広島から世界へ 宇宙船のような「農園司令室」 全国の拠点管理。 | ★マエちゃん噴泉記★【大阪DE農業】

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 オレンジや青色に光る直径約80センチの地球儀を取り囲んで会議が始まった。豆苗(とうみょう)やカイワレ大根などのスプラウト(発芽野菜)を手がける「村上農園」(広島市)本社内にある「ワールドコントロールセンター」。並んだモニターが宇宙船の窓のようにも見える、いわば生産拠点の「司令室」だ。

 

 同社は全国10カ所の生産拠点で生産しており、部屋の壁に掲げられた80インチのモニター画面には、各所の工場内の様子や栽培に使う水の温度を折れ線グラフ化したデータが映る。全国の生産拠点で品質にばらつきが出ないよう、日々監視しながら生産に役立てているという。

 

 中央に置かれた地球儀は、元々は博物館などで使われる学習用のもので、世界の気温や雲の動き、雨量など気象状況が映し出される。同社が手がける発芽野菜の種子は海外で育てていることもあり、気象状況に応じて産地の選定に生かすという。

 

 「ワールド(世界)」の名を冠しているのは、将来的に海外での生産拠点や海外企業との関係強化を見据えた決意の表れでもある。広報担当者は「これまでの農業は経験や勘を頼りにしてきたが、ハイテクやAI技術を活用し、品質を保てる仕組みを作りたい」と話す。【山田尚弘】