膀胱形成を併用した尿管膀胱新吻合術(psoas hitch法) | ドクターH(Homeless doctor)の覚え書き

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●psoas hitch法
psoas hitch法は,膀胱を周囲組織から剥離授動して患側の腸腰筋に吊り上げて縫合固定することで,尿管膀胱新吻合部に緊張がかからないようにする方法である。

(1)膀胱に可動性を与えるために,膀胱左右側壁を内腸骨動脈が確認できるまで,さらに膀胱頂部の腹膜付着部を十分広く剥離する。それでも膀胱の可動性が足りない場合は,健側の上膀胱動脈を切断することで患側への可動性を増しておく。

(尿管の剥離と切離,シングルJカテーテル挿入留置までは尿管膀胱新吻合術と同様である。)

(2)吻合部からやや離れた膀胱前壁に斜切開(psoas hitchを上げる方向に対して直交方向)を置く。膀胱内面に示指を挿入して患側腸腰筋に向かって引き上げ,緊張なく尿管断端が吻合可能であることを確認する。腸腰筋筋膜と膀胱の吻合部よりも尾側で尿管膀胱新吻合すると,吻合部に緊張がかからない。
陰部大腿神経を損傷しないように注意しながら腸腰筋筋膜と膀胱筋層を3-0吸収糸で2~3針固定した後,腸腰筋筋膜に吊り上げた膀胱壁の背側から尿管を膀胱内に誘導する。

(3)粘膜下トンネル法で逆流防止を図る。

(4)尿管と膀胱粘膜の縫合およびシングルJカテーテルの取り扱いは,尿管膀胱新吻合術と同様である。