「ゴールデン・カップス、
ダイナマイツなどとならんで、
日本のみならず
海外のマニアの間でも
評価が高いモップスの
ファーストアルバム(68年4月発売)。
メンバーは鈴木ヒロミツ(Vo)、
星勝(G,Vo)、
三幸太郎(G)、
村上薫(B)、
スズキ・ミキハル(Dr)。
デビューシングルで、
阿久悠の、
本格的作詞家デビュー作となった
デビューシングル「朝まで待てない」
(67年11月発売)をはじめ、
カップリングの「ブラインド・バード」や、
セカンドシングル「ベラよ急げ」
(68年3月発売)などのオリジナル曲のほか、
鈴木ヒロミツお得意の
アニマルズのナンバーなどを
ちりばめた10曲が、
余分な装飾のない、
当時としては奇跡的に
切れのいい演奏で収録されている。
なお、CD化の際、
アルバム未収録の
当時のシングル4曲を
加えているのはよいのだが、
歌詞の一部に過剰に反応した結果と思われるが、
「ブラインド・バード」を削除している愚行が
大いに不満。(★★★★)(2007.10.3記)
モップスは、
このアルバムタイトル、
およびジャケットからも
うかがえるように、
当時流行していた「サイケ」性を
前面に出すことで、
あまたのGSたちと差別化をはかって
デビューしました。
ただ、GSをアイドル化して売ろうとする
当時のレコード会社と意見が合わずに、
レコードをリリースすることができず、
ライヴ中心の活動を続けることになります。
そして、GSブーム終焉の70年に、
ようやくレコード会社を移籍しますが、
ここから勢いに乗り、
次々と解散していく多くのGSを尻目に、
ニューロックのバンドとしての活動や、
多くのアーティストとの交流などを行い、
その結果、吉田拓郎さんの作品、
「たどりついたらいつも雨ふり」
(72年7月発売)を
大ヒットさせました。
74年の解散は、
メンバーそれぞれの方向性が
違ってきたからかもしれませんが、
ほんとうに惜しかったと思います。
*過去記事