5月初めに、国際テロ組織アルカイダの指導者ウサマ・ビンラディン氏
が、米軍の急襲を受け死亡した。襲撃作戦には軍用犬も参加して
おり、パラシュートで降下して爆弾を嗅ぎ分けるなどの活躍をした
そうだ。
実はCIA(米中央情報局)は、その昔、旧ソビエト大使館の情報を
得るために、猫をスパイ作戦に参加させようとしたそうだ。ところが、
5年の訓練と2000万ドル(約16億円)の費用は、作戦決行直後に
一瞬で無駄になったという。
この事実はアメリカの作家ロバート・ウォーラント氏の著書「Spycraft」
のなかに紹介されているものだ。それによると、CIAは猫の耳に
盗聴器、背中にはセンサーを付けて、ソビエト大使館の近所を
徘徊させ、情報を盗み取ろうとしていたそうだ。
当然ながら、猫は犬のように人間の思うような行動をしない。
そこで専属トレーナーのもとで訓練し、ある程度言うことを聞くように
しつけたという。作戦決行にこぎ着けるまでには、5年の歳月と
巨額の費用を要した。
そして作戦を実行するに至ったのだが、結果はとても残念な
ものであった。大使館近くの公園で、2人の男性が話している内容を
盗聴するはずだったのだが、車から解き放った猫は、道路を横断
途中でタクシーにはねられて死んでしまったのだ。
この経験からCIAは以後、2度と猫をスパイとして使用することは
なかったそうだ。
そう簡単に猫が言うことを聞かないのは、想像がつきそうな
ものだが……。世界に名立たるCIAでも、猫の行動までは予測
できないようだ。
参照元:DVICE (英文)
