ここは京成線のユーカリが丘駅です。
駅の北口は、立派なホテルと一体化しています。
そんな北口の一角に、今回歩く路線のホームに繋がる通路があります。
静かな通路の先に待つ、その路線とは…
山万ユーカリが丘線です。
不動産ディベロッパーの山万が開発したニュータウン「ユーカリが丘」を循環しています。
不動産会社が鉄道路線を直接運行するのは非常に珍しいケースです。
実は、私の母親の実家が京成線の隣駅で、
ユーカリが丘線は小さい頃から何度となく乗る機会がありました。
普通の鉄道とは少し違うので、面白い乗り物に乗るという感じがしました。
営業キロは1周しても5kmあまりという短い路線ですが、
今回は全駅間歩きを通して、じっくり味わいたいと思います。
3月28日(土) 天気:晴れ 歩行区間:ユーカリが丘-女子大-中学校-ユーカリが丘
ユーカリが丘(14:02発)-地区センター(14:12着・14:20発)-公園(14:37着・14:48発)-女子大(15:14着)-
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20200613/15/oaksky84/d3/70/j/o1000075014773509397.jpg?caw=800)
ユーカリが丘線のユーカリが丘駅は高架の片面ホームで、
駅北口のペデストリアンデッキを見下ろす位置に設けられています。
ホームにはエレベーターや待合室が設けられていますが、ちょっとだだっ広い感じもします。
ユーカリが丘線に使用されている車輌も「こあら号」と名付けられています。
地区センター駅は無人駅ですが、出入口は2カ所あります。
もう一つの出口は、駅前から伸びるショッピングセンターに続いています。
逆に言えば、このショッピングセンターはまるっと1駅間続いているわけです。
今から十数年前、「商店街ドミノ対決」という日テレの番組で、
このショッピングセンターとその周辺を舞台にドミノ倒しが行われました。
倒した数を競うドミノ倒しとはひと味もふた味も違う、個性あふれるドミノ倒しでした。
そのなかの企画に「電車ドミノ」というものがありました。
これはドミノの本線をユーカリが丘線の電車に乗せて運ぶという大胆な企画でした。
ショッピングセンターがまるっと1駅間だからできる技でした。
発車・停車の衝撃で車内のドミノが崩れてもだめ、
停止位置がずれてもだめ(許容誤差は前後数センチとか言ってたような)、
慎重になって遅く走りすぎてもだめ、と
非常に厳しい条件が重なりましたが、結果は大成功。
(※ユーカリが丘線は自動運転ではありません!)
ユーカリが丘の商店街は(得点のうえでは)対戦相手に敗れてしまったのですが、
「あんな超難度のドミノ倒しが成功できたんだから、ユーカリが丘の勝ち!」
と思ったのは、私だけでないはずです。
さて、次の駅に向かいたいと思います。
表通りから外れて、住宅地の中を歩いてみたいと思います。
このあたりは、戸建てが建ち並ぶ閑静な住宅地です。
街路樹のコブシがきれいな花を咲かせていました。
公園駅に着きました。
係員配置駅ですが、訪れた時には不在でした。
ホームは1面2線の島式。
ユーカリが丘線は、この駅から一方通行の循環運転区間となり、
右側ホームから出発した列車は反時計回りに進み、左側のホームに戻ってきます。
駅の裏手には、駅名の由来となったと思われる「南公園」があります。
ちょっと強い風が吹いていましたが、公園を散歩するにはちょうど良い気温でした。
東京では、予想よりも少し早めに桜が咲き始めました。
このあたりは東京よりも朝晩冷えるせいか、桜の開花は少し遅れていました。
それでもつぼみは大きくふくらみ、近々満開を迎えそうな雰囲気でした。
ユーカリが丘線は、公園駅から循環運転を始めます。
この循環線がつくる「輪」の中に入ってみたいと思います。
「輪」の内側は別世界でした。
そこには、開発が始まる前の里山がそのまま残っていました。
ここは谷津でしょうか。
「線路」の向こうには住宅地、その背後にはタワーマンション群がそびえ立っています。
「線路」は、2つの世界を分ける境界線でした。
高架をくぐり、「輪」の外側に戻ります。
このあたりまで進むと、周囲の雰囲気もだいぶん落ち着いてきます。
女子大駅に着きました。
名前は女子大ですが、近くには和洋女子大のセミナーハウスしかありません。
駅が設置された当初は、女子大そのものが移転する予定だったそうなんですが。
ホームは単式。
先ほど歩いた田園地帯と里山を望むことができます。
女子大駅の先には、ユーカリが丘線の車両基地があります。
ユーカリが丘線の車輌は3編成のみなので、車両基地もわりとシンプルです。
(その2へ続く)