
中国の事件
子供が殺された
9月18日、中国で一番開放的であると言われていた深圳で日本人学校
に通う子供が男に襲われ死亡した。10歳。
9、18は満州事変の引き金となった柳条湖事件の起こった当日で
あり、毎年のように反日デモが繰り返されてきた日だ。この悲惨な犯行
はどうみても反日ナショナリズムに基づくものであることは明らか。
似たような事件が6月にも起こったばかりで、中国政府は自らの反日
排外主義の結果であることに蓋をするかのように、男の動機など一切を
隠したままで、「前科のあるものによる個別の事案?」として「偶発的」
な単なる凶行で済まそうと躍起になっている。そんな小手先の誤魔化し
では日本人社会に広がる深刻な動揺を防ぐことはできない。
今は中国経済の長期低迷が続いており、習近平政権は日本をはじめ
海外からの投資、進出が萎縮することを恐れている(現に長期の海外
資本の逃亡が続いている)からに過ぎない。
本音はこれらの事件も過去の日本の中国侵略と中国人大虐殺の報いだ
と思っているに違いないし、こうした反日排外主義は中国人の一部に
根深く浸透している。
安倍などの歴史修正主義者たちが過去を隠蔽し、日本帝国主義者に
よる中国侵略の歴史に蓋をする以上、排外主義のせめぎ合いになるのは
不可避だ。
アステラス製薬の社員がスパイにでっち上げられ起訴されたばかりで
あり、さらに立て続けに子供が襲われ殺された。これでは中国進出の
お先棒を担がされる日本人会社員達はたまったものではない。
(「反スパイ法に加えて蘇州の事件ー深圳の事件ーの影響で中国に来た
い人がどんどん減っている」ー北京の日本人駐在員)
殺されるなど取り返しがつかないばかりではなく、アステラス製薬の
でっち上げスパイ事件などに対して、日本政府が何ら有効な手を打て
ないでいるのだから生贄の気分だろう。
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中国当局の発表で、23年の海外からの対中直接投資は前年比8割減の
330億ドル(約5兆円)と30年ぶりの低水準だった。マイナスは2年連続で、
ピーク(3441億ドル)の21年の10分の1以下に縮小した。2年後で10分の
1は相当に深刻な事態である。(24年3月、下記)
Cf
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昨日、日中両政府は中国が全面的に停止してきた日本産水産物の輸入
を再開する方針で合意すると発表した。もちろん条件付きだが。
まあどう見ても反日ナショナリズムの所以の深圳の事件を「偶発的」
事件として闇に葬り、これ以上の日中関係の悪化を防ぎたいとする取引
(水産物を買ってやるからこれ以上深圳の事件で騒ぐなというわけか)
の思惑が見え見え。北京官僚は実に薄汚い。