温泉テークアウトいかが? 南房総にスタンド 100円で20リットル。 | ★マエちゃん噴泉記★【大阪DE農業】

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 温泉をテークアウトしませんか――。南房総市千倉町の農村地帯にある「温泉スタンド」が口コミで人気を集めている。市温泉組合が掘り当てた温泉水を持ち帰ることができ、同組合は「多くの人に南房総の温泉の良さを知ってもらいたい」と話している。【山本佳孝】

 

 同組合によると、約10年前から温泉地としての知名度を高め、観光客を呼び込む方策を考えていた。当時、市内の温泉旅館は17軒だったが、新たに源泉を掘り当てて温泉のない施設にも配湯できるようにし、「温泉郷」としてPRしていくことを模索していた。

 

 市内には以前から「いい温泉がある」と言われていた市有地があり、市から補助金を得て掘削することになった。専門家や業者などの助言を参考に、慎重に掘削場所を決めて2018年10月に工事を開始し、地下約100メートルで源泉を掘り当てた。

 

 同組合は、温泉を施設への配湯だけではなく、観光客や地元の人に持ち帰ってもらおうと、20年8月1日にガソリンスタンドのような機械を設置し、無人の温泉スタンドを始めた。専用メダルを入れると、持参したポリタンクに温泉水(約18度)を入れて持ち帰ることができる。1メダルは100円(20リットル)で、市観光インフォメーションセンターか、JR千倉駅隣の千倉観光案内所で購入できる。

 

 温泉は薄い茶褐色のナトリウム塩化物・炭酸水素塩泉で、体の芯から温まり、神経痛、筋肉痛、冷え性などに効能があるとされ、美肌効果も期待できるという。県内外から高齢者やサーフィン帰りの若者などが買いに来ており、リピーターも増えているという。

 

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、掘り当てた源泉を利用した旅館を増やす計画は遅れていたが、4月以降数軒が配湯を受けて温泉が楽しめる施設となる見通しだ。

 

 同組合の鈴木俊一良・代表理事は「市の観光振興に貢献していきたい。温泉を多くの人に味わってもらえたらいい」と話している。温泉スタンドは年中無休で午前9時半~午後4時半まで。問い合わせは同組合(0470・44・3581)。