明けましておめでとうございます。本年もよろしくお付き合いください。

 さて、今日は天気も良く温度も適度に上がってガット弦の音も安定するのでエアコンを切って録音をした。
今年は無伴奏チェロ組曲第3番全曲をバロックリュートで録音する、という第1番に継ぐプロジェクトをスタートした。
プレリュードから順番に録音する予定だったが、弾きやすいアルマンドが最初になってしまった。
学生時代からクラシックギターで弾いていた曲なのでバロックリュートで弾くのは比較的簡単だった。
しかしながら、後期高齢者になってからは難しい曲に思えてきた;;;

https://youtu.be/7BqKNmdjxfY

 実は、7年ほど前に、低音に巻弦を張った同じ楽器での録音をアップしているが聴き比べてみると全く違う音がする。
興味ある方は聴いてみてください。
https://youtu.be/jGy_39BO9h0
 

8月終わりの暑い時に始めたBWV1007プロジェクト、3か月半経った師走にやっと最後の曲の録画を終了した。

 ジーグはたった2分ほどの短い曲だが何しろテンポが速いので難儀をした。十分な速さではないがこれが精一杯。
ゆっくりの曲は一音一音を頭で制御しながら弾いていくことが出来て、TAB譜の色々な記号も見ながら弾く余裕がある。
速い曲は頭の回転が追い付かないので指が勝手に動くようになるまで練習が必要だ。他の方がどうなのか聞いてみたいです。
   https://youtu.be/Wpt9psey5Jc

これで組曲の6曲が揃ったので再生リストを作成してみた。全部で22分位なので短い組曲ですね。
   https://www.youtube.com/playlist?list=PLyp66vUzbGrZxkhbJBgN8geWS6lCnCBhZ
 多分、このリンクで視聴できるはずですが。

新年からはBWV1009プロジェクトをスタートしたいと思っています。
既に6曲中5曲は巻弦やCD弦で録音していますが、古いものは動画でなかったりで新たにガット弦で揃えたいと思います。


 

 BWV1007(無伴奏チェロ組曲第1番)の録音プロジェクト
第5弾は第3曲目のクーラントを録音した。
 これで残りは最終曲のジーグだけになった。暑い夏にプロジェクトを始めたのにもう冬になってしまった。。。
クーラントはテンポの速い舞曲なのでもう少し速く弾きたいのだがこれが限界;;;

https://youtu.be/7n-WsOtvsYY
 

秋田県を久し振りに旅行した。コロナのためもあり5年ぶりくらい。
玉川温泉、乳頭温泉、田沢湖と能代の家内の実家訪問。
 3か月以上前にホテルは予約をしたが、既に人気の乳頭温泉はどこも満員だった。
乳頭温泉は昔、鶴の湯に行ったことがあるが今回は妙の湯、蟹場温泉にどうしても行きたかったので駒ヶ岳温泉で2泊し乳頭温泉へは日帰り入浴した。
全国旅行支援が遡って適用されることになりラッキーだった。宿泊費は1泊一人5千円、クーポンは計26千円も出た。

玉川温泉では、同じ系列の新玉川温泉に宿泊した。玉川温泉よりは新しいのでモダンな印象だ。
写真は近くの新玉川大橋からの紅葉。上のほうに白く見えるのは路線バスも通る雪庇だ。
 新玉川温泉の温泉は木造の浴槽が幾つも並んで配置されている。
強酸性の源泉なので100%湯には入っていないが、弱酸性湯1%以下と歩行湯50%、露天風呂確か35%に入った。
50%だと傷などはピリピリするので酸性度の強さを実感する。


新玉川温泉から玉川温泉までは自然研究路という散策道路を10分足らず歩く。
紅葉も奇麗だが路面の落ち葉も風情がありちょっとしたハイキング気分になれた。


玉川温泉の地獄めぐりは舗装された周遊路を30分ほどで歩く。地獄と紅葉のコントラストが印象的。
写真には写ってないが、周遊路わきの平らな岩盤や土のうえではゴザを敷いて治療している人が多くいた。
外で寝そべるのは大変という人は屋内で同様の岩盤浴が出来るようになっている。


地獄の噴煙動画
https://youtube.com/shorts/afNLtXRKqCE

玉川温泉から1時間余り路線バスに乗って田沢湖に戻り初めて遊覧船に乗った。
湖水の色がコバルトブルーというか日が当たると輝いて非常に奇麗だった。
有名なたつこ像も金色に輝いていたが写真はその近くの神社などの佇まい。


翌日は乳頭温泉に行ったが、線状降水帯が通ったりで1日中雨だった。ということで写真は1枚もない。
妙の湯ば若い女性で溢れるばかりの盛況ぶりだった。小さいながら様々な風呂がありその風情を楽しめた。
雨が降っていても露天風呂から見える川の堰の小さな滝や紅葉した山並みも美しく来てよかったと思わせてくれた。

その次に実家へ行くと秋田犬を飼っている。14歳になるそうだが、渋谷のハチ公は見ても本物を見るのは貴重な経験。
写真では小さく見えるが実際は大きな体で頭は小さめだった。小さい時から飼っていて人懐っこくおとなしい。


久し振りの長旅だったが有意義で楽しい旅になった。
 

 BWV1007(無伴奏チェロ組曲第1番)の録音プロジェクト
第4弾は第1曲目のプレリュードを録音した。
 最初に弾くべきプレリュードが後になってしまった。
セゴビアが弾いたバッハの曲はギター弾きさんにもよく弾かれてる。多くの人が良く知っている曲は弾きにくいものだ。
小節初めの低音をどれくらい強調するかは奏者によって大きく異なっている。
今回は低音重視型のA.Crugnolaの演奏を参考にしてみた。私の好きなリュート奏者だ。

https://youtu.be/70ZLLDghwz4
 

 BWV1007(無伴奏チェロ組曲第1番)の録音プロジェクト
第3弾は第4曲目のサラバンドを録音した。
 昔、この曲をYoutubeにアップしたのは10年位前で低音弦は巻弦、高音弦はナイロン弦、フロロカーボン弦だった。
現在のガット弦主体の音とは全く異なり不自然な響きなので削除した。
また、当時は動画ではなく音だけだったのも今回のやり直しの目的。
 サラバンドは、演奏者が繰り返し部分で装飾音などを駆使して個性を発揮することが多い。
今回も大変気に入っているN.Northの演奏を下敷きにしている。

https://youtu.be/ixzDGWImYNE
 

 BWV1007(無伴奏チェロ組曲第1番)の録音プロジェクト
今回は第5曲目のメヌエットを録音した。
前回のアルマンドをアップしたのが8月27日だから約半月で録音したことになる。
BWV998のフーガは2年経っても録音出来なかったので随分早く出来たものだ。

https://youtu.be/c5c5F856AcU

 随分長く演奏をアップしていないと思っていたが調べてみると前回から15か月も経っていた。
その間細々と練習は続けてフーガ BWV1003を録音できる状態まではなっていたのだが録音してみるとミスが消えない。。。
やはり年齢には逆らえないのだろう、なんでもない所で引っかかってしまったりする。
ということでいったん難曲はお休みしてもう少し短い曲をやってみることにした。
 BWV1007(無伴奏チェロ組曲第1番)をバロックリュート用に編曲した組曲で以下の6曲よりなる。
プレリュード、アルマンド、クーラント、サラバンド、メヌエット、ジーグ
第6番までの中では短く最も手掛けやすい組曲で今回は順不同で全曲録音を目指したい。
 最初は第2曲目のアルマンドを録音してみた。
楽譜は以前作成したものがあったが今回全面的にチェックして自分好みに変更したり運指の見直し等を行った。
10種類以上のバロックリュートやオリジナルのチェロ演奏を改めて聴いてみたが、その演奏の多様さに驚かされた。
https://youtu.be/X8qOIWCze08



ブラームス交響曲

ヘルベルト・ブロムシュテット(指揮) ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
 録音 第1番~第2番 2019年 ライプツィヒ、ゲヴァントハウス  デジタル/ライヴ
 録音 第3番~第4番 2021年 ライプツィヒ、ゲヴァントハウス  デジタル/セッション

 ブロムシュテット版のブラームス第2番を聴いていたら戸棚のガラス戸がビリビリ鳴った。スーパーウーファーの出す低音に共振したのだ。JBL4343のウーファーは38㎝なのだがそれでも60Hz以下は十分ではない。それを補完するためにスーパーウーファーを付けている。そのレベルはガラス戸等が共振しないレベルにセットしてあるがこのCDは珍しい。

 そこで簡易的なスペクトルアナライザで調べてみた。添付の画面がそれで上がこのブロムシュテット版で下がシャイー(ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団)版。これらは第2番のトゥッティ部の代表的なパターンで、前者では低音(45~65Hz)辺りが強調されており、これはコントラバスの低域に当たる。後者では低音(65~95Hz)辺りが強調されており、これはチェロの低域に当たる。

 データではたったこれだけの違いだが聴覚的には大きな差になって聴こえるのが不思議だ。前者で試しにスーパーウーファーをOFFにしてみた。そうすると低音が弱くなるだけでなく音楽のスケール感が貧弱になり生き生き感も無くなる。例えればステレオをモノラルに切り替えた時の感覚に似ている。
 後者ではその落差が小さい。これはスーパーウーファーで補完する周波数が弱めにしか入ってないからだ。元々低音再生能力の低いシステムで聴く場合は前者と後者の差は分かりにくいだろうし、スーパーウーファーを追加する場合の効果も限定的かもしれない。(やってみないと分からない)

 もう一つの話題として録音する場所の影響について。両者ともライプツィヒ・ゲヴァントハウスで録音されている。後者は中、高音側にエネルギーがある録音で少しヴァイオリンパート等にキンキンした音の部分もある。前者は低域重視の録音で非常に聴きやすい。同じホールで同じオーケストラの録音だが録音によって全く違うものになるということだ。ライプツィヒ・ゲヴァントハウスは音の良いホールとして有名だがそれはそのホールで直接聴いた時の話で録音は全く別物ということも分かる。

 現在の録音・マスタリング技術からすると現地で聴く以上の解像度でCDを製作できる。ここ数年の最新録音ではこの点を追求する傾向もある様だ。マスタリング段階でソロ楽器やフィーチャーした楽器のレベルを上げるとか、ホールではほとんど聴こえないコントラバスの音を強調したりしてあるものもある。
 技術発達すればするほど家で興味深く聴くことが出来るが実際にコンサートホールで聴く状況を部屋で再現することは不可能だ。例は悪いが、バーチャルツアーで現地に行った気になれるか? TVで野球観戦して球場に行った雰囲気を味わえるのか?というのに似ていると思う。現地と家での視聴の違いは割り切って考えておく必要がありそうだ。

 余談ばかりで恐縮だが、「ブロムシュテットとライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のブラームス交響曲は素晴らしい演奏を素晴らしい録音が支えた最高のCDだ。」
楽曲の詳しい解説や感想は、michaelさんのブログにお譲りしたいと思います。
 


チャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」

テオドール・クルレンツィス(指揮) ムジカエテルナ (1CD)
録音 2015年 場所:ベルリン、フンクハウス デジタル/セッション

 チャイコフスキーの交響曲は、第5番が好きで一番よく聴く。コンサートでもヴァイオリン協奏曲とともに何回も聴いたものだ。
 しかし悲愴は家ではあまり聴いていない。それは優れた録音に出会わなかったから。冒頭のファゴットのpp音はコンサートホールでは難なく聴きとれるが、S/Nの劣るLPやテープの時代はスクラッチノイズやヒスノイズに埋もれて良く聴こえない。CDの時代になって格段にS/Nが改善されたがまだ十分と言えない時期が続いていた。このクルレンツィスの録音はまさにコンサート会場以上の解像度でファゴットのテーマを聴かせてくれる。これを聴いて期待をもって最後まで聴こうと思ったわけだ。期待に違わず、悲愴で初めて聴く高S/N比、広いダイナミックレンジの録音に引きこまれてしまった。

 私がクルレンツィスの名前を知ったのはつい最近だが現在最も期待している指揮者だ。彼はギリシャ生まれで、ムジカエテルナを創設し、SWR交響楽団の首席指揮者でもある。

 彼のCDを最初に聴いたのはモーツァルトのフィガロの結婚。序曲を聴くと今まで聴いたことがない自由な表現とダイナミックな演奏に魅了された。
 ウィーン歌劇場で同曲を聴いた時(クルレンツィスの指揮ではない)の演奏には伝統を重んじる正当性を感じたものだが、どちらが良いとか比較することは意味がないだろう。開演直前のオーケストピットで何百回も弾いたであろう曲を一人練習する当時のコンサートマスターのキュッヒルさんの姿は目に焼き付いているが、あの真摯な取り組みがウィーンの伝統を守っているのだろう。
 最近は、クルレンツィスに限らず伝統にとらわれない自由な表現を行う演奏が注目を集めている面がある。単純にこれが良いとは思わないが興味ある事象ではある。