経理部門の役割認識を変えろ
経理部門は「情報創造業」である
『情報は「危険物」!!!!』
その扱いを誤ってはいけない
by入道
イラストはYahooイラスト無料より
私はもう40年近く、『経理業務』は『情報創造業』
なんだ、と言うことをよく口にしている。
そして私自身、経理部門は『情報創造業、付加価
値情報創造業』であることを強く認識してやってき
た。
加えて『どのような業務もその業務単独で完結す
るものではなく、必ず「仕入」と「生産物」がある』、
「お客さまが必ず存在している」と思っている。
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では、経理部門にとっての仕入れと生産物は何
なのか。
それは両方ともに『情報』なのである。
例えば一枚一枚の経理伝票の形で『情報』が経
理部門に集まり、そこで分類・整理・集計されて、
試算表となり財務諸表と言う情報に形を変える。
しかしながら、、ここまでは言ってみれば第一次
産業の世界である。
この仕事を行うにしても、以前はきちんとした「簿
記の知識と計算技術」が必要だった。
他から見れば専門的な仕事であった訳である。
しかし、電卓とコンピュータの発達によって経理
マンの「仕訳(勘定科目設定)」のミスはコンピュ
ータがチェックし、集計も私たちの数千倍・数万
倍・・のスピードと正確さで実行してくれる。
その結果、
『経理マンの経理技術不必要時代」が実は、
かなり以前から到来している、のである。
そうして、自分で『仕訳』はできないのに、システ
ムや伝票の到着遅れ等にできない理由を見つけ
出し「言い訳」達者な「自称経理マン」(経理と言
う組織にいるだけのヒト)が多くなってしまった。
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加えまずいことにマネジャーもそれに気づかなく
なりつつあることである。
時代とコンピューターをはじめとする技術の進歩
によって仕事を、私たちの既存の職務分野をど
んどん侵略されていることに『強烈なる危機感』
を持つべきと私ははるか昔から考えているので
あるが如何であろうか。
『きちんとした自己認識と危機感』を持つことに
よってこそ、次の進むべき方向と必要な知識・
技術が明らかになり、勉強速度も加速化される
はず、である。
『他人ごとと考えている限り、絶対に進歩は在り
えない』。徹底的に自分自身と問答をして欲しい。
そのテーマはひとつ。『おい、これでいいのか』
だけでいい。
これだけを毎日毎日、繰り返し実行し、必ず毎日
ひとつ「新しいさ」を付け加えていけば、急激に
個人も組織も変化していくことができる。
また、『情報』はすぐに「情報処理」と言う言葉に
つながるように、「処理イメージ」が大変に強い
言葉であるが、これは大変な「誤り」であると私は
思う。
私は『情報は危険物』との意識を常に持ってい
る。
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石油とか化学薬品とか、あるいは劇薬、と同じであ
る。
「危険物」と認識するだけで「処理」の言葉には繋
がらなくなる。つながる言葉は『取扱』である。
一般の危険物と同じように、一つ一つの「情報」の
特性をきちんと見極め、その特性にあった『保管・
蓄積』をし、『使い方』をすることによって、はじめて
『情報のもつ価値』を活かすことができる。
逆に、その保管・蓄積の仕方を誤れば、役に立た
ないだけでなく、とてつもなく大きなマイナス(=害)
を与えてしまうことを肝に銘じておきたい。
『情報取扱業』である経理部門の次のステップは、
『情報加工業・情報付加価値創造業』であ
る。
仕入れた情報にいかに付加価値をつけるか・・・。
例えば数字のもつ意味を解釈する数字の「翻訳」
や「表示」の能力、ディスプレイとかプレゼンテー
ション能力など、たくさんの異なる能力が、今こそ
経理マンに必要であることに早く気づいて欲しい。
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そして『情報処理』から『情報取扱』への自己転
換ができて、それではじめて『情報創造』のスタ
ートに立つことができるのである。
経営がとてつもなく大きな金額を支払ってでも
欲しい『情報』を提供し続けていくことである。
それでなければ企業の中に経理部門組織を置
いておく意味がない、私はそう想う。
数字集計、形式的なとりまとめ(処理)だけなら
外部にアウトソーシングしてしまった方がいい、
と正直に想う。
経理業務に携わる人たちの業務対象を『情報』
とすれば数字だけが情報ではないし、また数字を
含めた情報を「危険物」と認識すれば、その保管
・蓄積についても自然にきちんとしたアクションに
なっていくはず、なのである。
経理部門として書いてきているが
「経営者」「経営」でも全く同じである。
数字を数字としてしかみる、のではなくその数字
のもつ『意味』を感じること、なのである。
そんなやりとりを
経営⇔経理部門で繰り返す、日常化することで
会社自体が「前に向って変わっていく」。これは
私の経験からして間違いない、そういえる。
数字を含めた情報の『意味を把握する』ことで
ある。
形式情報から意味情報へ
中途半端な「わかったつもり」は絶対にやめて
欲しい。そんな気持ちで『第一級危険物」である
『情報』を正しく取り扱えるはずは在りえない
のだから。
今回も最終行にまでお目を進めていただきまして
ありがとうございます。
経理部門が取り扱うのは「数字」でなく
「その数字を形づくっている『意味情報』」と
考えるようになってから
すごく経理の仕事が楽しくなりました。
数字の持つ意味、どうしてその数字になっているのか
ここまで把握しないと
その数字を『取り扱う』ことはできません。
必然的に
活動範囲、必要とするものの見方が
どんどんと拡がっていき
その拡大と比例的に
仕事の面白さもどでかいものに・・・。
次回は今回と同じことを
今少しわかり易くまとめたものが出てきましたので
それを書き込みたいと思います。
ありがとうございます。
にんげん・しあわせ・ゆめ・こころ 入道(入村 道夫)



