「熊本市中心部の電車通り(県道熊本高森線)の街路樹に付けられているピンク色のリボンは何?」と、同市の女性(59)が熊日の「SNSこちら編集局」(S編)に声を寄せた。現地を確認すると、電車通り沿いの多くの街路樹に、ピンク色のテープが巻き付けられていた。
電車通りは、中心市街地を貫く“目抜き通り”。芝で緑化された軌道の先に熊本城がそびえ、城内で茂る木々と街路樹の緑が重なり合い、「森の都」を象徴する風景となっている。
ピンクのテープは上通アーケードの入り口に立つ2本のケヤキの巨木など、市役所-大甲橋間(約600メートル)にある36本のうち、21本にあった。
市道路保全課に確認すると、テープは巨木化や老朽化が進んだため伐採を検討している木の目印だった。2021年度中に着手し、約3年間で終了する予定という。そのうち電車通りの同区間では6割近くが伐採され、水道町電停前にある8本はすべてが対象だ。
S編に声を寄せた女性に結果を伝えると、「『森の都』なのに伐採されるのは寂しい」と残念がった。
同課によると、市内の街路樹は249路線にケヤキやイチョウなど(低木を除く)約1万5千本がある。ただ、成長し過ぎた木が歩行者の妨げになったり、根が歩道を押し上げたりするようになり、強風による倒木も発生している。
管理費や除草費も年々増加しており、18年度の6億1400万円が、10年後には10億円に膨らむ見通しだ。市民からは「害虫がいる」「落ち葉で側溝が詰まる」「鳥のふんが汚い」などの苦情も寄せられているという。
このため、市は20年3月に街路樹再生計画を策定し、重点路線に電車通りと県道熊本益城大津線(第二空港線)を選定した。街路樹のピンクのテープはその計画の一部だ。
電車通りの街路樹は、1953(昭和28)年の熊本大水害(6・26水害)の後、景観を復興しようと、60年前後に植樹が始まり、市街地に潤いを与えてきた。
市が「森の都宣言」を宣言したのは約半世紀前の72年。同課は「時間の経過とともに、さまざまな課題が出てきた。本数を増やすだけでなく、交通安全や周りの環境への配慮が必要な転換期を迎えている」と理解を求めた。(和田毅)
○ワタシ想います。
>熊本大水害を期に、景観を復興しようと、
1960年前後に植樹が始まり、市街地に潤いを与えてきた・・・。かれこれ60年・・・。良くも悪くも戦後
の復興から、それは始まった。
今、全国でこのようなことが、いっぱいあるんだろうなー。寂しいけど、前に向いてしか進めない気がする。