先日ネットで「ブックオフコーポレーション」の赤字のニュースが流れました。
赤字は2年連続で、今回は経営体制刷新のため社長の交代も発表されました。
昨年もこの時期にブックオフの赤字転落のニュースが流れ、
会社説明会などで質問されましたが、
まず誤解のないように申し上げますが、
「ブックオフとハードオフは、全く別の会社です。」
ブックオフとハードオフの関係については、このブログやマイナビの
企業マイページ等で紹介しておりますが、
創業当時は、互いの創業者の個人的な親交から、
多少の提携もあったようですが、
ブックオフの創業者である坂本氏がブックオフの経営から離れて、
ブックオフがハードオフと同じようなものを取り扱い始めたことから、
袂を分かち、完全に別の会社となっております。
お陰様でハードオフコーポレーション及び当社も含めたFC企業につきましては健全な黒字経営を続けており、店舗数も着実に伸びております。
リユース業界は、他の小売業が厳しい状況の中、順調に成長して来ましたので、リユース業界を代表する企業である「ブックオフ」の不振は、その存在が身近なだけに格好のニュースです。
ブックオフの不振の原因については、ニュースでも様々伝わっておりますので敢えて書きませんが、
当社の店舗の近隣のブックオフ店舗を、個人的にも利用することがありますので、その通りかなと思っております。
他のリユース企業では、GEO傘下のセカンドストリートが、衣料品中心の「ジャンブルストア」をほとんど「セカンドストリート」に名称を変更しました。
この点から考えられるのは、少なくも書籍、衣料についてはリユース業界も成熟期に入り、オーバーストアとなっている、ということです。
又、ネットの普及により「メルカリ」「ヤフオク」などのオークションサイトが出品・購入ともに簡便となり、リユース品流通で大きな役割を果たしていることが大きな原因でもあります。
この潮流は、今後すべてのリユース品取扱業および小売業全体に、更に大きな影響を与えていき、早晩リユース業全体が成熟期に入ると思われます。
この厳しい未来に向かって、今何をすべきか、と考えますと
2つの方向性が見えてくると思います。
まず成熟期の小売業の鉄板ルール
「地域一番店が生き残る」です。
リユースは地域のお客様の固着度が高い小売業だと思います。
ですので、オーバーストアになればなるほど「地域一番店」の強みが活かされるはずです。
細かくカテゴリー分けされた専門リユースショップが有効という見方もありますが、大きな視点では「地域一番店」の知名度、品揃え、サービスを提供できる店舗が最終的には生き残ることは今までの小売業の流れを見ても明らかです。
当社は、埼玉県内では現在一番店企業であると自負しております。
この一番店であることを今後も維持し、さらに向上させていく努力を怠らないことが、大宮電化の絶対的戦略であるはずです。
もう一点が「更なるネット戦略」です。
先ほどのメルカリ・ヤフオクだけでなくネット上には既に多くのリユース品の情報が流れており、今後はさらに猛烈な勢いで増えていくはずです。
ハードオフグループでも「ネットモール」でリユース品のネット販売を進めており、当社も成果をあげつつあります。
又、今年は会社の重点施策として「ネット推進」を掲げており、その具体策も着々と進めています。
ただ、これからは私の個人的な意見ですが、システムを整備し、掲載商品数を伸ばすだけでは不十分だと思います。
私自身がネットショップを運営していた経験から愚考するのに、
価格と品揃えは前提条件で、さらに重要なのはネット上で、お客様との親密度をどこまで築き上げていけるか、だと思います。
必ずしも型番商品ばかりでないリユース品は、お店に対する信頼度、親密度がネット上でも重要だと考えるのです。
お客様は、お店の発信する様々な情報を総合して、信頼できる店、もっと言えば「好きな店」で買いたいと思うのです。
「好きな店」になるには、価格が安い、送料が安いなどの要素では無く、この店で買いたいと思っていただける要素を高める必要があります。
具体的には、ブログやSNS、お客様のお買物レヴュー、リアルとの連携イベントなど様々考えられます。
おそらく現場では、そんなの面倒くさいと言われるはずです。
そうです、面倒くさいから他の店がやらないのです。
面倒くさいこと、泥臭いことを積み上げるから、ようやく達成できることなのです。
自分自身の経験から言えば、ネット担当者だけが動いている内はダメでしょう。
店舗全体が、面倒くさいことをみんなで取り組むようになって、ようやくスタートというところです。
ネットの効果は、ネット上の販売買取だけでなく、来店動機のアップや
店舗とお客様を含めた情報ネットワークなど数字に表れにくいものも期待できます。
私自身の経験からすると、ネットでの販売数字が浮上するには、当初多くのマンパワーと相当の日数が必要だと想像します。
無駄と思えることを、どれだけ愚直に続けられるか、がポイントです。
私自身が関わっている採用情報も含め、とにかく愚直に進めてまいります。
ブックオフのニュースから、いろいろ書きましたが
個人的にはブックオフは大好きな店です。
ヤフーの書き込みのコメントを読むと、同感するより
そこまで言うかな、という悲しくなるものもあります。
逆に私共のハードオフグループも、他山の石として
肝に銘じておきたいと思います。