米国の子どもや若者の間で最も多い死因 銃器関連に変化。 | ★マエちゃん噴泉記★【大阪DE農業】

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米国では、子どもや若者の主な死因は今も事故とけがだ。

 

この年齢集団で最も多い事故死の原因は、最近まで交通事故だった。しかし近年では、銃に関連したけがが交通事故を抜き、若者や子どもの間で最も一般的な死因となった。そしてこの数は、毎年増え続けている。

 

医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)の2022年4月16日号に掲載された論文はこの変化を分析し、その影響や考えられる要因について議論した。論文の著者らは、ボストン小児病院、ハーバード医科大学院、ハーバード大学T. H.チャン公衆衛生大学院の健康政策・経営学部に所属している。

 

著者らはまず、米国の子どもや青年期の若者の間で最も多い死因が不慮の事故によるけがであることを説明した。米国の1歳から44歳までの全個人の間で最も多い死因は今も事故のままだ。また、出生から1歳までの集団で最も多い死因は、先天性異常のままで変わらない。

 

事故一般は今も若者の間で最も一般的な死因だが、1〜24歳の間では現在、銃による暴力や事故によるけがを原因とした死亡が交通事故死より一般的になりつつある。

 

事故やそれによるけが・死者をなくすことは難しく、ゼロに近づけることさえ簡単ではないが、リスクを抑える防止策はいくつかある。シートベルトやエアバッグ、背面カメラ、乳幼児用安全シート、車線変更警告システムなど自動車の安全策は全て、路上でのリスクを軽減してきた。しかし、携帯電話の使用の増加や飲酒運転がなくならないことで、多くの安全策が相殺されてしまっている。

 

自動車安全を公衆衛生の観点で大きく向上させたのは、米高速道路交通安全局(NHTSA)が交通関連の負傷・死亡の状況を追跡するため始めた改良されたデータシステムだ。こうした分析は過去数十年にわたり、安全策を統制された方法で実施できるようにした。その結果、小児や若者の間で年間の交通事故死の数が減り続けた。

 

米疾病対策センター(CDC)によると米国では2000年、若者の1万3000人以上が自動車関連のけがで亡くなった。しかし、若者の間の死亡記録は2020年には8000人をわずかに上回る水準になり、過去20年以上で40%を超える減少を見せた。

 

それとは対照的に、1〜24歳の銃器がらみの死者数は2000年には7000人を少し下回っていたが、2020年には1万人を超えていた。この期間には、自動車事故を原因としたけがや死亡を減らすための連邦政府の補助金が増えるのに呼応して、自動車関連の安全対策が増えた。一方で、銃器の安全性調査のための政府の資金は1996年から2019年の間、全くないか、あってもわずかだった。

 

1990年代初期には、公衆衛生対策として銃に関連した負傷の評価が行われることを妨害する「ディッキー修正条項」が生まれた。これは、連邦政府の資金を銃規制の支援・奨励に使ってはならないとするものだ。政府の支出法案の妥協により、2018年にはCDCが銃の安全性に関する研究に携われるようになったものの、提供される資金額は不明なままだった。

 

若者の間の銃器関連の死者数は2014年に上がり始め、2016〜19年の間に安定し、2020年にまた急激に上昇した。この年齢集団における自動車関連の死者数は2016〜19年の間に下がり、2020年に若干上昇したものの、銃関連の死者数の増加ペースには全く及ばないものだ。

 

事故死は、それが純粋な事故によるものでも故意の負傷が原因だったとしても、大部分は防止できるものだ。子どもや無免許の人が銃器に手が伸ばせることや、銃に関連した意図的あるいは不慮のけが・死亡に関する安全対策が欠如していることが、こうした本当は避けられる恐ろしい悲劇が増えている理由の一部となっている。