もうあと寄港地ひとつ残すのみとなった時点で、東京の息子が帰ってきました。
いや「逃避行」てばありません。
仕事です。
ホームグランドは東京ですが、本社の企画におりますので、企画したものを各地の支店で開催するために、あちこちに出張しております。最初、北海道と京都だったのが、三年前から地元でもやることになり、この寒い時期に二週間ほど滞在します。
そのうち、何日かはホテルも取るのですが、何もしなくていい我が家は格別「ラク」らしく毎年私はこの時期「母業」をやっております。
なにしろ普段は二人のご飯に、一人参加するとこれが案外大変。
家人に至っては、日々洗濯に追われるばかりで、気の毒です。大きなワイシャツにアイロンかけているのは割と楽しいかもと言ってくれる気遣いは有難いですが、息子の方はおかまいなし。
ただ、家人の好きそうな酒の肴はしっかり買ってきていました。(笑)
という慌ただしい時間のため、PCに向き合う時間が取れませんでした。
今日はようやく、支店に出社して夜は近くのホテルを取ると言うので「それがいい。それがいい」と見送ってほっ。
「つかの間のやすらぎ」やねと言う家人に頷くばかりです。
と、いうことで、今回は最後の寄港地「御前崎」です。
そもそも、芦屋ダンディは「なんで御前崎なんや。なにもないやないか。寄港するなら清水やろ」とおっしゃっては居ました。
そもそも今回のクルーズは初めての企画なのです。今まで、日本一周はあったのですが、14日間というのは初めて。
なので、寄港地もいろいろ模索しているのではないかと・・初心者おババは考えるのですが・・
最後の日も、もちろん青天。
本当にこんなに青天続いていいのかと・・さすがに思いました。
そして最後の朝だからと、泉の湯に行きます。
期待通り、浴槽からはかなたに富士山がその姿を見せています。
すごく遠くに感じるのですが、それでもお風呂から「絵」でない富士山を拝められるなんて幸せすぎて・・![]()
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ちよっと想像してみてください。
いやいや、私の姿じゃなくて・・(それは恐ろしいと自分でも思います(笑))![]()
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風景ですよ。風景。
浴槽から海を隔てて富士山って・・素敵すぎません。
折角なので、ジャクジーからも見えるかと、テラスに上がってみましたが、もう雲の間にその身を半分隠していました。残念ですが、だかにこそのお値打ちとも言えます。
先にジャクジーに来ていた方は「さっきは見えたんですよ」と教えられましたが、
その分、私は浴槽からみたので、それでよしとしましょう。
なんでも、強欲はよくない。
家人はお風呂の受付のお姉さんと親しくなって、彼女のブライベ―トなんかも聞いてきたみたいですが、今の時代惧れを知らない男です。
セクハラ行為として逮捕されても、それは自業自得です。![]()
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ま、おかけで゛乗組員さんたちの船での仕事や、降りてからのことも、ちょっとだけ判って、それはそれで楽しかったんですけどね。
今朝のインターナショナルダイニングは、空いていました。
みなさん、今日はどこにも行かないで、船ですごすと言う方が多かったです。![]()
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私たちの隣は、中華圏の母娘みいたで、一人の時は静かだったのですが、母親が同席してからは、賑やかなこと(笑)
我が家と同じですわ。ほっほほほ
私たちは話好きなので、夜はシェアでご飯食べることは大好きです。なんの苦にもなりませんし、話しながらのディナーはいいです。
ただ、その分、朝は静かに食べたい。![]()
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それに、今日一日の相談もあるので、朝はいつも二人席にして貰っていました。
それでも、鎌倉ご夫婦のように、お隣同志で話が弾むこともあるのですが(笑)
朝ごはんをゆっくり終えて、私たちも今日は船にいようかなんて言っていたのですが、もう最終日です。ちょっとだけでも出てみよう。しかも、デッキからみると、波止場のへりから、多くの人が釣り糸を垂れているのです。
場内アナウンスでもありましたが、今日はいつもは立ち入り禁止のこの場所で「釣り大会」が開催されることになったのだとか。
ただし、アナウンスは「乗船のお客様にはご参加願えません。お持ち帰りができませんので」とホンネかジョークか判らないようなことも追加されていましたけどね。
船を降りると波止場で、中学生と高校生の、剣道の乱取りの真っ最中。
クルーズの外国客用のイベントでしょうけど、駆り出された学生諸君!
ごくろうさまでした。
なかなかの迫力でしたよ。
ぐるりと回って、釣り人たちのところに・・
さすが腕に覚えの人たち・・なかなかの釣果です。
若い親子連れに「ねぇ、写真撮っていい?」と聞くと
「いいよ!」と快諾。その竿裁きをビデオで撮っちゃいました。
若いママは、ベビーカーを動かしながら
「これで来たんですか」と話かけてくるので
「「そうよ。もう今日が最終日。」
「へー。いいな。楽しかったですか?」
「ええ。すっごく楽しかったわよ。まだ子供ちゃんが小さいけど、大きくなったら
ご主人と行くといいわよ。」
「えー。そんなぁ。行けるんやろか。」と外見に似合わない気弱な言葉。
外見というのは、所謂ちょっと見ヤンキーなママ(笑)・・偏見でごめんなさい。
「大丈夫よ。みんな若いうちは無理でも、こうやって年とったらできることは多いのよ。楽しみにしてなさい。」
と、笑いかけると、心細げに頷いておりました。![]()
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「あのパパは、ちよっとめんどくさそうだけど、あなたの操縦一つで、名機になるわよ。将来のクルーズはあなたにかかってる。頑張りさない。」
すると魚釣りパパがやってきて「なんの話?」と聞いてきます。
「将来クルーズに乗るって話よ。そのためにパパがんばれって言ってたとこよ。」
「お、いや、・・あの・がんばりますっ!}
しどろもどろになりながらも、答えるババも、正直真面目な勤め人風とは言えませんが、日曜日にこうして妻子を連れて釣りに来ているだけでいいではありませんか。
そしておババの言い分に反抗しない(笑)
人の言う事を聞ける人間は大成します。それに従えというのではないのです。右へ倣えとは言いません。でも、話は聞くことができるかどうかは、人間の大きさに比例すると私は思っています。
別れ際「じゃ、待ってるよ~」と手を振る私たちにずっと手を振り返してくれたあの若い夫婦と赤ちゃんに「幸多かれ」と祈るばかりです。
行ずりの縁でも、大切な思い出です。![]()
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港の周りは、御前崎の名産品の店がテントを並べていますが、もうそろそろいいかなと船に帰ります。
今日のお昼は、14Fでハンバーガーとピザにしましょうと向かいます。
少し風が出てきて、吹きさらしのデッキは寒いくらいですが、それでもこんな時にプールに飛び込もうかという、おじさまは元気です。
小さめのバーガーは判っているので一つづつとピザ。そして忘れてはならないのがポテト。ここのポテト、超美味しい。何個でも食べられます(笑)
私たちが、さあ食べようと言うときに、テーブルを通り過ぎたのが芦屋ダンディ夫妻。
「おぉ。」「あぁ、席お探しですか?」
「そうなのよ。」
「よかったらここどうですか?}
私たちは四人席なので同席を提案します。![]()
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「ぉお。ありがとう」
奥様は恐縮されますが、ダンディは堂々たるもの(笑)
「荷物発送の件教えていただいてありがとうございました。無事高知から送れました」と家人が言うと、「そりゃあよかった。そうか。高知からおくったかぁ」と喜んでくださいました。
「神戸では無事、ご自宅に帰れましたか?」と聞くと
「それがさぁ。僕たちは荷物持って帰れなかったのよ。」
「えっ。」
意外な展開にびっくり。
「いや、ボクはさ、荷物もって船降りたのよ。でもコレがさぁ、降り口で捕まっちゃって・・」
なんて言い方・・まるで奥様は犯罪者扱いじゃありませんか(笑)
「それも二回。出口で、それダメダメって言われて、腹が立つからボクの荷物も辞めて、身一つで自宅に帰って、相撲みてきたよ。がははは」
「えーぇぇ。そんな・・途中で荷物送り教えてくれた人ができなかったなんて・・」
「この人がさ、へんにオドオドするから不審がられるのよ。堂々としておけって言うのに。しかも二回だよ。」
宮崎美子さん似の奥様は、笑いながら下を向いていますが、こんな言い方はもう慣れっこなんでしょうね。
でも、芦屋のおじさま、その言い草はないでしょ。
「正直者は顔に出るんですよね。」と私が向けると、奥様は「そ。そうよね~」と顔を上げました。
「いい年しても、それくらい知らんふりできんのかってことよ。がははは」
芦屋ダンディ、案外野蛮(しつれ)
「しませんよ。しない奥様が素敵じゃないですか。」
さすがに矛先が自分に向けられたのを知ってか、芦屋ダンディか家人に向って
「なぁ、知らん顔してたら通るよねぇ。君んちだってそうやったんでしょ。」と問いかけます。
「いや、あのうちはボクだけですから。」
「は?」
「いや、ボクだけが荷物持って船降りて、段ボール買って詰めて封して発送して、空のスーツケース持って帰って、全部ボク一人でやりましたから。」
「なんと・・奥さん手伝ってくれんのか。」
「はい。」
「あら、だって私はしてくれって頼んでませんよ。彼が自分でやるって決めたことですもの。一人でやってもらいますわ。」
と、奥様の顔を見ると
「そうなのよね。自分でやるって決めたんだから、それは自分でやるべきよね~」と奥様も俄然元気になります。
「む・・むむ」何か言いたげなのですが、言葉にならないようです。
しかし、やっばり大物(笑)
「昨日のオマールエビは、塩っ辛かったなぁ」と、突然の話題変更
「そうですよね。その上、バターソースなんてね。」と話を合わせようとすると家人が
「えぇぇ。美味しかったですよ。すごく。」と割り込みます。
あれが???
「あのオマールエビが??
」
周りから口々に言われてへこみつつある家人。
とどめは
「あれが旨いとは、バカ舌やな。」とかるーく言われ、笑い飛ばされてしまいました。
・・ばか舌・・これはさすがに酷いですが、鶏肉を牛肉?と聞いたり、鮪の赤身と鯵を間違えたり、確かに「ばか舌」と言われても、やむ得ずとおもう節はあります。
「あなた、それはあんまりよ。失礼すぎる」
奥様は嗜めてくだいましたが、私はあまりに的を得ているので、笑い転げるところでした。そしてこの「ばか舌」のおかげで、芦屋ご夫婦の間も何もなかったかのようになったわけですし、ここは甘んじて
ばか舌
発言を受け入れましょう(笑)
それからしばらくは家人のことを「ばか舌」と笑いのタネにして、彼自身も自虐的にそれを使って、もうニックネームになっちゃいました(笑)
ではこの続きは次回にて・

