茨城県筑西市は2日、三菱商事など6社と、小型自動配送ロボットの公道走行実証実験を同市の道の駅「グランテラス筑西」と周辺道路で始めた。同市などによると、自動運転技術とルート最適化技術を搭載する2台のロボットが連携し、農作物の集荷や商品配送の実証実験を行うのは国内初だという。13日まで。
ロボットは公道用と道の駅敷地内用の2台が連携して、道の駅で販売するために農家の農作物を集荷したり、道の駅で販売している商品を購入者の住宅周辺まで配送したりする。いずれも最大積載量は10キロ。時速3キロで約1時間走行することが可能だ。障害物を回避するためのセンサーや遠隔監視用カメラを搭載している。
実証実験中は担当者がロボットの後方で監視をしたり、道の駅の室内でモニター画面を通じて監視を行ったりする。
実証実験を行うのは、免許返納者の増加や高齢化による農業の担い手不足が課題の市側と実証実験の候補地を探していた三菱商事側の意向が合致したため。須藤茂市長は「人口減少や少子高齢化など農業を取り巻く環境は厳しさを増している。筑西市のような地方都市にはピッタリだ」と期待を込めた。
実証実験に協力するイチゴ生産者の石川正吾さん(46)は「人手不足の解消になり、便利だと思う」と話した。 (谷島英里子)