迷信に打ち勝って大業績を上げた割りには謙虚な人 | 日曜日のキジバト

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元禄時代あたりの人で、
大沢勘太夫という人がいました。

奉行を引退して隠居しているころ、
なんか公共のためになる
事業はないか聞かれたときに、

赤城山の上にある池から
水をふもとの田んぼ(伊勢崎など)に
引けば、当時ひどい状態であった「干ばつ」の
対策になると答えました。


しかし、その池はいわくつきの池であり、
以前、人が身を投げたとか、
以前池の水を引こうとしたら、
ひょうが激しく降って死者が出た等の
話があり、
たたりがあるとして猛烈な反対を受けました。

工事を始めようとしても、
最初に工事用の小屋を作ることを勧められ
着工を妨害しようとする人もいたようです。


しかし、工事を開始すると、
たった4日で工事は終わり、
一万石の範囲が潤ったそうです。
(一万石≒1年で1万人分の米を作れるような面積に相当)
反対していた人たちも手のひら返しで喜んだそうです。


さらに意図的かはわかりませんが、
工事費用を本来必要な分より遥かに多い額を
見積もっていたようです。

そのため、雇用対策にもなり、
赤城山の社殿を修復することができ、
宗教関係の人も潤ったそうです。


事業の完成祝賀パーティー的なことも
やったそうですが、
そこでも、上座には別の人を座らせ、
自分の功績ではないと言い張ったそうです。

(情報源)
古人往来 (中公文庫)/中央公論新社

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