Perfect days をスウェーデンで観て。ネタバレ注意 | I can be who I am - ありのままの自分に戻る -

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スウェーデンに留学しています。

こんにちは、yukです。


スウェーデン人のクラスメイトに、Perfectdaysっていう日本の映画が面白そうだよ、と教えてもらい、観に行ってきました。


こちらに来てから邦画が上映されていると聞くのは2回目。

1回目は、ジブリの、君たちはどう生きるかでした。

こちらは日本で先に観てきていたのでスキップ。


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映画の感想の前に、スウェーデンではどうやって映画を見るか?


まずFilmstadenというチケットサイトで、映画館を選択してチケットを取ります。

そして時間になったら映画館へ行きます。

日本とほぼ同じですね。


https://www.filmstaden.se/


ただ、先週からこのサイトがシステム障害で使えないらしく、映画館で直接チケットを買うアナログな仕組みになっていました・・

しかも映画館でもシステム障害の影響でクレジットカードが使えず、PayPayのような、Swishというスウェーデン独自のペイメントアプリしか使えませんでした・・


たまたま、日本語勉強中のスウェーデン人と一緒に観ることになったので、その友人がSwishでチケットを買ってくれて助かりました。


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ここからは映画の感想です。


まず、全体的にエモい。

あ〜〜〜東京だ〜〜〜ってなって、景色を見るだけで少し泣きそうになりました。

(これは私がスウェーデンにいるからかもしれません)


そして、自分が日本で生きていた人生とすごく、すごーーーく重なりました。


仕事中心で生きていて、読書と音楽とたまの外食が楽しみ。

古い集合住宅でミニマルに暮らしていて、家の中は清潔で整っている。


定期的にじゃれ合うような友達はいないが、その分博愛主義で、一期一会的な人にも惜しみなく愛を注ぐ、ピーポープリーザーといえる。

自分の機嫌は自分で取っていて、礼儀正しく誰にも迷惑をかけないように生きている。

仕事では十二分に責務を果たす。


周りの人間関係は、お店で世間話をするのが中心。


全く自己中なところはなく、人に譲る、譲る、譲る・・譲りまくって好きな人にも大胆に行けず、独り?


そして家族と確執あり。


え、私の生活、見てたんですか?

と思うくらい私にそっくりでした。


それと同時に、どこがパーフェクトなの???とも思いました。


家族も仕事も家も車も、

何も持ってないじゃん、て。


あるのは自分の体と、ただその日暮らし的に生きているだけ。

取り壊されても誰も覚えてない古い建物みたいに、誰にも記憶されず、死に向かって淡々と生きていく。


日本でこういう人って増えてるんですかね?



そして、清貧という言葉が浮かびました。

大学生の時誰かに聞いたけど、清貧っていう言葉は海外には無いらしい。

そして徳川幕府だか誰かが、国民をちょっと貧しい状態にしておくと管理しやすいっていうので、贅沢しないことを流行らせたっていうのも聞いたことがある。


最終的に私は欲を出して日本を出ました。

私はもっと愛されて報われて活躍して輝いてもいいんじゃないかなって思ったから。

(出来るかどうかはわからないけど、せめてトライさせて欲しい)


モノはそんなに要らないけど、もう少し近い距離で触れ合える友人とか恋人とか、出来れば家族とか欲しいなって思ったから。



で、映画の最後、主人公泣いてるじゃん、と。

やっぱりこの生活がパーフェクトだなんて思ってないんじゃん、と。(諸説あると思いますが、私はそう解釈しました。)


足るを知るとか清貧とか、日本的な美学だと思うけど、スウェーデンに来て、やりたいことはできるだけやった方が良いし欲しいものは可能な範囲で手に入れたほうがやっぱ満たされるなって思った。


周りの、年齢性別国籍とか関係なくどんどんチャレンジして自己実現してる人を見て余計にそう思った。




日本に一時帰国した時に話した多くの人は、


「ほんとは◯◯がしたいんだよね」って話をしてくれた。


え、すればいいじゃん!一緒に方法考えようよ!っていう、スウェーデンのクラスメイトが言ってくれそうな言葉が喉元まで出かかったけど言わなかった。



で、感想として結局何が言いたいかというと。

自分に重なりすぎて、映画として良いのかどうなのかわからない、が正直なところです。


例えば日本に住んでいて家族も家も車もある私の友達がこれを見ても、同じようにエモいのか?

謎です。


ですがスウェーデンで日本人がほとんどいない、でもほぼ満席のシアターでこの映画を見たのは、とてもユニークで貴重な経験になりました。


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ちなみに、

外国人とはやっぱり笑いのツボが違うな〜と思ったシーン。


まず、主人公が、ランチ時によく隣り合わせるOLに会釈した時、OLが怪訝な顔をしたシーン。

会場はどっ。と笑いが。


私としては、日本で知らないトイレ清掃員のおじさんと、たとえ何回鉢合わせても、急に会釈されたら、コワッとかキモッと反射的に思ってしまうと思うので、OLの反応に共感すらすれど、笑うとこではない・・・


でも一緒に行ったスウェーデン人からすると、あんなに丁寧に会釈してるのに何で変な顔するの〜と笑ってました。

スウェーデン人は他人に優しいですからね、、電車で知らない人と喋る人もよく見るし、、



そして、主人公が大切にしているカセットを後輩に売られそうになって、無言で手を出してうなづいて、返して。という意思表示をしたシーン。

会場、爆笑。


私からするとあれは結構真剣に、返して、っていう意志表示だったと思うので、笑うとこじゃないでしょ〜と思いました。

沈黙とか無言の受け取り方がきっと違うんだろうな〜と思いました。



他にも、え、そこ笑うとこ?と思うとこで笑いが起きていました。。。



あと、映画を見終わったあとに、一緒に観たスウェーデン人に、


この映画ってぶっちゃけ細かいニュアンスを楽しむ、日本人向けの映画だと思うんだけど、あんなに多くのスウェーデン人が観に来てたからびっくりした。と言ったら、


細かいニュアンスは分からないけど、大筋のストーリーは楽しめる。

と言っていて、なんというか、やっぱ感覚違うな〜と思ったのでした。



日本に本格帰国したらまた観て、感じ方の違いを見てみたいなと思った映画でした。