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最近半身浴にハマッていて、最低でも一時間、
長くて二時間はお風呂に入り浸ってる神谷です。
ペットボトルの水と、ケータイと、ゲームボーイアドバンスを持ち込み
(ファンの方から頂いたミクロは、大事にしているので持っていきません)、
温めのお風呂に浸かって、たまにメールをプチプチ打ちながら
ボーッと「ポケモンでパネポン」をやってます。
これが至福のひと時なんですよね…。
仕事のこともプライベートのことも、何もかも忘れられる自分だけの空間。
一時の流行じゃなくて、一生この半身浴を続けそうな気がします。

それにしても「パネポン」、面白いですね~。
入社した頃から遊び続けてますから、もう10年以上経つんですかね?
「バイオ1」の制作に携わっている当時は、「パネポン」にハマり込んで
仕事そっちのけで遊んでしまい、
三上さんから「パネポン禁止令」が出されたほど。
「バイオ2」の制作時も、バグチェックも終わって最終ロムを提出、
遂に完全マスターアップしたとの知らせが届いてフロア中がスタッフの拍手と歓声に
包まれているまさにその瞬間、僕は別のフロアで「パネポン」を遊んでましたっけ…。
あの時は、いつの間にか遊んでいる僕の後ろに三上さんが立っていて、

三上「神谷… マスターアップしたで…」

神谷「え! あ、そうですか… やったぁ…ハイ、あの、では、その…」

という、今思い出しても全身の毛穴が弛緩するやり取りがありました…。

…カンゼンに話が逸れましたね。
そんなことより、前々回の記念すべき第200回目のブログ
(…だとは、まるっきり気付いていませんでしたが)に寄せられた、
皆さんのコメントの数々!! あまりの多さに、スタッフ一同ビックリしています。
公式ホームページの花のメッセージも毎日欠かさずチェックしていますが、
膨大な量のコメントを続けて読んでいたら、みなさんの応援の言葉の洪水に
思わず目頭が熱くなってしまいました…。

僕らも人間ですから、応援の声が届けば届くほど、仕事に対する気力も
増しますし、厳しい言葉を聞けば、心がベッコリとヘコんでしまいます。
幸い今回の「大神」では、プレーして下さった多くの方から暖かい言葉を
頂き、一層深い思い入れで制作に臨んだ「大神」という作品は、良い形で
僕の心に刻まれることになりました。

ただ、作品が結果的にユーザーのみなさんにとって良いものになった事と、
それを作る過程が良かったかどうかは全く別の問題です。
ちょうど昨日、発売からは大分時間は経ちましたが、
「大神」チーム全員で反省会が行われました。立ち上げ後の迷走、
実作業時の非効率、スタッフ間のコミュニケーション不足…
様々な問題点がスタッフから挙げられ、それについて議論を交わしました。
僕自身、反省する点はたくさんあります。スタッフ一人ひとりにも、今後考えて
いってもらわねばならない課題が山積みです。「大神」は、制作内部に関して言えば、
決して理想通りの形をした“良いチーム”ではありませんでした。
しかし、それら諸問題に対して気持ちを暗くするのではなく、
前向きに立ち向かって行こうという雰囲気で、スタッフ全員気持ち良く反省会を
終えることができました。僕たちは、今までも、そしてこれからも、一つの目的に向かって
一緒に歩んでいく“仲間”です。お互い信頼し合えるような関係を築き、競い合い、高め合って、
一つの作品のために全力を尽くせる“良いチーム”を作る。
そういう高い意識が、みんなの心にちゃんと残りました(…と、僕は信じています)。

えー… 興奮気味で、何を言いたいのかまた分からなくなって来ましたが、
先に書いた通り、作品の良し悪しと、僕たちの仕事との良し悪しは全く別問題。
ゲームを作るからには、当然面白くしたいです。そして、ゲームを作るという仕事も、
折角なら僕は楽しくやりたいです。作ってる人も、それを遊ぶ人も楽しい。
そんな永遠のテーマに、僕はこれからも挑んでいきます。

…というワケで、全部終わったことですし、
最後に皆さん遠慮なくコメントをお寄せ頂いて、
一緒に思い出に浸ろうではないですか(笑)。


pic204
写真:お風呂セット(歯磨き粉を写し忘れた…)。
    お風呂のフタの上で、アドバンスを楽しんでいます。
    ペットボトルには、アルカリ整水器の水が入っています!
    一度お風呂のフタがガボっと外れて、ケータイが水没しかけました…。

思い出のハムスター。

ども。
稲葉です。

コメント解放した途端にすんげぇ量のコメントついてますね。
さすがにビックリしました。


コメント送ってもすぐに反映されないので何回も同じコメントを再送した方が
いらっしゃったみたいです。説明不足で申し訳ありませんでした。
ブログコメントは、Web管理者がメッセージを確認した後にアップしてますので
投稿から公開までタイムラグがあります。ご勘弁下さい。

もうひとつお詫びです。
『レトロ大神』のBGMダウンロードですが、
Macユーザーの方は一部ファイル名が文字バケを起こす場合がありました。

近日中に対応したファイルをUPしますので、もうしばらくお待ち下さい。

さて。
ちょっと前のお花コメントですが
『2本目。ハムスターの名前をイナバにしました!
 ブラックジャンガリアンの男の子です^^(ひげさん)』

というのがあってですね。

実は、昔ハムスターを飼っていたことがあるんですよ。10年以上前になりますけど。
いろんな種類のハムスターがペットショップで売られ始めた頃で、
500円くらいで買った記憶があります。

彼が住んでいたのは80cm四方くらいの『大豪邸』
透明なアクリル板と木をホームセンターで買って作り上げた自作のケージの中に、
ちぎったティッシュを山盛りと、落ち着ける巣箱と回し車。
フタには金網を使っていました。

最初は脱走防止の意味でかなり大がかりな家を造っていたのですが、
凝り性のため歯止めがきかなくなったという方が正しいかもしれません。
飼っていたのはジャンガリアンハムスターなんですが、まあこれが可愛いのなんのって。

夕刻~夜が行動時間なので、昼間はあまり相手してくれません。
玉のように丸まり眠っていて、つついても転がしても無視。
慣れてくると手の上で眠るようにもなりました。
これが深夜になると、どこからともなく
『シャー』
という音が聞こえるのでビックリして起きると、回し車で楽しそうに遊んでいるという…
夜中に何度彼と目があったかわかりません。
まあ小さな小さな家族ではありましたが、かなり癒されていました。
よく脱走もされましたし(家中大捜索。本当に探すのがタイヘン)
大切に隠していたヒマワリの種を大掃除されたときの怒りなどは
非常に人間っぽいというか…まあ哺乳類ですしねぇ。
いろいろと理由があって僕の手を離れてしまったのですが、今でもたまに思い出します。

今の僕は仕事を離れるとかなりマイペースに動くタイプですので、
動物と暮らすのはあまり向いていないと思っています。
どうしてもペースを合わせなければいけない部分がありますしね。
ただし、その存在が癒しや元気のもとになるというのも事実です。
リアルな世界で触れる動物には、楽しさと共に苦労がありますが、
それを知っている人は『大神』のようなホノボノとした世界をより深く
楽しめるのかもしれませんね。
(しかし『大神』の世界では動物がたくさん登場しますが、その作り込みに
 愛情の差が見えるのは気のせいでしょうかね…?犬と猫はスゲェ完成度ですからねー)

ちなみに神谷に
『実際の狼に触れてきたらどう?』
と言ったら断固拒否された事もありましたねぇ。
まあ、本当に取材にいったら喰い殺されたでしょうけど(笑)

では、また!

ファミコンへの思い入れ

今はゆっくりしている時期とは言え、このブログ執筆と
「大神」レトロシリーズの作業と海外雑誌向けの原稿作成が重なって、
ちょっと焦っている神谷です。海外の雑誌なんですが、
妙にピンポイントで細かいことを聞いてきたりしてるんですよね…
筆しらべ一つ一つについて思い入れを述べよ、とか…。
もちろん思い入れはあるので書きますケド。

さて、前回の僕の回に予告しました「大神」レトロシリーズ、
先週の金曜日から公式ホームページで始まりましたが、
大好評のメッセージが続々と送られてきて、僕たちも大喜びしています!

事の発端は、公式ホームページのミニゲーム「アマテラスの小判取り」で流れる、
「イダテンと競争」のレトロバージョン。これは「大神」開発中に作曲担当の
ウエダ君がお遊びで作ったもので、その当時たまたま企画が進行していた
「小判取り」のBGMに使用することになったのですが、このなんとも懐かしい音が
ズーッと僕の耳に残っていて…「大神」の開発も終わってゆっくり出来ている今、
「ほかの曲もレトロバージョンにアレンジして!」 …とウエダ君にリクエストしたのです。

もちろん自分の趣味でリクエストしたワケじゃ…ない…ですよ。
「大神」も発売されてから約3ヶ月の月日が流れ、
そろそろ公式ホームページの更新をストップする、とウェブ担当の方から話が
あったので、それならば最後の最後のお遊びをしようじゃないか、と思い立ったんです。
ウエダ君もヒロシも快くこの企画に賛同してくれ、新人のニワ(♀)も加えて
「公式ホームページで音楽をダウンロードして、
            ユーザーの手でサントラを完全版にしてもらおう!」と、
早速曲作りに取り掛かってくれました。

そうなってくると、当然「ファミコンライクな画面」が欲しくなって来ますよね?
…そこで、デザイナーのヨッシーに「何か作って!」とお願いすると、
二つ返事で快諾!(…多分)。海外向け広告の作業で忙しいところだったのですが、
その合間を縫って「大神」のドット絵キャラクターを制作してくれることになりました。
ヨッシーとは、「いつかファミコンでゲーム作りたいよねぇ」なんて話を
良くしていたので、ちょっとだけ願いが叶いましたかね…(笑)。

ファミコンライクな神木村は、「大神」でも背景制作を担当していたナカムラ(♀)が
制作することになりました。彼女は、年齢的にもファミコン世代からは
ちょっと離れていて、昔少しだけ遊んだことがある…という程度らしいのですが、
色々研究して(?)頑張ってレトロな神木村を作ってくれました。

僕は今年で36歳、ド真中のファミコン世代っ子です。
初めてファミコンを買ったのは、中学1年の時だったでしょうか…。
世の中は空前のファミコンブームで、どこへ行っても本体が売り切れという状態でした。
お正月に、駅前の某デパートでファミコンを限定10台販売するという広告が新聞に入り、
早朝4時に自転車を駆ってデパートへ行ったら既に10人並んでいて「上には上がいる」と
ガッカリして帰ったこともありました。

あの頃は明けても暮れてもファミコンファミコンでしたね~。
勉強そっちのけで遊んでいたために両親にアダプターを隠されたり、
親が高校へ入試の合格発表を見に行ってくれている間に
隠してあるアダプターを出してきて「ナッツ&ミルク」を
遊んだりしていましたっけ…(しかも不合格)。

ファミコンサウンドも大好きで、
今も仕事中にファミコンゲームのサントラを良く聴いています。
音色、音数が厳しく制限されているにも関わらず、力強い演奏を聴かせてくれる
名曲が数多くあります。「ふぁみこんむかし話 新・鬼が島」のサントラも、
「大神」制作の参考になりましたね~(笑)。

そんな愛するファミコンなのに、僕はそのゲームを制作したことがないんですよね。
こんな自分が言うのもなんですけど、ファミコンでのゲーム作りは、
難易度が相当に高いと思います。
「適当に3Dでグリグリ動かしておけばOK」的な
誤魔化しの効かない事がどれだけ辛いかは、業界に入ってから10年近く経ってから
(「ビューティフル ジョー」制作時)やっと思い知ったほどですから、
多分、今の僕がファミコンゲームなんか作ったら、2年3年と迷走することでしょう。
本当に、ファミコンでゲームデザインの力を磨いてきた偉大なる諸先輩方には、
足を向けて寝られませんね。

…と言うワケで、ファミコン版の「大神」、誰か作ってくれないですかね(笑)。
僕が作ったら、僕が遊ぶことが出来ないですから。

まぁ、その夢は叶わないにしても、せめて気分だけは味わいたいじゃないですか。
「大神」レトロシリーズの企画、僕自身も更新を楽しみにしています。
更新されるのは、あと2回!どんなキャラクターや音楽が登場するか、
楽しみに待ちましょう。


pic203
写真:これはある程度基本の部分が固まってからの、企画ミーティングのもの。
    「癒し」という漠然としたテーマを、ゲームにどう絡めていこうかと
    試行錯誤している時のものです。
    この頃にシバタさんが企画に加わり、ボンヤリしていたゲームの輪郭は
    次第にクッキリと仕上がっていきました。シバタさんがいなかったら、
    「大神」の完成はなかったでしょう。


※CloverStudioWeb管理者よりお知らせです!
  本日の号よりコメントを開放させていただきます。
  その際、公序良俗に反する書き込み等、CloverStudioWeb管理者が
  不適当と判断した書き込みについては削除させていただく場合が
  ございますので、ご了承ください。
  尚、ご質問等につきましても、お答えしかねる場合がございますので、
  併せてご了承いただきますよう、お願いいたします。
  

ファミコン時代から大神へ。

ども。
稲葉です。

公式HP にて本日更新の『レトロ大神』見ましたか?
これ、僕が知らない水面下で着々と作られていたらしく…
さっき見てショック受けました(笑)
…オモシレーじゃねーか。

デザイナーのヨッシーはことあるごとに
『ドット打ちたいドット打ちたいドット打ちたい』
ってうわごとのようにつぶやいていたのですが…
まさかこんな所でストレス解消していたとは。
ホント、油断もスキもあったもんじゃないですね。
しかも、サウンドのウエダくんまで参加してのレトロこだわりっぷり。
僕らのようなファミコン世代は、こういう音色を聞くとワクワクドキドキする
んじゃないでしょうか?
うーん。これこのままゲーム化したいですよね。
ファミコンで遊びたいなあ。
…誰か作ってくれないかなあ(笑)

ふと思ったのですが、このレトロ画面を見た後に
『大神』の映像を見てもあまり違和感が無いですよね。
『大神』のような絵作りって、実はファミコン時代グラフィックの
正当な進化型なのかもしれません。
色数も描画能力も非常に制限されていたファミコンドット絵時代は、
細かい表情などを描けません。(アーケードゲームは別ですよ)
ドッターの超絶テクニックによって『てんてん』を動かして、
そのちょっとした動きの面白さやアクションの『間』で感情表現をするわけです。
『大神』はグラフィックスの先進性や表現の斬新さが取りざたされることが
多いのですが、実はこういう血がしっかり入ってるのではないでしょうか。
そんなことを『レトロ大神』を見て思ったのでした。

では、また来週!

懐かしのイッスン

「大神」の制作も終わって大分経ちますが、
いま、ちょっとだけ「大神」に関わる仕事をしています。
といっても「続編!?」…なんて話じゃないですよ(笑)。
明日更新予定の、大神公式ホームページのコンテンツの手伝いをしてるのです。

そう言えばこの間も、北米版「大神」の仕事をちょっとだけしました。
笹部郷に大きな鹿威し(ししおどし)の仕掛けがあるのはプレーした方なら
ご存知だとは思いますが、北米に住む人には鹿威し自体が理解出来ないことも
考えられるので、鹿威しを調べた時のヒントメッセージを追加したんです。
追加メッセージはこんな感じです。

【小さい鹿威しを調べた時】
「鹿威しが コンコンと いい音 させてるじゃねェか/
 流れる水が 重しになって シーソーのように 竹筒を動かす 仕組みさァ/
 こんな工夫で 心に染み入る 音を 作り出す ―/
 …人間たちも 中々 やるモンだろォ?」

【巨大鹿威しを調べた時】
「ひゃあ~ こりゃ 怒デカい 鹿威し だァ!/
 こんなにデカくて… 本当に 動くのかィ?/
 鹿威しってのは 水の重みで 竹筒が動く仕組み だけど ―/
 塞き止められてるのか 流れ落ちる 水だって ありゃしねェや/
 小さい鹿威しなら チョロチョロと 水を 垂らすだけで 充分だが ―/
 これだけ デカいと チョロチョロで 動かすってワケには いかないぜェ」

「大神」における“調べるメッセージ”は、
基本的に同行のイッスンが代弁するスタイルを採用しています。
上記のメッセージは当然、英訳されてゲームに組み込まれるのですが、
翻訳スタッフに意図を正確に伝えるためにも、原文もちゃんとイッスン口調で
書かなければなりません。この仕事で、久しぶりにイッスン口調のテキストを
書き起こしてみたんですけど、何だか物凄く懐かしい気分になりました。

以前、雑誌のインタビューで、「『大神』の登場人物の中で、誰が一番好き?」
という質問を受けたことがありますが、その時に答えた「アマテラスとイッスン」という
答えは、今も変わっていません。
イッスン誕生にまつわる話は、以前 このブログでも書きましたし、
イッスンへの思い入れも…確か書いたことがありましたよね?

「大神」制作中は、色々と大変なこともありましたけど、
イッスンのメッセージテキストを制作する時は、いつも心が癒される思いでした。
ゲームは糞真面目に作っていても面白くないのですから、荒唐無稽で夢のある事を
盛り込みたくなるのですが、ゲームの進行上、そんな仕掛けやシナリオと大人の事情を
うまく馴染ませるために、多少無理をする部分がどうしても出てきます。
そういう部分を、イッスンの明け透けな口調で説明してしまうことで
プレーヤーに強引に納得させるのが、僕は楽しくて仕方が無かったんです。

例えばアガタの森の“急流下り”イベント。
あのゲームは制限時間を超えるとミスになりますが、
そこでゲームオーバーにするのではなく、再びリトライ出来るようにしなくてはなりません。
こういう時に、ただ「リトライさせるため」という大人の事情で冒頭に戻すのではなく、
何とかゲームの世界観と馴染ませようと頭を悩ませる事、それが僕にとって、
イッスンのお陰で苦労どころか快感だったのです(イッスンを使ってどう乗り切ったかは、
実際にゲームの中でお試し下さい!)。イッスン関連のシナリオテキストを制作する日の
朝は、「ああ、今日はイッスンの会話を考える日だ…」と、ママチャリのペダルを漕ぐ足も
一層軽やかになったものですね…。

ただ、あまりにもイッスンに思い入れてしまったお陰で、逆に苦労する面もありました。
仕事やプライベートで何かムシャクシャする事があると、モニターに向かってキーボードに
手を置いても、全然イッスンの言葉が出てこないのです。
僕はすぐに感情的になる人間なので、一度火がつくと腸がグツグツと煮え滾って…

「プフフフフ! …じゃねぇよ畜生…」

…と、興奮が冷めるまで何にも手が着かないのです。
まぁこれはイッスン関連のみでなく、シナリオ制作全般に言える事ですけど。
情緒不安定な状態では、他人の気持ちをコントロールするシナリオを制作する事は
どうしても困難になるんですよね…
と、長編シナリオを初めて手掛けた僕が言うのもナンですね。

そのシナリオ面も、イッスン抜きに語る事は出来ません。
「大神」のシナリオ制作では、お話の中に「やさしさ」を漂わせるよう、常に心がけました。
登場する人々は、みんな良い人、優しい人、楽しい人。誰と会話しても、
心がほっこりと温かくなるように、言葉選びには細心の注意を払っています。
そしてそれは、イッスンも同じ。イッスンは、すぐにものをズケズケと言うように思えますが、
その言葉遣いが誰かを傷つけるような事は、絶対にありません。
何と言うか、毒の無い無邪気な可愛さのようなものを表現した…つもりですけど、
上手く伝わっていますでしょうか? ボインボイン言ってますけど…

シナリオの話が出たついでに、以前 お話しかけた、シナリオで描いている
もう一つのテーマについてお話しましょう。…と言っても、ゲームをプレーした方なら
もうお気付きかと思いますが、「大神」の物語の根底に流れているメインテーマ、
それは“覚悟”です。どんな事象に対しても、力強く立ち向かう人々。
その生命力を“覚悟”という形でシナリオの主軸に置き、そこへ肉付けをしていく過程で
“やさしさ”を潜めていったワケですが、この“覚悟”というテーマを「大神」の物語の中で
一番に体現しているのが、他ならぬイッスンなのです。
…というのも、エンディングまでプレーした方にはお分かりかと思いますので、
それ以上触れるのはやめておきましょう。

ともかく、制作した僕にとってはもちろん、プレーした皆さんにとっても、
イッスンはなくてはならない存在(のはず)です。今回のHP新コンテンツの仕事では、
そんなイッスンと久しぶりに会えた気がして、ちょっと心が温かくなったのでした。

この新コンテンツ、イッスンの他にも、色んなキャラが意外な形で登場予定!
最後の最後、怒涛の更新プロジェクトをお楽しみに!


pic202
写真:懐かしついでに、伝説の“正月ミーティング”の一部を公開!
    カジ、ヨッシー、カタカイ君、タケヤス、そして僕。この五人で、
    ワイワイとホワイトボードに書き込みながら、「大神」の基本を
    作っていったのでした。ホワイトボードに書いたものはケータイで
    撮影して残し、それを印刷したものを手元において、次の日また議論…。
    この日々無くして、「大神」は在り得なかったでしょう。