膀胱形成を併用した尿管膀胱新吻合術(Boari法) | ドクターH(Homeless doctor)の覚え書き

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●Boari法
Boari法は膀胱壁の一部をフラップ状に切開して管状に縫合・形成することで,大きく欠損した尿管と膀胱のつなぎ手とするものである。通常,psoas hitch法と併用されるため,あらかじめ膀胱周囲は十分剥離して可動性を与えておく。

(1)膀胱壁のフラップは,頂部で約3㎝,底部で約4㎝,長さは欠損した尿管より約2~3㎝長くデザインする。

(2)フラップに自体に緊張がかからないように,膀胱壁を患側に引き上げ,フラップ底部付近の膀胱壁を患側の腸腰筋筋膜に3-0吸収で2~3針で固定しておく(psoas hitch法)。

(3)フラップ頂部中央に約1~2㎝の粘膜下トンネルを作成し,背側から膀胱壁を貫いてシングルJカテーテルを留置した尿管を誘導,粘膜下トンネルに通す。

(4)尿管脱落防止のために尿管壁と膀胱筋層を3-0吸収糸で2~3針縫合しておく。尿管断端と膀胱粘膜の縫合およびシングルJカテーテルの取り扱いは,尿管膀胱新吻合術と同様である。

(5)膀胱切開部の閉鎖は,シングルJカテーテルをロール状に巻くように粘膜を4-0吸収糸で連続縫合し,筋層は3-0吸収糸で結節縫合する。

(6)完成した膀胱壁の管は,適宜腸腰筋筋膜に3-0吸収糸で固定しておく。