バリから帰国して次の渡航までの間に人生がインドネシアから離れていくことになった。

街を歩いている時にずっと尾けられてる感覚はあった。道を変えて近くの建物をイレギュラーな動きで移動し続けた。そして確信。尾けられてる。

タワーレコードに入って尾けてきていた外国人に向き合った。2時間も尾けられてる。

私に用があるわけ?

その時奴は私に言い放った。

神様が君について行けと言ったから…結婚してくれませんか?

開いた口が塞がらなかったがきっとビザが欲しくて追い込まれているのだと判断した。それで笑ってしまった。

どんなバカでもそんな言葉で結婚しようと思わないでしょ?ほかに何か気の利いたこと言えないの?それなら銀行口座の残高見せなさいよ。

そうやってからかった私を銀行に連れて行って残高を確認させた。偽装結婚は犯罪だ。
だけど完全に偽装結婚のシチュエーション。

アホらしい。バカな奴だと思ってそのまま放置して家に帰った。連絡先など一切交換していない。それきりのはずだった。

でも通勤途中や帰宅途中にどうしてもばったり会ってしまうのだ。根負けしてコーヒーショップで話をした。やはりオーバーステイだった。

ふーん。そっか。結婚してもいいかな。

なぜか思った。付き合ってた人もいたのになぜかそう思った。手を握った事もない外国人を目の前にして。

2週間後籍を入れていた。

よく身体の相性がとか言うけど全く何もないまま結婚した。イレギュラーの極み。
愛してるとか恋してるとかとは違う感覚だったかもしれないけどその辺の感覚が少し私は麻痺してる所があった。今でも変わっているのかもしれない。

でもなんの障害もなく結婚生活は始まったわけです。