翔くんが就職してからなかなか会えなくなった
でも仕事だし、一生懸命の翔くんを応援したい
仕事が早く終わった時は会いに来てくれるし、抱きしめて朝まで居てくれるそれだけで幸せだったし、わがまま言っちゃダメだもんね
俺も大学の勉強頑張らなくっちゃ
翔くんに会えない時はニノと一緒に図書館に行ったりして勉強した
「社会人になると誘惑がいっぱいありますからね、浮気したりして〜」
「・・・そんなこと・・・ないよっ!残業のない日は俺のところに泊まりに来るんだから」
「たまにでしょ〜普段どうしてるなんて知らないでしょ?」
「ニノっの意地悪!そんなこと言わないでよ」
「あっごめん、ごめん、泣かないでよ」
「泣いてなんかないよ!」
「ごめん、お詫びに飲みに行きましょ」
「ニノの奢りだよ!」
「はいっはいっ」
ニノが連れてきてくれた居酒屋はオシャレなカフェみたいで半個室で椅子がソファーでゆったり飲めるところだった
「素敵な店だね、ニノがこんな店知ってるなんて驚き」
「も〜潤くん、俺をどんな括りで見てるんですか、俺だってデートぐらいしますからね」
「ふふふっそうだよね、やっぱりカップルが多いのかなぁ」
そう言いながら見渡すと今から入ってくる2人組に目がいった
「・・・しょ・・うくん」
「えっ何処?」
ニノが俺の見ている方に目を向けるとそこには翔くんと女の人が店員に誘導されて席に着くところだった
「何だよ!あれっ!」
ニノが大きい声で叫んだ
俺はその状況に頭が追いつかなくて声が出なかった
彼女が座る時にエスコートしている翔くん
見つめ合い笑いあってる翔くん
何っなんなの!!
涙でよく見えない、もう見たくない、俺は急いでその場から逃げ出した
「潤くんっ!」
ニノに呼び止められたけど振り向かず店を飛び出した、今何処を走ってるのかも分からないけど、とにかくあの場所から逃げ出さなきゃ
「潤くんっ!!」
ニノに腕を捕まれて腕を振り払おうとしたけど力が入らないそのまま道路に座り込んだ
涙が止まらず止め方も分からない
「潤くん・・・大丈夫?」
「潤っ!!」
背中から今は聞きたくない声が聞こえた
「潤っ!大丈夫かっ?!」
腕を掴まれ思い切り振りほどいた
「触るなっ!」
「・・・俺っ馬鹿みたいに浮かれてた、そうだよね俺、男だから、、、結局女の方が良いんだよね」
「違うっ、違うんだよ、聞いてくれ」
「・・・・」
「親父が勝手に見合い相手見つけてきて、親父の顔を立てて、断るつもりだったんだよ」
「・・・断るなら電話でもいいでしょう、なんでわざわざ会う必要があるの、ましてあんなオシャレな店に連れてきて断るならどこでもいいじゃん」
「・・・潤っそれは「あーもういい!!ニノ!行こう飲み直そう」
「潤っ!待って」
「彼女が待ってるよ」
「行こう、ニノ」
「潤くん・・・」
「櫻井さん!潤くんは俺の家に泊めますから」
「行こう、潤くん」
ニノに手を引かれて歩き始めた
翔くんは俺の名前を何度も呼んだけど追いかけては来なかった、それが答えなんだと思った