山口市旭通りのパン屋「創作ベーカリー秀」の看板犬、こむぎ(2歳、雄)はその愛らしいルックスと穏やかな性格で近所の人気者だ。店にはおいしいパンとこむぎとの触れあいを求め、客足が絶えない。
こむぎは普段、午前中は店の奥で過ごし、午後になると店前の犬小屋に出て来て客を出迎える。こむぎの熱心なファンもおり、多い日には約15人が会いにやってくるといい、近所に住む戸倉久之さんも大ファンで「この子は優しいからね」とほほ笑む。お座りやお手なども戸倉さんが教えたという。
末成秀一朗さん、博美さん夫婦が営む店にはかつて「初代看板犬」として豆柴(まめしば)の雄「まめと」がいたが、わずか2歳で病死してしまった。それからしばらくたった2019年4月、まめとと出会ったペットショップから「柴犬(しばけん)の子犬が生まれた」と声が掛かった。愛犬を失った悲しみは癒えていなかったが「生まれたのなら飼おう」と思い、新たな家族として迎え入れた。
生後2カ月で引き取られたこむぎは、間もなく看板犬デビューし、すぐに人気者になった。「特にしつけはしていない。子犬の頃から多くの人に愛されて育ったから、優しい性格になったのかな」と博美さん。秀一朗さんも「とにかく元気で、長生きしてくれればそれ以外に望むことはない」と目を細める。【森紗和子】
○ワタシ想います。
人にはできないことをする犬は、大したものです。