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コメント。

ども。
稲葉です。

このブログ、トラックバックのみを許可しておりましたが、
来週から終了までの間はコメントも開放したいと考えております。
もうすぐ終了するブログではありますが、多数の方々に支えられたからこそ
ここまで続けることができたと思っています。
ブログを持ってない方でも、何か書きたいことがあればこの機会に
書いてみてください。

では、また!

ゲームを取り巻く環境

小島監督直々にメールを頂き、「ボム ブラストスーツ」の在り処のヒントを得るという
荒業(?)で、ようやく先へ進めそうな神谷です(初代「メタルギア」のお話です)。
それにしてもあんな所にあったとは…!そういえば昔のゲームって、
こういうシビアさがありましたっけ。昔は何でもかんでも自力で解いていたのですが
(さすがに「たけしの挑戦状」はムリでした)、最近はヤワになっていたようです。
一丁気合を入れ直して頑張ります!

小島監督といえば、テレビゲーム黎明期の頃からメディアに露出していた、
数少ないゲームデザイナーの一人ですよね。僕がその存在を知ったのは、
高校生の頃。ここで何度もお話している「スナッチャー」をプレーした時です。
当時はゲームを作っている人が表に出ると言うケースがなかったので、
ゲーム少年だった僕にとって本当に憧れの存在でした。
もっと時代を溯れば、ファミリーコンピューターマガジンに掲載された
「宮本茂&遠藤雅伸 ゲームデザイナー対談(…というようなタイトル)」
の記事に胸をときめかせた事もありましたね…。
この頃に良く言われた「ゲームデザイナー」という呼び方は、
今でも記憶に強く残っていて、僕はしっかり名刺の肩書きに使っています。

「TVゲーム」は、今日では非常に発達した娯楽だと言えますが、
映画に比べたらまだまだ歴史が浅いです。娯楽に関連するものには、
それを楽しむ聴衆や、伝える役割を果たす各種メディアがありますが、
ゲームがどんどん大規模になって行く一方で、ゲームを取り巻く環境の方は、
僕がゲーム少年だったあの頃のまま…ゲームの進歩の速度に追い付いて
いないような気がします。「TVゲーム」と「映画」とでは、実際の時間以上の開きが
あるように思えてならないのです。

良く映画の宣伝で、
「大ヒットした▲▲▲の製作スタッフが送る新作!」…的な売り文句を聞きますが、
皆さんはこれをどう思うでしょうか?
まさか「ああ、それなら▲▲▲と同じくらい面白いに違いない!」なんて、
コロッと乗せられたりしていないですよね?

…まぁ、僕は昔、よく乗せられていたんですが。

まったく、うまいこと宣伝するもんです…。
僕の経験では、つまらない映画に限ってそういう胡散臭い宣伝文句を
並び立てていたんですよね。「製作総指揮!」という言葉も怪しい響きがあります。
ポスターに著名な人の名前が躍っているので期待して観てみると、全然面白くない。
ガッカリして映画館を出た後で、監督が別人であることを知る…なんて事も
良くありました。ボロい客です。 調べようと思えば雑誌やインターネットなどの記事、
あるいは評論などで、ある程度の情報は得られるので、色んな大人の事情を
学習した今では、そうした事前の情報収集でハズレの映画に出くわすことは
あまりなくなりましたが。

漫画のように、基本的に一人の才能で成立するものは、
それを楽しむ側には飾り文句が通用しにくいかも知れません。
「大ヒットした○○の作家が送る新作漫画!」なんてワザワザ言われなくても、
その作家一人の実績で全てを判断出来ますからね。…でも実際読んで見たら、
絵は上手いけど前の漫画より全然面白くない! …という事も多々あります。
その作家自身の失敗もあるでしょうけど、原作者、あるいは担当編集者の違いから、
品質にバラつきが生じる事も無いとは言えないでしょう。
…そうなると、作者(漫画家)が同じなら安心、という事もなくなってきますね。
う~ん、何を信じてよいのやら。
…と言うか、僕自身も書いていて良く分からなくなって来ました。

いずれにしても、とにかく色んな情報を知ること!これが娯楽を楽しむ時に失敗しない、
あるいはより大きな楽しみを得る、最良の方法ではないでしょうか。

…と、強引にまとめたところで、ゲームの方に話を戻しましょう。
ゲームの紹介記事でも、映画のようにディレクター、プロデューサーというような言葉が
良く出てきますが、「プロデューサーってなに?」「ディレクターってなに?」
「それぞれ、普段どんな風にゲーム作りに関わってる人なの?」などの肝心の情報は、
皆さんに上手く伝わってるでしょうか?

内容紹介、あるいは批評をしている記事は良く目にしますが、
その向こう側にある情報を大切にしている記事を、僕はほとんど読んだ事が
ありません。僕たちはゲームを作ることが本分なので、躍起になって前面に出て
主張したりする必要はなく、ただ皆さんが「知りたい」と言う情報を、
その都度お教えするというスタンスでいいと思うのですが
(好き嫌いで言えば、こういうブログは僕は好きです)、その「知りたい」という声を
集め、それに応えるために情報を届けるという役割の部分が、映画ほど上手く
働いていないように思うのです。例えば、情報伝達の役割を担う人が、
そもそもディレクターとプロデューサーの違いさえ分かっていないのだとしたら…
ゲームを提供する側と、それを楽しむ側の立場は、イーブンだとは言えないですよね。
メーカーの言いたい放題というか、ポスターの宣伝文句だけで、受け手側は
その映画の良し悪しを
判断しなければならない状況と言うか…。
ゲームを取り巻く環境がそんな状態なのだとしたら、
ゲームを提供する立場としては、ちょっと寂しさを感じてしまいます。

誰が作ったのかも分からない映画を、配給会社だけで判断するような冒険は、
僕には出来ません。例えそれが、見知った作品の続編だったとしても、
品質が前作と変わらないという保証はどこにもないわけですから。
だから「情報」には、娯楽の楽しさに直結する、大きな役割があるのです。
そして娯楽の楽しみ方には、作り手にも、伝え手にも、受け手にも、
みな平等に責任があるのです!

…と言いつつ、趣味が「CD収集」という僕は、CDショップに行くたびに
大量のCDをジャケ買いし、9割近くのCDがハズレで棚にしまいっ放しに
なるどころか、開封されないまま山と詰まれるCDもあったりするワケですが…。
自業自得の典型的な例です。それはそれで満足してるからいいんですけどね。

スイマセン、今回のテーマは、僕の文章力で立ち向かうにはちょっとデカ過ぎて、
イマイチ伝えたいことを上手くまとめる事が出来ませんでした…。それではまた次回!

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写真①:前回お伝えした、市民タイムスの記事!
     (「平成18年7月5日付 市民タイムスより」)。
     故郷の実家には、僕の保育園の先生から、30年ぶりにお手紙が届くなど、
     嬉しい反響も。
     お送りした「大神」サンプル版は、市民タイムス編集局のみなさんにお楽しみ
     頂いているようで、大変嬉しく思います。ご返却頂かなくて結構ですから、
     どうか末永く松本のためにお役立て下さい!

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写真②:長野県で無料配布されている「日和(ひより)」という情報誌にも「大神」の
      情報が載りました! 「大神」は徐々に信州に浸透しつつあるのでしょうか?
      この調子で「アマテラスくん」が松本公式マスコットキャラクターに
      なったりして…。
      送って下さったモリフクロウさん、ありがとうございました。

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写真③:昔、僕はあるインタビューで「GBミクロが欲しい」とコメントしたことがあるの
     ですが…それを読んだファンの方がわざわざ限定版を送って下さいました。
     「大神」と発売日が一緒の「MOTHER3」版というところが意味深ですが(笑)、
     本当にもらっちゃっていいんですか? 持ってなかったんでメチャクチャうれし
     いです。しゃおたおさん、ありがとう! さあ、音楽再生ソフト買おうかな~。

始まりがあれば。

ども。
稲葉です。

何事も始まりがあれば終わりもあるものでして。

この『大神blog』ですが…
 7月末日をもって一旦終了したいと思います。


先月くらいに神谷と
『いつまでやろうか?』
と相談していたのですが…
まあこのくらいまでだろう、とお互いに意見が一致したのでした。
というわけで、今日の分を除けばラスト15回です!

去年の10月7日に『大神』公式サイトオープンに合わせて
スタートしたこのブログも、まるまる9ヶ月間に渡って書き続けてきました。
ホント良く続いたもんです。
最初のうちは
『アクセス数あがらねーなー』
『ランキングあがらねーかーなー』
などといったグチを神谷とこぼしたりしてましたが、
テレビCMが始まった頃からアクセス数が急激に増加。
アメーバ内のランキングも急上昇してきて
『毎日注目されてる』
というのを肌で感じてしまいました。
こうなるとヘタに手を抜くこともできず、忙しい仕事の最中に
毎日のブログ更新に悩み続けるというプレッシャー×プレッシャーに
苦しむことになったのです。
とはいえ、自分で言い出したことですから…
手を抜いたり途中で止めたりするわけにはいきません。
神谷と交互に書き続けに書き続け、気づいてみれば200回目前です。
同じ事をまたやろうなどとは思えないほど大変でしたが、
ネタを出し切ってカラカラになった自分を絞ったときに
奥底からまだ『しずく』が数滴出てくるんですよね。
そんな部分を『まだ出るか~』みたいに自分で楽しんでたフシもあります。

終了後にいきなりブログを消すわけではなく、ちょこちょこと不定期に更新を
行おうとは考えていますが、詳しくはまだ未定です。

残りあと15回。僕の担当分はあと9回です。
さて、何滴のしずくが出てきますかねぇ。

では、また!

角川グループ広告大賞。

ども。
稲葉です。

今日は『HIDECHAN!Radio.』 ゲスト出演の最終回です。
長きにわたるゲスト出演も今回で最後となりましたが、よく四回も放送してくれたもんです。
小島プロダクション 太っ腹!!
相当に空気もこなれてきたせいでお互いに本音丸出しのトークになってきつつあり、
第三回 はピー音ラッシュになってしまいましたが…最終回はどうなるんでしょうか?
しかし、第三回 で小島監督に素で
『稲葉さんB型でしょ?』
って聞かれてるのは…(笑)(コチラ を参照

さて。
昨日は東京にて『角川グループ広告大賞2006』授賞式に参加していました。
角川グループが発行する雑誌に出稿された広告の中で、読者の評判が高かった
広告に対して大賞・金賞・銀賞・銅賞が授与されるというこのイベントで
『大神』の広告が2部門で受賞したのです。嬉しいことです!
(メディアワークス部門で金賞・エンターブレイン部門で銅賞)
このようなイベントに参加する機会もあまり無いというのもありますが、
自分のプロデュースワークがなにがしかの評価を受けるというのは嬉しいもんです。

盾を受け取りに二回登壇したのですが、僕の出で立ちは群を抜いてラフでした。
まわりの方々は、みなスーツ。
右を見ても左を見てもスーツ、スーツ、スーツ。
まあ、かなりちゃんとしたイベントなので当たり前なのですが、
その中にブラウンのストライプパンツ&黒のポロシャツ姿の僕は
かなり浮いていたと思います。
居心地の悪さはあまり感じなかったのですが、今度もし受賞したら
スーツで来よう、と心に誓ったのでした(笑)
受賞者全員の記念撮影では、どセンターに位置して堂々と写っております。
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雑誌広告を作るときには毎回悩みます。
インパクトだけを取ると商品の良さを伝えるのが難しくなるし、
グダグダ説明しても読み飛ばされるし。
今回の広告は、木村圭吾先生の絵力を多分にお借りしたおかげで
季節感ピッタリの華やかなビジュアルを作り上げることができました。
ゲームの主題である『ネイチャー』という要素も訴えることが出来たと
思っています。
宣伝する行為って、理屈じゃないんですよね。
いくら立派な理論が裏にあっても、出来上がったモノがショボかったらそれでオシマイ。
毎回毎回胃の痛む作業ですねー。
今回の賞を励みにまた頑張ります。

では、また来週!

市民タイムス、再び。

こんにちは。「ボム ブラストスーツ」が見つからなくてウィンドバリアを突破できず、
四苦八苦している神谷です(初代「メタルギア」の話です)。
やっぱりマッピングしながら遊ばないとダメですかね…マッピングなんて大学時代
にプレーしたGB版「メトロイド2」以来なんですけど…頑張ります。
でも、そういうチマチマした作業って没頭すると楽しいんですよね。

昨日の『HIDECHAN!Radio.』 (僕とイナバ出演の第三回目)、
自分で言うのも何ですが、面白いですね~。ずいぶん「ピー」が入っちゃって
ますけど(笑)。僕がラジオ出演で緊張していたのは、あの小島秀夫に
「コイツしょーもない奴や」と嫌われたらどうしよう、と過剰に心配していたから
なのですが、つい怒られてもおかしくない無礼な暴言を吐いてしまいました…。
以前にも書いたかも知れませんが、僕は映画にしろ本にしろ、作者の個性が
色濃く現れているものが大好きです。「これはこの人にしか作れないわ…」と
思える素晴らしい作品に触れた時が、とても幸せなのです。
僕がユーザーの頃から小島監督に注目してきたのは、そんな理由からなん
ですが…自分も物づくりをする立場になった今では、同業者のそういう作品が
悔しくて仕方がないんですよね。「面白い事考えるなぁ」と言うか、
「俺より目立ちやがって」と言うか…
そんな本音がポロッと出ちゃいました。それから今回のラジオでは、
小島さんが「常にユーザーの反応を気に掛けながらゲーム作りをしている」
という旨をおっしゃっていますが、これに僕はとても共感し、また小島ファンの
一人として安心しました。僕に感動を与えてくれた「スナッチャー」は、
こういう物づくりの考え方に支えられていたからこそ生まれたんだな…と思うと、
この作品に出会えた事が本当に幸せでなりません。
…ともかく、こういう人が業界にいてくれることは、同じゲーム作りを生業にする
人間として、非常に心強く感じます。

さて話は変わりますが、昨日、故郷の松本市に住む両親から、嬉しい知らせが
ありました。地元の日刊地域紙「市民タイムス」に、再び僕と『大神』の記事が
掲載されたのです!! 前回掲載された時の様子、および「市民タイムス」への
思い入れはこちらこちら の回を参照頂くとして、まさか再び、しかもあんなに
大きなスペースで紹介頂けるとは思ってもいませんでした。
早速母親は販売店に保存用・配布用を買いに走り、実家には知人から電話も
かかってきているようです。この調子だと、地元で同窓会を開いた暁には、
僕の大人気は間違いなしでしょう!…35歳オーバーのおばさん達に(失礼)。

真面目な話をすると、こうして記事にして頂くことには個人的な喜びもあるのですが、
それ以上に、一人でも多くの人に…それも故郷松本の人たちに「大神」を
知ってもらえる機会が出来たことが嬉しくてたまりません。
『大神』をプレーして下さった方から頂いたメッセージには、「日本の美しさに
気付かされた」「自分の国への誇りを持つことが出来た」という内容のものが
多く見られました。そういう気持ちを忘れてしまっている人たちは今の日本に
たくさんいるでしょうし、身近な自分の故郷の良ささえ忘れてしまっている人も
いるはずです。斯く言う僕も、松本を離れて暮らすまでは、今の自分の心が
如何に故郷での原体験に支えられているかが分かりませんでした。

大阪に就職してしまった今、故郷に再び帰ることが容易でないと考えると、
胸が締め付けられる思いがします。そんな僕の故郷を思う気持ちは、
『大神』を作る上での大きな原動力となりました。『大神』を未プレーの方、
どうかほんの少しでもいいですからコントローラーを手に取り、『大神』の
世界を覗いて見てください。きっと、忘れていた何かを思い出すはずです。
そして既に『大神』をプレーしたみなさん、もしもプレーを通じて何か心に
巡る想いがあったならば、これからもそれを大切にして下さいね。

…そう言えば、そろそろ松本市最大の夏祭り「松本ぼんぼん」がやって来る頃ですね。
今年は用事があって帰れないので、誰か僕の代わりに行ってくれませんか?
我が故郷 神州…イヤ、信州は本当に良い所ですよ!