2011年3月22日(火)17時0分配信 夕刊フジ
東京電力福島第1原発では、危機脱却の決定打といえる
外部電源供給に向けた最終作業が続けられていたが、21日夕、
2、3号機の建屋から煙が発生、全作業員が避難した。
目に見えない放射能との、一進一退の攻防劇。こうした中、
菅直人政権の“暴走”が不安視されている。放水作業を行う
東京消防庁の隊員への恫喝が発覚したうえ、菅首相のブチ切れが
迅速な判断を邪魔しているというのだ。
最初に煙が上がったのは3号機。21日午後3時55分ごろ、
使用済み燃料プールがある建屋屋上南東側から、「やや灰色
がかった煙が発生している」と現場から連絡。爆発音などは聞こえず、
2時間後には煙は収まった。発煙後、敷地内の放射線量に特段の
変化は見られなかった。
2号機でも同6時20分ごろ、西側の屋根の隙間から白煙が上がった。
この後、発電所正門付近の放射線量が、直前の494マイクロシーベルト
から1932マイクロシーベルトまで上昇した。
この発煙騒動で、2号機の中央制御室の一部復旧は22日以降に
ずれ込んだが、21日夜、1号機が外部からの電力供給が受けられる
状態になり、外部電源が通じたのは1、2、5、6号機の計4基に。
現地では今も決死の作業が進んでいるが、そんななか懸念されて
いるのが、菅政権の“暴走”だ。
「陳謝します。大変申し訳ない」
菅首相は21日午後、官邸で石原慎太郎都知事と会い、こう謝罪した。
放水作業のため、東京消防庁の隊員は「被曝の危険」も顧みず
出動しているが、官邸から長時間連続の放水を強要されたうえ、
「実施しなければ処分する」と脅されたというのだ。
現場で危険な作業を行う隊員に対し、200キロ以上離れた官邸の
人間が「(従わなければ)処分する」などと脅すなど、人間としても
許されるものではない。
石原氏は、暴言を吐いた人物について「知らない」と答えたが、
「海江田万里経産相説と、菅首相説などがある。そんな理不尽な
発言をする人物は限られる」(官邸筋)という。
また、菅官邸が迅速な判断を下せない理由も、徐々に明らかに
なってきた。菅首相の「イラ菅」ぶりと、枝野幸男官房長官以下の
許容量オーバーが大きいという。前出の官邸筋はいう。
「大震災発生以来、上がってくる情報量が膨大なうえ、原発など
専門性が必要な判断も多く、枝野氏らスタッフはほぼパンク状態。
加えて、菅首相がすぐに切れるので、簡単にゴーサインが出せずに、
判断が止まってしまう。菅首相は役人の面前で、海江田氏を
『その程度の知識で俺を納得させられるのか。バカ野郎!』などと
怒鳴り上げていた」
20日に4号機への放水が始まったが、先週18日の時点で
米政府は「4号機の異常」を日本政府に伝えており、「米政府は
『日本は何をやっているのか』とヤキモキしていた」(事情通)という。
こうした中、仙谷由人官房副長官がフル回転し始めた。
20日には各省の事務次官を呼び付け、さまざまな指示を出した。
未曾有の大災害を前に、官邸が混乱・暴走するなか、
「影の宰相」と呼ばれた仙谷氏の強権発動に頼らざるを得ないのか…。
◎もともと、日本をどう導いていくかという、政治家としての理念がない
以上、政権奪取が目的だったことが透けて見える。
目的を達成した瞬間、思考が停止し、つくろうことに専念している
ように思う。もともと、無理だったのかもしれない。
そんな政府を選択した、国民にも、その責任はあるとワタシは思う。

