磐越西線全駅間歩き1(郡山-会津若松) その3・中山宿駅の怪談(たぶん嘘) | 駅から駅まで・旅のあしあと

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鉄道路線全ての駅間を歩く全駅間歩きを10年以上続けています。
今は東海~北海道エリアを歩いていますが、目指すは全国全路線全区間踏破!
そんな壮大な目標、たぶん一生レベルでかかるので、長い目で見守っていただけるとうれしいです。
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その2からの続き

 

-磐梯熱海(12:30発)-中山宿(13:48着)-

 

 

駅を出てすぐ左の道に入りました。

 

 

 

まもなく温泉街に入りました。

このあたりは磐梯熱海温泉のなかでも歴史ある地区なんだそうです。

 

磐梯熱海…と聞くと、静岡の超有名温泉地をパクッたように思われがちですが、

「熱海」という地名は、温泉が湧く場所に昔からよく用いられてきた地名です。

さらに、この地を伊豆国の伊東氏が治めていた時期があったそうで、

「熱海」の地名はその際に持ち込まれたといわれています。

 

 

 

踏切を越えて、旧国道に合流しました。

旧国道沿いにも温泉旅館が点在していました。

 

 

 

病院の脇を通過しました。

温泉地だけに、温泉療法もやっているのだろうか。

 

 

 

磐梯熱海温泉は郡山の奥座敷として発展してきたこともあり、

旅館だけではなく、バーやスナックといったお店も見かけました。

 

 

 

途中で五百川を渡りました。

 

実は、この五百川という名前の由来には、

磐梯熱海温泉にまつわる萩姫伝説が深く関わっています。

 

昔、都に住む公家の娘・萩姫は不治の病にかかってしまいました。

ある日、病床に伏せていた萩姫は、枕元に立った不動明王から

「都から東北方面に向かって500本目の川の上流に霊泉がある」と告げられたそうです。

東北へ旅発った萩姫はこの温泉を見つけ、ついに病を治したといわれています。

 

 

都から500本目の川だから五百川と名付けられたそうですが、

歩き方によっちゃ500本目の川も違うだろうに…なんて言うのは野暮ですかね。

 

 

 

このあたりも温泉旅館が集まっていました。

磐梯熱海の駅からはだいたい1kmほど歩いてきました。

現在は温泉街全体が「磐梯熱海温泉」でひとくくりにされていますが、

かつては駅周辺とこのあたりは別々の温泉だったそうで、

それぞれ「熱海温泉」「高玉温泉」と呼ばれていたそうです。

 

高玉温泉は明治初頭に開かれた温泉で、

鎌倉時代が起源の熱海温泉に比べると新しい温泉といえます。

 

 

 

国道に合流しました。

いよいよ中山峠越えに入りました。

 

 

 

温泉街を抜けると、歩道は無くなってしまいました。

山に入ったためか、雨脚も強くなってきました。

 

写真右側は廃レストランなんですけど、分かるでしょうか?

建物は残っているのですが、雑草が生え放題になっていることから、

閉店してからずいぶん時間が経っているように思われます。

 

 

 

濃霧注意報が出ている中を車はびゅんびゅん。

雨脚がさらに強くなったので、フードをかぶり、本格的な雨装備に切り替えました。

 

 

 

磐梯熱海の温泉街を抜けてから約30分。

中山の集落が見えてきました。

 

 

 

でも、いきなり集落には入らずに、

こんなところへ向かいました。

 

 

 

写真中央にホームの跡のようなものが見えます。

ここにかつて中山宿駅がありました。

 

中山宿駅周辺は中山峠を越える区間のため、線路は急勾配が続いています。

そのため、かつてはスイッチバック上に中山宿駅がありました。

よく見ると、写真奥には磐越西線の線路も見えます。

 

20年ほど前に旅客列車の電車化などを受けて、

中山宿駅のスイッチバックは廃止となり、それと同時に駅は移設されました。

 

 

 

近年、この駅跡は歴史遺構として再整備されました。

その際、駅名標も取り付けられたのですが…

 

これを見てしまうと、やっぱり「旧白滝」を思い出してしまいます。

「旧」をつければ現在駅との区別がつくという考え方でしょうが、

ちょっと前まで「旧××」という駅が実際にあったわけで。

 

 

 

この駅跡、線路が無いようにみえますが、

実はホームの先端まで行くと、ちゃんと線路があります。

左側には保線車両の車庫もあり、この線路は本線とも繋がっています。

往時の配線がそのまま残っているというわけです。

 

もちろん、待ってても列車が来るわけじゃありませんが。

 

 

 

元来た道を戻って、中山の集落に入りました。

 

 

 

この集落は会津街道の宿場街でした。

静かな集落ですが、所々に歴史を感じさせる建物が残っています。

 

 

 

集落の西で林道に入ると、まもなく踏切が見えてきました。

 

 

 

(現在の)中山宿駅に着きました。

駅前広場の一角には自転車置き場もありましたが、

止められている自転車は無かったような…。

 

 

 

ホームは1面1線の片ホーム。

旧駅と比べるといたってシンプルな造りです。

写真からはわかりにくいですが、ホームは勾配上に設置されています。

 

 

ここで昼食休憩をとったのですが、

駅に着いて30分くらい経ったとき、待合室に女子高生がやって来ました。

ちょうど郡山行きの列車が来る時間だったので、それに乗るとばかり思っていたのですが、

ようやく来た列車を自分と一緒に見送ってしまいました。

 

次の会津若松行きの列車が来るのは1時間後。

地元の人ならば、当てずっぽうに駅まで来ないだろうし、

乗り過ごしてここに来てたんなら、そもそも駅の待合室から動かないだろうし、

考えれば考えるほど不思議になってしまいました。

 

 

もしや…

 

 

いやいや、憶測でものを語ってはいけません。

まだ5月ですし、雨降ってるっていっても、真っ昼間ですよ。

 

それに、

自分だって同じように思われてるかもしれないし。

 

 

その4へ続く

 

 

磐梯熱海駅から中山宿駅までのGPSログ(1/60,000)です。

現在の中山宿駅から旧駅までは歩いて10分弱の距離です。

温泉街から中山宿集落までの国道はそれなりに交通量も多いので、

十分注意して歩いてください。