家にいたら、
親の声がするたび
ビクビクして、
学校にいるときは
いい子でいることが
しんどかった。
「マジメ」と言われることは、
「ブス」と言われることよりも私には苦痛で
どうして
漫画の主人公のように、
誰からも好かれる人間でないのかと
自分を呪った。
幼稚園の頃から、
明るい人間になろうと思って努力して、
明るいねと言われるようになったが
それが本当の自分でないことを
私はよく知っていたから
明るいふりをすることに慣れてしまった今は
自分の本音がどれか
さっぱり見当もつかない。
「あなたは
人を引っ張ることができる人なの」
と
何も知らない先生から言われ、
いい子でいることを
強要された。
「人のお手本になりなさい」
生きる道を知らない子どもは
引かれたレールの上を
つま先で渡ることしか
できなかった。
本当の私は
ここにもういない。
あのときに手を離してしまった
あの子は
どこにいったの。