熊本大は1日、発生医学研究所の研究チームが、マウスの胚性幹細胞(ES細胞)から腎臓を作ることに成功したと発表した。この技術を応用し、人工多能性幹細胞(iPS細胞)から人間の腎臓の作製も期待できるとしている。成果は英科学誌電子版に掲載。
研究チームによると、腎臓は尿を作るために複雑な構造で、3種類の細胞で構成されている。同チームは、このうちマウスで2種類の細胞を作る方法を既に確立していた。
谷川俊祐講師らは残る「間質前駆細胞」に特徴的な遺伝子群や発生メカニズムを解析。ES細胞を培養して作ることに成功し、3種類の細胞を組み合わせてマウスの腎臓構造を再現した。