和式トイレ、手すりない階段… 「大規模接種センター」大丈夫?。 | ★マエちゃん噴泉記★【大阪DE農業】

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 中山泰秀副防衛相は28日、新型コロナウイルスワクチンの「大規模接種センター」となる大手町合同庁舎3号館(東京都千代田区)を視察した。首都圏各地から高齢者が訪れることになる同センターは5月24日に開設予定だ。だが、会場は築約50年の老朽ビル。和式のトイレや手すりのない廊下など高齢者に優しくない設備も目立った。中山氏は早急な安全対策を指示した。

 

 大手町合同庁舎3号館は15階建て。周囲は経団連会館、JAビル、フォーシーズンズホテルなど、大手町を代表するビル群と首都高との間にひっそりたたずむ。色あせた茶色の外観が特徴だ。

 

 かつては東京国税局などが入居していたが、移転・退去が続き、現在は9階に内閣府の2部局が入っているだけ。古いとはいえ交通の便が良い都心のど真ん中に広大なスペースを確保できるとあって、大規模接種センター会場に白羽の矢が立った。

 

 会場運営を担う防衛省によると、1階を受付とし、2~10階の数フロアを接種会場として使用する予定だという。

 

 視察時点ではほとんど開設準備は進んでいなかったが、1階の入り口に非接触型の体温計を複数台設置し、来場者の体温を計測する予定だ。混雑防止を図るため、受け付けを済ませた来場者をそれぞれの階に振り分ける。特に大きなスペースが確保できるのが2階で、健康面で問題ない高齢者には階段を使って上がってもらう方針だという。

 

 ところが1階から2階につながる階段を見ると、体を縦にしないと人がすれ違えないくらいの狭さだった。接種時は一方通行とする予定で、狭さはさほど問題にならないかもしれないが、手すりもない場所もあった。

 

 2階に上がると、広くてきれいなオフィス空間が広がる。ここで自衛隊が派遣する看護官が接種を行い、接種後は接種済み証も交付する。ただ、2階のトイレには和式もあった。

 

 中山氏は同行した記者団に「和式のお手洗いはできるだけ洋式化する。階段には手すりが足りなかった。滑り止めなども含めて万が一に備える必要性がある。改善していきたい」と述べた。

 

 同センターの開設期間は約3カ月間。大阪府内にも同様のセンターを設けることを検討している。防衛省幹部は「ニーズはあると思う。小規模の接種会場をそれぞれに作るよりは、1カ所で接種を進めたほうが効率よく対応できる」と話したが、高齢者が対象の接種会場となるだけに、安全確保も重要な観点となる。【畠山嵩】