その①、その②では加入者一人当たりについての説明でしたが、
この制度は「世帯合算」や「多数回該当」などにより更に自己負担
額が軽減する仕組み
となっています。

 「世帯合算」では、一人が同じ月内で複数回受診する場合や
同じ世帯の他の人が同じ月内で受信し、それぞれが窓口負担
した場合、それらの自己負担額を一ヶ月単位で合算できます。
 但し留意点として、医療保険における「世帯」は住民票
の概念と異なります。例えば、一つの家族でも世帯が加入して
いる健康保険の被扶養者の子が大学進学で親元を離れ、別居
していても同じ世帯と見なされます。
 その一方同じ世帯でも妻(例:協会けんぽに加入)が夫(例:健康
保険組合に加入)と異なる健康保険に加入していれば別の世帯
として扱われ、「世帯合算」はできません。「世帯合算」は同じ
医療保険のみ可能
です。
 また前述のとおり、70歳以上の人は、一回分における自己負担
額の制限はありませんが、70歳未満の人はその額が2万1千円
以上でないと合算できません。
 またその世帯がどの所得区分に該当しているかの判定につい
ては、基本的に同じ医療保険に加入している人の所得の合計額
が適用される他、所得区分を判定する期間は前述のように療養
受けた月が1月~7月の場合は前々年8月~12月の場合は、
前年の所得が該当します。なおこれについては、カテゴリー毎
に算定方法が異なりますので、詳細は国保や後期高齢者医療
保険の場合、住所地の市町村役場、健康保険組合、協会
けんぽなどに確認してください。

 次は、「多数回該当」ですが、これは直近12ヶ月間で高額
療養費の支給が3回(3ヶ月)以上ある場合、自己負担額が
4回目から更に安くなる仕組みです。
 例えば、70歳以上の場合、「現役並み所得者」の自己負担
額は44,400円までです。しかし「一般」や「低所得者」の所得
区分は対象外です。
また70歳未満の場合、「上位所得者」は83,400円、「一般」
は44,400円、「低所得者」は24,600円となってます。

 事例を挙げて説明すると次のようになります。
健康保険組合に加入している被保険者Aさん45歳、その妻
Bさん40歳、Aさんの実母Cさん72歳、BさんとCさんは
被扶養者、所得区分は「一般」と仮定した場合。
直近6ヶ月の療養費自己負担額
        Aさん    Bさん    Cさん    備 考
 1月   入院:70,000円          0   外来:6,600円      -
 2月   入院:85,000円   外来:7,000円   外来:6,600円  高額療養費支給
 3月          0   外来:6,000円   外来:6,600円      -
 4月   外来:30,000円   入院:70,000円   外来:6,600円  高額療養費支給
 5月   外来:26,000円          0   外来:6,600円   高額療養費支給
 6月          0   外来:22,000円  入院:310,000円   4回目該当
 このように高額療養費の支給は6月時点で4回目となります
ので、6月の自己負担額は332,000円(22,000円+310,000円)
ですが、「多数回該当」により高額療養費として287,600円
(332,000円-44,400円)支給されますので、この場合実際の
自己負担額は44,400円となります。

次回その④は具体的な申請手続きについてです。