朝、なんとなく頭が重い。
目覚めが悪く、集中力が続かない。
それでも、予定通り仕事は始まる。
「寝不足くらいで」「まだ動ける」と思っていたその判断が、じわじわと影響を及ぼす。
操作ミス。確認漏れ。言い間違い。
普段ならしないような些細なミスが、積み重なる。
そして気づく。
“たった1時間”の睡眠不足が、仕事に明確なコストをもたらしていることに。
寝不足は、判断力・注意力・記憶力のすべてを鈍らせる。
しかもやっかいなのは、それを自分で認識しにくいことだ。
「今日は大丈夫そう」と思っていても、
実際には思考のキレが鈍り、いつも通りの品質が出せない。
ミスが起きると、「集中しよう」「気合を入れよう」と思う。
だが、脳のパフォーマンスが物理的に下がっている以上、意志の力では限界がある。
寝不足は、意志ではカバーできない“状態”なのだ。
もし最近、うっかりミスが増えたと思ったら、
それは能力や気のゆるみではなく、休養の問題かもしれない。
自己管理とは、根性ではなく、仕組みだ。
夜ふかしした“たった1時間”の代償は、
翌日の業務時間の中で、何倍にもなって返ってくる。
仕事で最小のミスを防ぐために、最大の対策は「よく眠ること」かもしれない。