やっぱり爽やかな目覚めです。
人生で何回旅したか判りませんが(何回なんてものではないでしょうが、便宜上ここでは・・)こんなに早起きが続く朝はなかったです。![]()
![]()
確かに、平常に比べると旅先の朝は早いですが、続くのはせいぜい3日。4日目にはもう耐えきれずというパターンでしたが、今回は起きる起きる。
むしろいつまでも熟睡なんてしてられない。勿体なくて・・
海から上がる朝焼けの美しさは、私如きの筆力でお伝えしきれないのが残念です。
普段行っている淡路島の夜明けもすばらしいですが、ここは海の上です。
朝焼けと、船と自分が一体になった朝が明けるのです。
その感動は、日々重なるばかりで慣れるということがありません。
こんな大きな船の中に「ひとり」の自分をしみじみとかみしめる朝です。
若き頃にはきっと判らなかった、残りの時間の貴重さが、押し寄せてきます。
これまでの人生にはもちろん山も谷もありましたが、その時々でここが一番と奮い立たせてきました。それが、もうそんな頑張りも、私の専売特許の「意地も見栄」も、何にも惑わされも、追いかけられもしない時間。![]()
![]()
その時間の貴重さが、静かに心に沁みるのです。
そして今日は私も朝から泉の湯に行きます。
幸運にも今日のお湯は熱い。大きな浴槽に身を沈めていると、たゆたゆ身も心もほぐされていきます。今朝の脱衣所の担当は、アジア系のおねえちゃん。
「MORNING~」と、歌うように声掛けしてくれます。
お湯が熱くて幸せと親指立てると、彼女も意味が判ったか、頷いて親指立てます。
思わずハイタッチ。朝から二人とも元気です。
さて、今日はホライゾンで朝ごはん。
例の如く、なかなか席が取れず、途方にくれたものの、なんとか通路側の二席を確保。朝からしっかりいただきます。![]()
![]()
![]()
ここのスムージーは三種類ありますが、どれも美味しい。まずこれで胃を目覚めさせて(もうお風呂で充分起きてますが)・・迷います。
これだけ多種だと、「迷い迷う人種」の家人でなくても迷います。
その点、米国系の方々はあっさりしたものです。
小さなボウルくらいの器にシリアルいっぱい入れて、ミルク注いでいる方の多いこと。それと果物。
健康志向なのでしょうが、朝のご飯かシリアルだけは、ちょっと寂しい。
海苔とご飯とみそ汁を添えてあげようかと思うほどです。![]()
![]()
私は朝、ご飯は食べませんが・・(笑)
終わって出ようとするところに、昨日の博多A.Bさんと遭遇。お二人とも席を探している様子です。
「よかったここ座ります? 私たちもう終わりましたから。」と声をかけると、とても喜ばれました。お友達が増えるっていいですよね。
今日の上陸に備えて部屋に帰ろうとする処に、秋田のJRでご一緒した優しげな夫さんと微笑みの妻さんに遭遇。
「おはようございます。昨日の新潟どうでした?」とお聞きすると
「いゃぁ、新潟はね。もう10年以上単身赴任していた土地で、行きあきてるのよ。」と夫さん。
「私も、その頃毎週行ってたので、もう行くとこないし、離れてくらしていた思い出だから、もういいかなって、(船を)降りませんでした。」と微笑みながら話してくださいました。
奥様はその頃が寂しかったのかと思ったりすると、穏やかなご夫婦の仲の良さがまた判りました。
「そうなんですか。じゃ金沢は降りられますか?」
「金沢は降ります。久しぶりなんで愉しみです。」と夫さんが言えば、妻さんもニコニコと頷きます。
本当に、お話しているだけで穏やかな気持ちになるご夫婦です。
私たちには望むべくもない形です。
家人がこんなに枯れて穏やかな話ができるようになるとはとても考えられませんし、ましてや私が黙って連れ合いの話にうんうんと同意するなんて、有り得ない。
ま、ヒトにはいろいろな形の在り方と来し方があるということで。。
朝から濃いひと時があって、船を降りると今日は金沢駅までシャトルバスです。
家人が聞いてきたところによると、今日急に寄港地の港が変更になったのは、船長の気持ちだと言うのです。船長にも止めやすい港とそうでない港がある。今日は決まっていたところが、気に入らなかったんだというのです。
そんなことあるのか?とは思いますが、船長は一番偉いとは言いますし、寄港地の自治体のクルーズ客に対する態度は、まるで「お客様扱い」です。
いや、お客様には違いないのでしょうが、なんというか、特別扱い感がするのです。
それを思うと、満更でたらめではないかとは思いますが、何分話の出どころが家人です。私はこの家人の話の不十分で、何度も危うい目にあっています。なので、話は半分というところに留めておきます。
さすがに金沢は人気らしく、シャトルバスも次々来るのですが、すぐに一杯になりが何度か繰り返されて、私たちの番になりました。
私も金沢はひところ毎年来ていた時期がありました。
お正月しかお休みが取れない仕事をしていた私に合わせて、家族旅行をを年末年始しかできなかった頃です。![]()
![]()
亡夫は、蟹が嫌いと吹聴しておりまして、私はそれをずっと信じておりました。
ところが、何十年か前のこと、金沢では有名な落雁の老舗「諸江屋」のご主人から、
ここがお手頃で美味しいよ。金沢の味が楽しめると、お店を紹介していただいて、蟹を出されました。
そこで、蟹の美味しさに目覚めた亡夫は「蟹は金沢に限る」と、目黒の秋刀魚みたいなことを言って、一年に一回「金沢に蟹」が我が家の行事になった時期がありました。
そして家人とも、日本で一番のサービスを謳っていたころの「加賀家」さんに泊ったこともこともあります。その時には近江町市場だけでしたが、懐かしかったです。
昨今はすっかりご無沙汰で、本当に何十年かぶりの金沢は、もう知らない土地でした。方向オンチですし(笑)![]()
![]()
それでも見たかった「鼓橋」は案外落ち着いた色で、さすがに古都だなとは思いました。個人的にはもっと朱色で会ってほしかったとは思いますが。
そして歩いて、近江町市場に行きます。
路地がいっぱいの迷路のような市場。
家人はあらかじめ行くすし屋を調べていたようで、混雑をできるだけ避けるように昼前に到着。
入口は古くて、お世辞にも綺麗な店舗とはいえませんが、威勢の良い声ときびきびした対応がいかにも市場です。
少し待っただけで入店できてラッキー。決して広くない店内はもういっぱい。
メニューはありますが、殆どは「当日お薦め」か「季節のおすすめ」が店内に貼られてあったり、黒板に書かれてあったり。
私は大好きですが、家人は苦手なオーダー方法です。
こんな時は「あ、眼が見えない。もう決めて」と私に丸投げするのです。
目が見えないって・・ただの老眼が何言うのよ。目が不自由な人みたいな言うなと思いますが、こんな時にあえて任せると、とんでもないものオーダーしますので、私がすることにしておきます。![]()
![]()
もちろんここでも出ました。「目が見えない」
じゃここまでどうやってきたのよ?とは突っ込みませんけどね。
この時期金沢に来たらまず「蟹」でしょ。香箱がに。これはボディの味噌も身もぜんぶ戴いちゃいます。小さな蟹ですが旨味はたっぷり、味噌のグロテスクな色も、一度味を覚えれば、これしかないと思うようになります。
そして日本海のの冬といえば「のどぐろ」。これが最近高い。
もともと高かったですが、最近とみにお高くなった気がしますので、お寿司二貫で我慢しましょう。白エビは正直上品すぎて、私はクルマエビのあのねっとりした味わいの方が好きですね。
そして金沢に来たなら「治部煮」これは食べないとダメでしょう。
あとは何食べたかあまり思い出せないのですが、家人は私のオーダーでは物足りないようで、自分でも何品かオーダーしてましたが、どれもありきたり。なんでここで?というようなものばっかり。
やっぱりこの人、食べるセンスないわと、心に言い聞かせたものでした。
食べるのは、控えめにと思って早々なお寿司やを出ると、もう近江市場は人。人。人・そりゃあそうでしょ。今日は日曜日ですもの。
海鮮のお店を通り過ぎようとしたら、黒山の人だかり。覗き込むと、殻付き牡蠣をその場で食べられるらしいのです。
「これこれ」と最後尾を探して愕然としました。なんとお店を曲がって隣の店のまだ向こう。
これはもうダメだと諦め、なるべく人出の少ないお店を・・なんて無理でした。
どこも人でいっぱい。感覚では観光客が地元客より少し多い目かと。
それでも、ここで蟹買わないきゃどこで買うと、覗いていると、ありました。
店先に茹でたのやら、生の蟹やら並べている、市場に相応しいお店。
忙し気なお兄さんに
「送りたいんたけど、茹でた蟹と生の蟹とどっちが美味しい?」
「そりゃ生よっ。」
気持ちのいい返事。私的には茹でる手間考えたら、茹で蟹だけど、美味しいかどうかと問われると、やっぱり「生」なんですよね。
で、ここでまた迷うのは、いろいろな蟹の種類がある。
タグ付きの高いやつから、なんともこぶりな出汁しかとれないようなの。それはそれで美味しいんですけどね。
「加納が二」名前の通り、加賀と能登の間で取れた蟹だそうですが、蟹にとっては県境も何もあったもんじゃないとは思いますが・・
なんてことを思いながら、送り状書きます。
はい。私書くのは早いです。
近江市場は楽しいですが、ずっといると何食べるか判らないので、次に向かいます。金沢はバス路線が沢山あって、いろいろなルートで目的地に着けるようになっています。さすが百万石。立派な市政です。(百万石はもう関係ないでしょうが)
一番お安いバスルートほ選んで、私たちは「現代美術館」に向います。
じつは、今日から兼六園の「雪吊り」が始まったとのニュースが流れ、兼六園に行ったことのない家人は「行きたい」と言ったのですが、私はもう三回行ってます。そしてその度、我が郷土の公園の庭園の方が絶対的に美しいと思うのです。
なので、却下。
行ってみないと比べられないと諦めない家人は無視。
いいのよ。私は比べてるから。あなたに庭園美が判る?とは、面と向かっては聞きません。果てしない言い合いになりますから。
ムダな言い争いはしない・・この旅ではそうしょうと私は心に決めてますから。ほっほほ。。。ではまた次回に。。。
冬の味覚という近江市場のすし屋さんと鼓橋。ヒトのいない時に撮るのは至難でした。

