ウクライナ侵略の半年、2 | 鬼川の日誌

ウクライナ侵略の半年、2

  ウクライナの半年と日本

 

 

  ロシアのウクライナ侵略半年、両軍とも損耗が激しく膠着状態が続き、戦

 況の行方は予断を許さない。

  しかし少なくともゼレンスキー政権の転覆を狙った首都キーウ攻略作戦は

 完全に粉砕され、プーチンの妄想は一旦頓挫した。

 

  侵略に参加した兵士が「準備は紙の上だけで、機材も絶望的なほど旧式

 だった。戦術さえも祖父たちと同じだった。」と旧態依然のロシア軍の実態、

 実力を暴露する手記を発表したそうだ。(『東京新聞』)

 

  このところクリミア半島で、パルチザンの活動が活発化し、ロシア軍の軍

 事拠点に対する効果的な攻撃が敢行され、ヘルソン州など南部戦線へのロシ

 ア軍の補給路に打撃を与えている。

  南部の攻防に戦局の焦点が移りつつあり、ウクライナ側が次第に主導権を

 奪いつつあるようだ。

 

  それだけにとち狂ったプーチンが何をやらかすか分からない。ザポロジェ

 原発を手放さないのは戦術核に代わり、意図的に核危機を作り出すために

 違いない。

 

  24日はウクライナのソ連からの独立記念日で、ロシアの侵略半年になる。

 またロシアはウクライナ東部のチャプリネ鉄道駅をミサイル攻撃して多くの

 市民が死傷した。

  クリミア半島でのパルチザンによる破壊工作に対する報復でもあるだろう。

 

  この半年のロシア軍の戦死者は7~8万人にも及ぶと言われている。プー

 チンは総動員令こそ出さなかった(出せなかった)が、ロシア軍兵士の大幅

 な増強を打ち出した。これは裏から兵力の消耗を認めたようなものだ。

 

  * 

 

  ところで日本では岸田がこれまでの原発への依存度を下げていくという

 持論を投げ捨て、ロシアのウクライナ侵略によって作り出されたエネルギー

 危機を口実にこれを煽り、7原発の再稼働、原発の運転期間の(再)延長、

 「新増設」建て替え、まで打ち出すなど原発政策を大転換させた。

 

  福島事故原発に溜まり続ける汚染水の処理すらできず、廃炉作業もまるで

 絶望的な現状にある。燃料デブリの取り出しなど出来っこない。取り出せた

 としても持っていくところは何処にもない。

 

  そもそも「核燃料サイクル」は上手くいかないことがとっくに露呈し事実

 上放棄されている。福島だけでなく溜まり続ける核のゴミの最終処分も展望

 はまるでなく、原発政策は完全に破綻している。

  地震国日本にはとりわけ原発は危ない。それが福島の教訓だ。

  岸田は原子力マフィアに完全に取り込まれたに違いない。

 

  Cf  「原子力マフィア」について