兵庫県立香住高海洋科学科(香美町)の生徒と但馬漁業協同組合(統括本部・香美町)が、地元で水揚げされた日本海のノドグロ、ホタルイカ、ハタハタを使って、3種類の炊き込みご飯の素(もと)を共同開発した。賞味期限3年の缶詰に商品化。食卓以外にも防災備蓄品やアウトドアなどの利用場面を想定し、魚食の普及、水産物市場拡大に役立てる。
食品の調理や加工を学ぶ海洋科学科シーフードコースの実習で、2年生11人を中心に3年生も取り組んだ。2020年度もノドグロの切り身を乗せた炊き込みご飯の缶詰「のどぐろ飯」を漁協と共同開発して好評だった。
炊き込みご飯の素は、市場に流通しない10センチ前後の小さいノドグロやハタハタを活用。調味液は3種それぞれの魚介と麹と塩だけで作った魚醬(ぎょしょう)のみを使用。うま味調味料や着色料は使っていない。
調理は炊飯器に研いだ米2合と水をいれ、缶詰の中の調味液と混ぜ、具材を上にのせて炊き上げるだけ。
この高校生らによるご飯の素は、町商工会による21年度「香美町の名品」に認定され、21年12月16日に記者発表があり、香住高シーフードコース2年の若宮凜己人さん、近藤翔太郎さん、古田陸叶さんが出席した。
3人は、ノドグロでは頭と内臓を取り除いて塩もみでぬめりを取り去り、あぶり加減にも注意を払った工程を紹介。「ノドグロは小さくても脂が乗って甘みがあり、ホタルイカもうまみが凝縮されている。炊き込みご飯の素なので家族と一緒に手軽に食べられると思う」と話した。
炊き込みご飯の素はいずれも1缶(200グラム)1080円。但馬漁協直営店や兵庫北部の道の駅などで販売している。【浜本年弘】