自分への固執 | “迷い”と“願い”の街角で

“迷い”と“願い”の街角で

確固たる理想や深い信念があるわけではない。ひとかけらの“願い”をかなえるために、今出来ることを探して。

近時、自分への固執に悩む人が増えているのではないでしょうか。「自己実現」という言葉が強調され、自分の理想像をむやみに追い求め、それとのギャップに苦しみ、かえって自分を肯定できず何も出来なくなってしまう。そんな状況があるように思います。


自分への執着から苦しみ何も出来ない状況を、夜回り先生として知られている水谷修氏は、「自分病」と呼び、精神科医の香山リカ氏は、確か著書の『就職がこわい』だったかと思いますが、夏目漱石の「我執地獄」という言葉を引用しておりました。


水谷氏は、「もう悩まず、まずは外に出て、誰かに優しさをあげよう」というようなことを、香山氏は「もっと軽い気持ちで」というようなアドバイスをしていたかと思います。


結局、自分の中に自分を探しても、泥沼にはまるだけのような気がします。人は、他者や自然と触れ合うことで幸せになれる生き物ではないかと思うのです。そして、そもそも、一人一人の人間は、他の人々や自然を含めた世界の一部であり、今の自分があるのも、そのおかげと言えるのではないでしょうか。


自分への固執は苦しみを増すだけに思います。自分の今いる場所で、日々の生活で、小さなことでも思いやりをもってやりたいものです。




香山 リカ
就職がこわい