脳祭り1 | カッサーノのニューロリハ〜脳卒中リハビリを考える〜

カッサーノのニューロリハ〜脳卒中リハビリを考える〜

特に回復期〜維持期にかけ、脳卒中リハビリを本気で考えていきます。私の目的は【脳卒中の方が障害をもった中でも、地域でいきいきと生活する】そのために機能改善〜生活、予防まで考えていきたいと思います。いろいろな方と情報交換ができたと思います。

お久しぶりです!!カッサーノです。



長らくご無沙汰してましたが、今日から再開したいと思います




毎日200名以上の方がブログに立ち寄られ、何も更新していないのがとても申し訳ないです(-_-)zzz






さて、自分も臨床3年目に入り、脳科学を臨床にというテーマでやってきましたが、ブログを通じて、勉強会を通じ

て、本当にこの3年間、すばらしい先生方と巡り合い、成長させて頂いてます。





そして9月には奇跡のようなコラボで「脳祭り」という勉強会の講師をさせて頂くことになりました。






・・・100名の前で(笑)






こんな口下手で臨床能力も高くない自分の話を聞いて下さる方がいること



言い訳はしません、全力でやらせて頂きます!!






と、毎日びびりながら目の前の患者さんとリハビリしているこの頃です







なので、脳祭りで自分が言いたいこと、整理するために今後書いていこうかなと思った次第です













結局、脳を勉強したって、なっかなか臨床に生きないですよね!?




僕は全然生かし方がわからなかったです





やはり脳科学を臨床応用するときに、一筋縄ではいかないですよね





文献的にイメージをすればいいって言うけど・・・させてもいまいち効果あるのか分からんし



異種感覚統合ってどういうこと?扁桃体の機能や側坐核の機能や役割はなんとなくわかるけど、どう生かすの?被殻出血で、機能解剖的には大脳基底核-網様体脊髄路や基底核-皮質の神経回路が働いていないかもしれないが、実際の臨床でどんな症状を示すの?ミラーニューロンっていうけど、どう生かすの?ただ模倣させればいいの?何とか脊髄路とかいうけど、働いているかなんて全くわからんし





などなど脳科学を臨床応用するときに、どうやっていけばいいかわからないことが多々あるかと思います

だから、勉強しても結局臨床は変わらない。だから忘れる…

なんて経験を僕自身してきました(笑)




なんで、きっとみなさんも似たような経験をされたことがあるのではないかと思います








僕の考えですが





神経科学(脳科学)を勉強しても、特別な治療ができるわけではないです




もちろん神経科学の視点がないとできない治療もありますが





神経科学を通じて、当たり前のことをとても大切にするようになりました





そして脳をシステムとしてみることで、必ず臨床に生かせるようになります











「リーチしてコップをつかむ」にしても



対象物に頭部-視線の注意を向けて


後頭葉からの形態認知と空間認知の経路があり、


頭頂葉で体性感覚と視覚のマッチングがあり、


それらを前頭葉に送り、


モチベーション(情動)や道徳的にやるべきか、そして過去の記憶とも照らし合わせ


ワーキングメモリ内で「えーどうしようか」と内言語を使って


そして高次運動野と小脳-基底核の調節系と連携し、運動の予測を立て


それで前頭前野がgoと言えば、やっとM1から脊髄を経由して筋肉に伝わり、僕らの見える反応となる


そしてその随意運動中は、中枢部の姿勢の保障も行う


予測したものと結果が一致しているか比較照合も行う









ふー目の前のコップをつかむという単純な行為でもさまざまな脳領域を使います。

さらに細かくして、頭頂葉のAIPという所がpreshapingをするなどといったらきりがありません。

もちろんこんな単純な動きはすでに学習しているので最小限の働きで済むようプログラミングされているかと思いますが








ただこうしてみると、運動はこれらどこを障害されても起こります






逆に言えば、上記の要素が運動に影響を与えるということです






患者さんを見るときも、運動をシステムからみることで





生かせる所はないか?と障害されているところを機能改善させるにはどういった戦略を立てればいいかということが分かってきます









例えば


被殻出血で片麻痺と感覚障害あったとして、その人の麻痺側の荷重の学習を考えたときに




荷重も運動ですよね



感覚障害があって上手く支え方がわからなくても


選択的注意や予測機構が、支える足を知ることに役立つ



または非麻痺側の運動感覚をつかってイメージさせることもできる



体性感覚が悪くても、視覚・言語で助ければいい支え方ができるかもしれない



他にもモチベーションが高ければ、自主練習することで回数をたくさんこなすことで、荷重がわかるかもしれない



恐怖心が強いなら、taskレベルを下げたり、上肢の支えの中でやったり、やさしい言葉がけをしたり、安心できるハンドリングをしたり


集中できないなら環境調節をすることも大切ですし








こんな風に麻痺や感覚障害があり、麻痺側に荷重の学習において



選択的注意(前頭葉)や予測(イメージ)、他の感覚モダリティーの使用、モチベーションや恐怖などの皮質下機

能、非麻痺側の感じ(対側半球の活用)、task・環境設定などたくさんの要素が役立つと思います






高次機能障害も同じです。





脳をシステムとしてみることで、学習していくためにはどんな風に戦略を立てるべきか考えることができます















・・・んー書いてみて、こんなことを書こうとイメージしてなかったですが(笑)





ただ臨床に生かしていくためには、自分の中での解釈が必ず必要になります。



感覚と知覚の違いってなに?イメージってなに?身体図式ってどう評価すんの?頭頂葉や基底核、小脳の役割ってなに?運動学習ってなに?USN+プッシャーってなに?正中軸ってどうしたらできる?

そもそも脳ってなに?





なんて脳だけでなく、知識を臨床応用していくためには、自分の中での解釈が必要になります





それは患者さんを通して考えることで初めて、知識が臨床応用されていきます








長くなりましたが、脳祭りでは結局臨床ではどう生かすんねん?が聞きたいところだと思います。


自分の悩んだ所でもありますし、臨床から神経科学の視点を使って臨床推論を行いたいと思います。


こんな感じの生かし方もあるよという一端をお伝えできればと思います。