観終わった後、みずみずしいみかんが食べたくなりました。
今回はネタバレ全開なので、観ようと思っている人は、観てから読んでいただけると嬉しいです。
予告編で、妻が亡くなる話なのだろうな、という想像はできていましたが
イスラム教国家のモロッコ人であるのに、そして愛する妻ミアがいるのに、
夫ハリムの性的指向がそちらだとは…驚きました。
そして、ハマムの個室がそんなことに使われているとは…(以下略)
状況が見えてくると、ミアが病床でも祈り続けているのに
ハリムが礼拝をしている様子がないことなども、なんとなく理解できる、自然な展開。
そして、あんなに美しい青年(たぶん好みのタイプ)が弟子として現れたら
ハリムは冷静ではいられないでしょう。
その心の動きまでがこちらに伝わってくる演技とカメラワークが素晴らしかったです。
刺繍と手の動きの細やかさがよく分かる作業中のシーンや
心の震えがうかがえる三人の目線など、
とにかく繊細さが際立つ作品で、とても私好み。
なんと言っても刺繍がとにかく美しい!うっとりです。
あと、ほとんどが仕立て屋の店内とハリム、ミア夫妻の自宅で展開される(たまにハマム)お話ですが、
美しいカフタンの数々と周囲の音でも、モロッコの雰囲気を十分味わうことができます。
マリヤム・トゥザニ監督の前作はこちら
これも大好きでした。