ゲノム編集ジャガイモ 野外栽培実験開始へ 天然毒素大幅減。 | ★マエちゃん噴泉記★【大阪DE農業】

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 農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)と大阪大、理化学研究所などの研究チームが、遺伝子を効率よく改変できるゲノム編集技術を使い、食中毒の原因となる天然毒素を大幅に減らしたジャガイモの野外栽培実験を4月下旬に始める。研究利用が目的で、文部科学省が5日に同チームの届け出を受理した。同チームは数年後の市場流通を目指しており、実現すれば、2020年に認められたトマトに次いで2例目のゲノム編集作物になる見通し。

 

 ジャガイモは、太陽に当たると芽や緑色の部分にソラニン、チャコニンなどの天然毒素がたまる。食べると食中毒の原因となるが、加熱しても毒性が失われにくく、この部分を取り除くしか方法がなかった。同チームはゲノム編集技術を使い、ジャガイモの遺伝子情報のうち、この毒素を合成するSSR2と呼ばれる酵素を機能しないようにして、毒素の含有量を大きく減らすことに成功した。

 

 野外実験は茨城県つくば市の同機構の2アールのほ場で実施。4月下旬から8月上旬までの「春作」と、8月下旬から来年1月上旬までの「秋作」の2回行う予定。実際にジャガイモを収穫し、生育や収量などを詳しく調べる。

 

 ゲノム編集ジャガイモと一般のジャガイモが交雑したり、他のジャガイモに交ざったりしないよう、管理を厳しくする。他のほ場とは20メートル以上の十分な距離を取り、漏れ出しを防ぐ構造の容器に入れて運び、不要になった収穫物は不活化して廃棄する。文科省は受理にあたり、こうした対策が妥当だと認めた。

 

 ゲノム編集作物を販売・流通するには、野外実験の結果を踏まえ、農林水産省と厚生労働省への届け出が必要だ。日本では20年12月、血圧を下げる作用のあるガンマアミノ酪酸(GABA)の生成を抑制する遺伝子機能を壊し、GABAが通常よりも多く含まれるようにしたトマトが、国内初のゲノム編集作物として厚労省に受理された。

 

 同チームは、毒素を含む芽がそもそも出にくいゲノム編集ジャガイモも研究している。実現すれば、発芽による劣化や廃棄を防ぎ、長期保存ができるなど、食品ロスの減少に貢献できるという。チームの村中俊哉・大阪大大学院教授(細胞工学)は「詳細にデータを取り、市場化を目指したい」と話す。ゲノム編集作物に詳しい大阪府立大の小泉望教授(植物分子育種学)は「ジャガイモは市場規模が巨大で需要が大きく、市場化されれば日本の農業を活気づけるだろう」と話している。【大迫麻記子/デジタル報道センター】

 

 

○ワタシ想います。

 ゲノム編集ジャガイモが市場に出回るようになるんだろう?。