この作品は11月に観ましたが、まだ紹介していませんでした^^;
3本の短編からなるオムニバス映画で、
侯孝賢、曾壯祥、萬仁の3人が監督しています。
台湾ニューシネマの始まりの作品と言われているのですが、
私は観なければ、と思いつつスケジュールが合わなかったり、上映を忘れていたりで今まで観ていませんでした。
すべて舞台は1960年代の台湾です(作品自体は1983年の製作)
・『坊やの人形』監督:侯孝賢
悪戯小僧たちのいきいきした姿がまさしく侯孝賢印。良いですねぇ。
貧乏で仕事がなくて(甲斐性もない)悲哀漂う主人公の描き方がネオレアリズモっぽいな、と感じました。
でも、どことなく楽天的なところが南国的というか台湾的なのかな、とも。
この赤ちゃんは侯孝賢の実子だとか。どことなく似ているような(笑)
・『シャオチの帽子』
「鈴木しあわせコンビ」という名前の日本製(ホントか?)圧力鍋を売る2人のコンビの物語。
ひとりは妻が妊娠中でとにかくお金を稼がねばならず、
もうひとりは兵役上がりでやる気がなく、近所のいつも黄色い帽子をかぶった小学生の女の子(シャオチ)に興味を持ち、
これどうなるの?と思ったら、なんかとんでもない結末に。ホラーかと思いました。
「しあわせコンビ」の名称がなんとも…
・『りんごの味』
南国台湾ではりんごが珍しかった時代(今はデパ地下で積み上がってます)
米軍将校の車に父親を轢かれた家族が車に乗せられて病院に行き、最後は災い転じて福となす…というお話。
ちょっとコメディタッチで、母親の逞しさや子供たちの悪ガキっぷりが楽しかったです。
特にお迎えの車から級友たちに見せるドヤ顔(笑)
台湾ニューシネマどうのこうのではなく、
普通に60年代なら台湾の生活を垣間見ることのできる作品として
めっちゃ楽しませていただきました〜。