このあたりのはずなんだけど・・・・と足を止めなければ絶対通り過ぎていた。
お店の名前の看板があるわけでなし。
この木に書かれた薄い文字「手打ち蕎麦」だけが、ここなんじゃない?という唯一の目印であった。
店に入ると、先客は年配のご夫婦らしき方と年配の女性一人客のみ。
静か、でした。
行列が出来ているとか、ミシュラン一つ星とか、食べログ4.0以上の高評価とか。
そんな感じは一切なく、渋い蕎麦屋の雰囲気を醸し出しておりました。
さすが冬の平日。
運良く窓際の席が空いておりましてね。
お庭を眺めながらメニューをじっくりと楽しむでございます。
奈良のお酒が切れており、京都のお酒は甘いということでしたので、思いっきり地元じゃん!と思いながら真澄をお願いしました。
最初に出して頂いたのが、揚げ蕎麦とわさびの醤油漬け
これが辛いんだけど、絶品でしてねぇ。
やば~いくらい昼からお酒がすすむ(笑)
出汁巻き玉子がこれまた絶品!
ご夫婦のみで切り盛りしていらっしゃいますし、手間のかかるお料理を出して下さるし、待ち時間が長くなるのは当たり前。
お酒を楽しむ者にとっては、何ら苦になる時間ではなかったですね~。
出汁巻も時間がかかると言われたほど待ちませんでしたし。
なんせお客さんが私達含めて5人なんだから当たり前か。
と、ここまではさすがだなぁと大満足だったんです。
器の選び方、お店のしつらい、接客、つまみの美味さ。
なるほど高評価のお店だと。
が、が、が。
肝心のお蕎麦を食べたときのちょっとした驚きがもう・・・・・・・・・。
粗挽き蕎麦と鴨なんばをお願いしたのですが、鴨の風味はあまり感じられず、お蕎麦は香りが薄く、コシも弱く・・・・・・・・。
これを絶賛しているご意見というのは・・・・・・本当に美味しいお蕎麦を食べたことがあるのだろうか?と頭をかしげてしまったというオチ。
お蕎麦を食べるまでは大満足だっただけに、なぜこんなことに(涙)。
お蕎麦は水が命。水の問題なのか?
いや、肝心の素材、蕎麦粉の問題なのか?
打ち方の問題なのか?
出汁巻玉子の出汁があんなに美味しいのに、鴨の出汁が活かされないのはなぜ?なぜ?なぜ?
ああ、惜しい~~~~~。
食べログですごい点数がついちゃって、お客さんがどっとおしかけたり、ミシュランなんかついちゃって、続々と人が押し寄せれば、その他の良いところまで満足感が得られなくなるのは自明の理。
地元の方がしっぽり楽しめるお店になってこそ、本当の意味での名店と言えるようになるのではないでしょうか。
ああ、勿体ないなぁ・・・・・・・・。
obakaneko、酒呑みで良かった。
十分楽しめました。
蕎麦以外。
ご主人も奥様もとっても素敵な方で、これからも頑張って頂きたいと思っています。
そこは本気です。
お次は、和久傳のおもたせ、です。