「潤、これ持って行って」
キッチンから呼ばれお皿を見ると切っただけ〜、のせただけ〜と言っていたがどれも普段食べるようなものではなくてしょおくんてセレブなの?って思ったけど、今聞くことじゃないかなぁって言わなかった
ふたりでお酒とおつまみをテーブルに置き、改めて
「「カンパーイ」」
「うわっ、このお酒美味しい」
「だろっ!これ美味しいからいつも買うんだよね、潤に気に入ってもらって良かった」
「やっぱ俺たち出逢う運命だったんだよ」
そう言ってしょおくんは俺の手を握りしめた
僕は恥ずかしくなってつい下を向いちゃったら覗き込むように「ねっ」って同意を求めてくるその顔が近い!キスされるんじゃないかと思う距離、もっと恥ずかしくなって顔を背けてしまった、だってきっと今顔が真っ赤だから
そんな僕の仕草に「やっぱ潤は可愛いね」と言う
しょおくんは握っていた手を膝の上に置いて正面をむいて今までの事を話してくれた、僕はその横顔を見ながら話を聞いた
「俺はいつも車で通勤してるんだけど、信号待ちをしていて、何気なくバス停を見たら綺麗な人がバス待ちしてるんだよ、驚いたよ、芸能人?まさかぁーこんなところでバス待ちなんてって、綺麗にスーツを着こなして、俺の好きな赤系のネクタイしててさ
それが似合うのよ、その彼に目を奪われてさ、信号が変わるまで見てたの、それから毎日同じ時間に車で通って信号待ち出来たらラッキーデー、だってずっと見てられるからさ、勿論信号待ちに当たることなんてなかなかないからさ、さぁーと通り過ぎることの方が多いわけ、だからある日、俺もそのバスに乗ろうと近くに車停められるところで下ろしてもらったんだけど、バスに越されちゃってあ〜間に合わないと思ったけど、とにかく走ったよ、そしたらその男の人が乗るの待っててくれて、「早く〜」って手招きしてくれてさ、「乗れて良かったですね」って、あーーーやっぱこの人は見た目だけでなく心も素敵なんだって、俺、男を好きになったことなかったけど、この人は別格だって性別を超えて好きだって思ったよ!
それが潤、君なんだ、
それが初めて交わした言葉
それだけじゃないんだよ、やっぱり俺ら運命のふたりなんだと思ったのは
うちの会社に潤が仕事で来たこと
最初の打ち合わせの時、少しだけ挨拶したの覚えてない
あの時!あっこの人バスの人って俺はすぐ気がついたけどね、名刺をもらって潤って言うんだぁ、素敵な名前だなって思ったよ」
しょおくんが話してくれたことでうっすらと記憶が甦ってきた、そういえば一生懸命走ってくる人がいたから乗せてあげたいなぁと思ってちょっと運転手さんに乗る人いますって言ったことあったなぁ、って、会社の打ち合わせで、社長がわざわざ挨拶に来てくれて、緊張して顔もろくに見ないで挨拶してたぁって
「えっ?!しょおくん!会社の社長さんなの!?」
「んっーまぁ親父の会社を引き継いだだけだよ」
驚くことばかり、そして何度も出逢ってたんだ
「事故にあった日、潤の勤めている会社に向かう途中でさ潤を食事に誘おうと決めて会社の近くで私用だからと下ろしてもらったんだよ
交差点で子供が引かれそうになって腕を掴んで助けたんだけど自分がまさかずっと眠りに入ってしまうなんて思いもしなかったよ
意識が遠のく時、潤の顔が浮かんだ
俺ずっと夢見てた、潤を抱いてる夢、不謹慎だよな親はすごく心配してるのにさ、眠ってる俺はそんな夢見てるんだから」
ふと潤を見ると涙を流しながら俺をじっと見ていた
「潤?!」
随分あいてしまいました、仕事がハード過ぎて体調崩しましたぁ
今はだいぶ体調も戻ってきたかなぁ
やっぱ気合いでは乗り越えられないことあるなぁと反省です、
さてこれからふたり幸せになってもらいましょ
あと少しお付き合いお願いします