん坊の柏尾川なのですが
いつもは水位数㎝程度の、川底が見えるおとなしい川です。
それなのに、ちょっと激しい雨が降ると、あっというまに水位が上がり、3から5mになることもしばしばです。
そして、氾濫します。
地域住民は水浸しになり、流されないよう逃げなければいけません。
大変なことです。
実は、高血圧は柏尾川の水位とおなじです。
たった一度、激しく高くなれば、あなたの人生を寝たきりコースへもっていきます。
洪水と同じで、生活再建には膨大な労力を必要とします。
私たちはどうしたらいいのでしょうか?
答えは
普段から血圧は高くても、130/80ぐらいに保ち
驚いたり、怒ったり、寒くなったりしても
最悪、160/100までに抑えることです。
血圧は柏尾川の水位と同じで
普段は低く抑えることが基本です。
万が一高くなっても、堤防を越えない高さ
すなわち、160を超えないように努めてください。
そうすれば、血管は耐えられます。
不意の破裂は防げます。
よく、聞かれる、患者さんのコメントに
「病院に来た時だけ高いんです」
「急いできたから高いんです」
というエキスキューズがあります。
しかし、それはどれも意味がないことがお分かりかと思います。
柏尾側の水位に例えれば
「台風が来たときは高いんです」
「ゲリラ豪雨だから高いんです」
といっているようなものです。
高くなる理由を説明していますが、それで川の氾濫や血管の破裂を防げません。
であれば、塩分、糖分、脂肪分を抑えた食生活で、血管のしなやかさを保ち
万が一血圧が高くなっても、破裂しないように
普段の血圧を低く保つことが重要なのです。
血圧の変動は
柏尾川のように激しく変動する人もいれば
非常に穏やかな変動の人もいます。
したがって、健康診断の1回の測定値が正常でも、ずっと安心ともいえないのです。
大切なことは、普段のご自宅での血圧を測定し、ご自分の血圧の変動幅を把握することです。
そして、1回でも160を超えることがあれば
主治医の先生にお話しして、食事療法や薬物療法について積極的に取り組むことをお薦めします。
ここで、良く聞かれるコメントとして
「血圧の薬を飲み始めると、ずっと飲まなくてはいけないから嫌だ」
というのがありますが
真実は
・血圧の薬をずっと飲まなくてはいけないのは、高血圧を放置していた人です。
・血圧の薬がないと、一向に下がらなくなってしまうぐらい血管が固く、劣化してしまった人です。
そうではなく、早めに治療を開始した人は、食事内容の改善や気温の上昇で
・薬をやめられる
・冬だけ服用すればいい
という限定的な治療にとどまっています。
あなたの血圧が、穏やかな川の水位であればいいのですが
変動の激しい柏尾川だとすると、とても心配です。
高血圧を放置して、突発的な高血圧で180を超えて脳出血や大動脈破裂とならないように
備えていただきますよう、ご忠告申し上げます。
最後までお読みいただきありがとうございました![]()