2011年6月2日(木)22時0分配信 週刊実話
東日本大震災の被害は漁業、牧畜、塩害による稲作中止など拡大
する一方。さらには放射能汚染で深刻さは増すばかりだ。
「たとえばコメ生産量全国ベスト10入りを常に果たしている宮城県の
水田では、通常塩分が0.1%以下でなければ稲作はできませんが、
現状は10倍の濃度に達しています。これを改善するには、水田に
石灰を撒き、水を入れるという作業を何度も繰り返す。作業期間に
10年、排水ポンプなどの機材だけで1000億円かかります。その間、
稲作農家の収入はゼロです」(宮城県農村振興局整備部)
そこで今脚光を浴びているのが、『ファイトレメディエーション』という
技術だ。これは植物が根から水分や養分を吸収する能力を利用して、
土壌や地下水中の汚染物質を吸収、分解する技術のことをいう。
「対象となる有害物質はカドミウム、鉛などの重金属や、NOx、SOx
などの大気汚染物質のほかヒ素、リン、セレン、トリクロロエチレン、
窒素化合物、環境ホルモン、そしてウランをはじめとする放射性物質
など、非常に多種多様な汚染物質を吸収することができるのです」
(北里大学放射線生物学研究室)
実は、チェルノブイリ原発事故後の1995年、高濃度の汚染地域に
入った米ラトガーズ大学のスラビック・デュシェンコフ博士ら旧ソ連
出身の植物学者が、高濃度に汚染された原発そばの池の水を
利用し、約20種類の植物を栽培したところ、ヒマワリがバツグンの
吸収力をみせたのだ。
「30年以上かかる土壌の放射性物質の除去を、わずか20日で
95%以上除去したという記録が残っている。根は半減期30年の
セシウム137を、花はストロンチウム90をその期間で吸収して
しまった」(前出・同)
事実なら原発30キロ圏内をヒマワリで植え尽くせば、栽培期間を
入れても避難住民の早期帰郷が可能となる。
ファイトレメディエーション能力を持つ植物に『アイスプラント』と
呼ばれる南アフリカ原産の食用植物がある。ハマミズナ科メセン
ブリアンテマ属の植物で、表皮に塩を隔離するための細胞がある
ため、葉の表面が凍ったように見えることから名づけられた。
フランス料理の食材として注目を浴び、スーパーでも手に入る
食材だ。
「これを塩害地域で栽培すれば塩害除去と収穫の一石二鳥。
研究の余地ありです」(前出・同)
◎にわかには信じがたいが、国難を思えば検討の余地あり?。
