行方不明 | おあいそ。煮

おあいそ。煮

超新人の放送作家(漫才やコント・落語も書きます)でございます。
好物は、皆の笑顔と金魚です。あと、砂肝。

家にいたら、


親の声がするたび


ビクビクして、



学校にいるときは


いい子でいることが

しんどかった。







「マジメ」と言われることは、

「ブス」と言われることよりも私には苦痛で



どうして

漫画の主人公のように、

誰からも好かれる人間でないのかと


自分を呪った。





幼稚園の頃から、


明るい人間になろうと思って努力して、


明るいねと言われるようになったが



それが本当の自分でないことを

私はよく知っていたから


明るいふりをすることに慣れてしまった今は


自分の本音がどれか

さっぱり見当もつかない。




「あなたは

人を引っ張ることができる人なの」


何も知らない先生から言われ、


いい子でいることを

強要された。




「人のお手本になりなさい」




生きる道を知らない子どもは



引かれたレールの上を

つま先で渡ることしか

できなかった。






本当の私は

ここにもういない。





あのときに手を離してしまった




あの子は



どこにいったの。