クルーズ寄港地もここを終えれば、もうあとは御前崎だけと思うと、なんだか寂しい。
楽しい日々は続かないし、普通の日があるから楽しい日が映えると判ってはいるものの、残りを数えてしまうのは凡夫の性です。
目の前に淡路島を見ながら、今日もすばらしい青空の中、船は和歌山下津港に入ります。淡路島はほぼ月一で行きますが、こうして海から見るのもなかなかいいものです。
もう残り少ないし残り少ないからと、私の希望で朝はホライゾンコート。
すると、なんと窓際の席がまるで、私たちの為のようにポツンとひとつ空いてます。
やっぱり、日ごろの行いですよね~
・・14日に1回ですから、日ごろの行いがそういいとは思えないかもしれないと思い返したりもしますが・・
海を見ながらの朝ごはんはとても気持ちがいい。![]()
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隣で外国人カップルが、シリアルカップだけの朝ごはんであっても、「そーよね。いいんじゃない」と大らかに許せる。
私はしませんけどね。
今日もシャトルバスは自治体のサービス。思うに、地方であればあるほど、自治体のサービスは厚いようです。
秋田なんて、もう廃線にしている林業の切り出し線を、クルーズ客のために、最寄り駅まで動かしてくれるのですよ。クルーズ専用列車。
私の住んでいる地でも、ずっと続いていた夏の花火大会。
いつの間にか打ち上げ場所が変わっていたのですが、新しいそこクルーズ船の停泊地の目の前。
もともと海からの打ち上げなので、移動は簡単でしょうが、それまで自宅から見えていた人が見えなくなったという話は山ほどあります。
クルーズ客が寄港地に落とすお金は、地方自治体にとって、侮れない額なのかもしれませんが、今までの行事をクルーズ客のために変更する時は、くれぐれも既存の人たちに影響がないようにしてほしいと望まずにはおれません。
寄港地の人たちは、みなさん本当に親切にしてくださいます。![]()
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そういう人たちの気持ちを裏切りたくはないし、嫌われたくもありません。
今日のシャトルバスは大きくて広くて、とてもきれい。
乗車するのに少し並んでいたら、私の前の女性が話しかけてくれます。
お聞きすると、シンガポールからお一人参加なのだそうです。
胸に大きなベティちゃんが似合います。
私たちもシンガポールは大好きで何度か言ってますので、話は盛り上がり(笑)
私は特に、シンガポール動物園でのオラウータンとの朝ごはんが大好きです。
それを話すと、彼女も「おー。私もよ」と意気投合。
まるで旧知のオラウータンのように抱擁するところでした。しませんでしたが。
そして彼女はバスに乗って通路隔てた私たちに、なんとバックから飴を取り出し、二個くれました。みかんも付けて。
まるで「大阪のおばちゃん」。しかも自分で「おーさかのおばちゃんよ」と笑うのです。
誰よ。彼女に大阪のおばちゃんの鉄板ネタ教えたのは(笑)
バスを降りると、もたもたしている私たちを置いて、彼女はスイスイ歩いていきます。
どこか決めてるところがあるのでしょうか。
実は私たちもここでのシェアエクスカーションは迷いました。
港の近くには何もないのですが、ちよっと遠出すると、「高野山ツアー」があるのです。
高野山はずっと前から一度行こうと何度も計画しては流れていました。
私は、亡夫が転勤で大阪勤務もありましたので、大阪南部に住んでいた時期があり、高野山はよく行きました。
子供らは雪遊びと言えば、高野山と思っていた時期があったくらいです。
高野道で、修験僧さんに「あなたも修行しませんか」と声かけられたこともあります。
その話を聞いた家人は「よっぽど煩悩に塗れてたんだろうね。それが見えたんだよ。きっと」と、エラソーに言われました。![]()
・・・煩悩まみれって、あなただけには言われたくないっ!!
特に奥の院は大好きで、鬱蒼とした杉木立に囲まれた、数え切れない卒塔婆や苔むした石墓の中にいると、タイムスリップしたような気持ちに何度もなります。
その中でも、特に、「大阪堀江の六人斬り」の慰霊碑になぜか心が惹かれるのです。
それが奥の院の半ばほどにあるからかもしれませんが、底に行くと心がタイムスリップしていくように、「心ここにあらず」状態を感じます。
なぜだか判らないのですが、それは大抵いつもの事で、これだけ時間を空けて訪れた時にもそうなるのかちよっと試したい気持ちもあるのです。![]()
長々と逸れましたが、そんなこんなを考えたのですが、港からの距離と奥の院の広さを思えば、ツアーに参加しても、私の望むような歩き方はできないかなと判断して取りやめたのです。
外国人の方たちの多くは、このツアーに参加してましたね。日本人としてはお薦めします。![]()
和歌山駅前でバスを降りて、周囲を見回しても、付け焼刃の知識ではどこにななにがあるか判りません。ぎりぎりまで高野山ツアーのことしか考えていなかったので仕方ありません。
ではともかくデパートに行こうと家人が提案し、駅前の近鉄百貨店に向います。
近鉄かぁ・・アベノハルカス以来です。
まずはおみやげ売り場に・・
地下名店街にはもちろん和歌山名産が並んでいます。
まずは柿の葉寿司。ここで好きなものだけチョイス。
それから「那智黒」これは師匠妻も好きだって言ってたよな。そして醤油発祥の地、湯浅産の「金山寺みそ」
私の亡母はこれが大好きで、よくご飯に載せて食べていました。当時の私は、こんなものどこが美味しいのと思っていましたが、年と共にその美味しさが判ってきました。そういうものはよくあることで、しみじみ人生は奥深いと思いますね。
いま、娘の長男が茸きらいなのですが、彼もいつかこの美味しさに目覚める時がくることでしょう。
そして今はやりと家人が言う「じゃばら飴」これはじゃばらという柑橘の雨で和歌山ではいま一番人気と言うのです。ほんとか?とは思いましたが、帰りにあのシンガポール女性に遭ったら、今度は私がこの飴あげようかと思い購入しました。
この名産コーナーにいる女性は、とても話しやすく、いろいろ和歌山のこと教えてくれました。そこで、有名な和歌山ラーメンのお薦め店を聞いたところ
「美味しいラーメンのお店が開くのは夜からです」とにっこり。![]()
「もし、それ以外でいいなら・・」と教えてくれたのが、古い商店街の入り口からすぐにある「ウナギの名店」
うなぎ好きの家人はすぐに喰いつきます。
お店の場所を教えてくれるのですが、なにしろ初めての地でしかもここは地下。なかなか判らない。
すると「ご案内しますよ」と彼女
「え・」思わぬ申し出に思わず家人と顔見合わせます。
今日は日曜日。しかも昼時ですよ。デパートの店員さんがそんな時、店外に出るなんて・・そんなことできるの?
と、思う間もなく。彼女はするすると前に立って、裏口みたいな通路を通って外に出るや、「あの通りを渡って右に行けば商店街で入り口から2.3軒目です。すぐに判ります」と指差します。
「ありがとうございます」とお礼を告げてそこに向う私たち。
「いいのかしらね。こんな時間に持ち場離れて。上司に叱られないかしら。」
「いいんじゃない。暇そうだったし、S(息子の名です)みたいに厳しい上司でなけりゃ叱られないよ(笑)」と家人は言います。
じつはうちの息子は某百貨店に勤務しております。もう長いので店頭にはおりませんが、管理している側なので、いろいろ聞いています(笑)
それによると・・たぶん勤務時間中の職場放棄は褒められないとは思います(笑)
親切にしてくださった方を売るような真似はしませんが・・
・・あ、誤解のないよう申し添えますが、息子の勤務先はここではないです(笑)
そして教えられたお店は、確かに古い商店街の中にありました。
入口は古い。汚くはありませんが、決して綺麗とは言えない。
店前には、手書きの看板メニューや、写真付きのメニューが貼られてあったりして、外見は正直、私の好みではありません。
でも・・ただ・・匂いが、匂いはとても私好み(笑)
あの、濃厚な甘じょっばい脳天を直撃するような香ばしい薫り。
もうそれだけで耳の奥が刺激されて生唾が出てくるような感覚。
まさしく、ウナギの名店の薫りがたちこめています。
ここは間違いないと私の五感が囁いています。確信もって。。。

